第7話 変異体か、それとも...
ばかやろう!あれほど書けと言ったじゃねえか?
(自分に対する反省。)
現在時刻3時26分
「あそこです。」
俺は福垣さん、日見風先生と一緒に俺が死んだ場所、元軍事施設のもとにたどり着いた。
以前来た時よりもずっと明るく、不気味さや不安感もない。いったいなぜだろうか?
強力な味方を得たからだろうか、それとも死ぬことに、恐怖を覚えなくなってしまっているのだろうか?しかし、今やるべきことは敵勢力の把握である。人間の言語を喋るその個体を見つけ、素早く処理する必要があるのだ。
「にしても、魔食の姿が見当たらんな。さっきやった奴らで全部やったんか?」
福垣さんは鋭い眼光で周辺を見渡す。
「いやそれは無いと思います。」
「なんでそんなことわかるんや。」
「あくまで俺の仮説ですけど、俺が死んだ時、やけに数が少なかったんです。」
「というと?」
「まず、死体の数から見て、福垣さんが殺したのは10から15対して、俺が死ぬ前に見たのは5から8体程度なんです。」
「つまり、俺が殺したんはお前が見た奴らとは違うってとこか。」
「いえ、その可能性も考えてみたんですが、どうやら違うようなんです。」
「違うやと…?」
「重要なのは見た目です。」
「見た目?」
福垣さんは不思議そうに聞いた。
「先生、写真ありますか?」
日見風先生はやっとかというふうにズボンのポッケトからスマホを取り出すと、3つの画像を見した。1つは福垣さんと合流する前に倒した魔食の写真、もう1つは福垣さんが倒した魔食の写真だ。
「この2つの写真気付くことはありませんか?」
俺が質問を問いかける。
「強いていうなら、おんしらが倒した奴らは見た目が違てるぐらいか。んで、わしが殺したんは見た目が同じ…」
「そうです。そこが今までなかった重要なところなんです。今まではやつらは、全員違う形で襲ってきたのに対し、福垣さんが倒したやつらは見た目が同じ。」
「確かにそうやがそれがどない…そうか、統率されてた個体群。個から進化して、群れになったちゅうことか。」
「そして、日見風先生がやつらを殺したあとに全員に黒ペンで目印つけといたんです。」
「それがどない......そうか、なるほど。」
スマホの画面を見て納得する福垣さんを見ながら説明を続ける。
「俺が死ぬ前にみた8体の内、1体だけ、さらに福垣さんが殺したヤツにも1体だけ、黒い印がついた個体のヤツらにいたんですよ。つまり、1度殺したのに生きてたヤツ、または生き返らされたヤツがいるんですよ。」
「アイツらは自力で生き返れへん。10年狩ってきて分かってることや。」
「ええ、1度じゃ死なない不死身のやつがいる。」
「これは面倒なことになりそうやな。」
俺たちはそれぞれの武器を握りしめ入り口に入っていくのだった。
追記:まにあつた