第15話[豪炎]の仲間
「ヘェ〜ここが英雄ダンジョンか〜」
『自己中に似たヤツが付けた名前かな?』
あっ
『おっと一瞬変な事を考…まあしょうがないか』
「お〜いこっちだ!」
『「こっちだ」じゃねぇよ何処集合かちゃんと言っておけよ』
「一応来たが、集合場所とか言えよ!」
「すまん、すまん」
『すまんじゃねえよ、急に誘ってきやがってそのまま放って帰るとか脳神経イカれてんのか?』
「連絡先入れた覚えがあったんだけどなぁ無かったはそういう事だから。今すぐ連絡先交換しようぜ!」
『まさかコイツ知り合ったヤツ全員連絡先交換しているとでも思ってんの?やっぱりイカれてたか』
「連絡先は教えん」
「え?何で?」
「面倒だから」
「このQRコード読み取るだけだから簡単だろ?」
スマホからSNSの一種であるアプリ[パイン]のQRコードを差し出してくる。
そのスマホの起動から表示するまでのスピード僅か三十秒足らず。
"コイツ、早い!"
「すまんが、そのアプリ俺はやってない」
「え?」
「そのアプリ金かかったりして色々面倒。そのうえ俺からしたら信用がないから入れてない」
「SNSやって無いん⁉︎」
「やってるちゃやってるが、ほとんど金稼ぎにしか使ってない」
SNS=金稼ぎの道具コレが、影野の認識なのだ。
「SNSじゃ無かった、え〜と連絡のやつ」
『連絡のやつ⁈SNS=連絡用ツールだよ』
意味不明、理解出来ねぇ
いや、地味に出来るが…
「俺は、Zメールしかやってない」
説明しよう、Zメールとは、アメリカ発祥のZOOZPというところのチャットやアプリケーションであるのだ。
(超簡略)
「何それ?」
『え?知らんのコイツ』
「パインってさ、日本でしかやってないの知ってる?」
「え?そうなん!」
『そうか〜、知らんヤツおったんか…』
「まあ、俺帰るわ」
『しょうもない事で時間を取られてしまった』
「ちょっと待て」
『無視‼︎』
「おいおい待てって」
「誰?」
「俺は[豪炎]のチームに居る荷物持ち![瞬足の健太]と呼んでくれ!」
『荷物持ちか…俺じゃ無かったら「荷物持ちが調子のんな」とか言ってそう』
「ヘェ〜」
「ただの荷物持ちじゃねえぞ!俺は、ゴブリン単体ぐらいなら殺せるんだぜ!」
『凄いのか?いや、表世界のヤツらなら多い方か…』
「そして私は、[豪炎]が居るチーム紅一点!後方支援をしている。[後方の風弓]!またの名を椎名 瑞季!」
『せめて[風を纏いし弓使い]だろダサいぞ』
「意味不明な二つ名付けられてる」
「ふっ、意味不明?コレは魔道具の効果から名前を付けられているから意味不明じゃ《《無》》.《《い》》.《《よ》》!」
『何だこの爽やかイケメン』
「私の二つ名は、[水刃の奇公子]水刃様と、呼んでくれ」
『なんか悪質な名前になっている気が…』
「おお奇公子!遅かったな」
「で?この髪の毛ボサボサ男が、あの化け物ですか?」
「化け物?」
「俺って化け物何だ」
「悪いなコイツゴブリンとか人形の豚みたいな物を見ると口が悪くなるんだ」
「ちょっと酷くない…」
「大丈夫、大丈夫今日、部下にも言われたし」
「部下?お前部下なんて居たのか」
「悪かったな、と言っても最近出来たばかりだけどな…と言う事で私は帰ります。さようなら」
『マズイ、組織のことがバレたら…まあ裏世界の事を知らんとは思うが、一応逃げよう!』
「逃げんな、逃げんなそれより皆んなで、ダンジョンに潜って人形の豚を倒しに行こうぜ!」
「オークですか、良いですねぇ汚らなしい物を潰すのは何よりも素晴らしい快楽ですから皆さんも気持ちよくなれますし、《《行きましょう》》!」
『やばいヤツだ』
逃げよ
「逃がさねぇよ若造」
『荷物持ちの…誰だっけ?』
「なんで若造?」
『若造?オッサンとかじゃ無くて?こういうのって普通タコじゃね?もしかして何か理由が...』
「なんとなく」
「…」
『理由無いだ』
「とりあえず行くぞ」
『中学生時代の友達が言っていた言葉を借りるとコレは[強制イベント]みたいだ。
〜〜〜〜〜〜〜〜
「学生手帳を提示して下さい」
「はぁい」
どうやらこのダンジョンは免許証ではなく学生手帳を提示して入る様だ。
ロッカーに行って着替える。
今日の防具は、ダンジョン産の[水流のヘルメット]と[水流の胸当て]などの水流セット
いずれも魔力を込める(もしくは吸収)して弾性がある水の膜を作り出し、頭を防御する。装備で魔力を扱えるなら魔力で水の膜を動かせる。と言う装備だ。
そして武器は、[吸魔の刀(属性付け可能]
この刀は、俺がダンジョンで見つけた剣を改良した物で、近くの魔力や魔力を使った攻撃から魔力を吸収し、魔力タンクに溜め、柄に付いている宝石の様な見た目をしたスイッチを押すと魔力によって、属性が付くという物で
例えば黄色で稲妻の模様が入った宝石だった場合、剣身に電気が迸り触れた生き物を感電させ
緑色で風が吹いている様が描かれている宝石を押すと、刀の峰から風が出て斬りつける時の威力が増す。
紫色で渦巻きの模様が描かれた宝石を押すと、吸収した魔力を放出する。
と言った、チート武器みたいな品物だ。
売る気は無いが…
「良し、着替え終わったしそろそろ出るか」
「おうよ」
「そうしましょうか」
ダンジョンの入り口で椎名さんを待つために五分ぐらい待機した後、僕らはダンジョンに入ったのであった。