幹部のトラウマ
コンコン
「どうぞ」
「只今、戻りました」
「結果は?」
「受かりました」
『でしょうね』
当たり前だ。だってコイツは、俺よりも知識があって…いや、科学の知識は、高校生レベルだが、他の知識は、沢山持っている。
「影野様、資料J〜L、の閲覧許可を下さい」
『科学系の資料は、そこに無かったはず…』
「いいぞ」
「有り難う御座います」
そう言ったら歩いて出て行った。
『何に使うんだろう』
今日は、十二月二十四日
『もうすぐで、年が変わる…そういえば、異能者連合の本部に行かないといけない日っていつだったけ?』
異能者連合は、年に一回とある場所に集まり、会議をするのだ。
カチッカタカタカチッ
「二月一日か…」
『面倒だ。でも…』
そう、この男には行かないといけない理由がある
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『[データベース名[資料J]に接続]』
この資料J〜Lの中には、一つの資料フォルダに一般で使われている。GBに変換する場合、
四百GBを超える量のデータが、入っている。
資料フォルダによってどんなデータが、入っているかは、異なり、この三つフォルダに入っているのは、異能者連合、精霊教会、とある三つの忍者の里、などと言った。異能者連合が昔入っていた。ある巨大な組織に関するデータに関するデータが、入っている。
『ふむ、この里には遺伝子の関係で[姿隠し](里では、隠れみの術と呼ばれている)と言う異能を持つ者が、多いらしい…ここのリーダーが、忍者の集団で一番強いようですね』
相手の情報を知っていると勝てる可能性は、大きくなる。
だから相手の情報を持っていて損は、ない
まあ過信しすぎると痛い目に遭う、それだけわかっていたらの話だが
「二月一日ね…」
先輩達を殺した殺人ギルドの元メンバーが一番多く居る異能者連合の幹部クラス
主人の友を殺した張本人もそこに居る。
主人は、行動を起こすのだろうか…
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「あの女については、以上です」
「わかった」
『影野 リュウコ、影野 平八郎と同居中で元捨て子…経歴にはあの学校に通っている事になっているが、何処のクラスの名簿にも載っていない
裏の住人で間違いないすぐに始末しないと…この影野 平八郎って男の顔アイツに似ているような…』
数年前のトラウマが蘇る。
「っく」
『落ち着け、アイツは死んだはずだ』
妙なガキだった、任務を終えた後組織の基地に戻ると。アンドロイドらしき者を従え急に俺らを攻撃してきた。
おそらく今まで一番強かった敵だ。
まるで俺らの異能について知っているかのような動き、そしてなによりあの”銃の型をした武器“援軍に来た異能者の異能[バリア]を一撃で砕き、精霊教会の[風の盾]すらも貫いたのだ。
物理攻撃を完全に無効化すると言われる精霊魔法[風の盾]すら貫く威力!
正直欲しい
俺らは、逃げたあと援軍である精霊教会司教によって殺されたと聞いた。
そう異能者連合は、精霊教会に負けたと言われてもおかしくないのだ。
でも不可解な事もある。
精霊教会の技術力が全く変わっていないのだ。
全く分からなくても少しぐらい技術を入手出来たはずだ。
必要がないと判断したのかもしれないが、本当に殺したのかと言う疑問が出来てしまう
遺体を見せろとも言ったが、もう焼いたとか言っていた。
おかしい!少しでもヒントが欲しい場合、燃やさず解剖ぐらいはするだろう
そう思ってもおかしくはなかったが、あれほどの殺気を喰らってしかも力、技術力の差見せつけられてトラウマにならない訳がない、
もし俺らが人を殺す場合異能を使って姿を隠すがアイツは、それさえ見抜いた上でかかって来たのだ。
しかも左腕をやられたのだ。精霊教会の精霊魔法のおかげで腕はくっついたが、ダメージを喰らったことがなかった俺らからしては、大分ショックだった。
そこから俺らは殺しの仕事から手を引き新異能者連合として独立し
僅か数年で新異能者連合は、旧異能者連合の人数の比が3:1になるまで増えたのだ。
新異能者連合のルールで代表的なものは、事件があった時は殺しはせず話し合いや取引で終わらすと言うルール。
結果としては素晴らしい
因みに幹部のうち半分以上が、元殺し屋だ。
アイツと交戦したヤツも少なくはない
その時、異能者連合のリーダー、精霊教会司教などを殺したアイツは今黒い死神と言われ、ある意味伝説だ。
精霊や異能などを使わず。機械、肉体、戦闘技術それだけで幹部達を殺したのだ。
化け物と言われてもおかしくはない
もし、ソイツが生きていたら?そう考えるだけで寒気がする。
生きていたらあの時より強いに違いない
少なくとも俺は死ぬだろう
死にたくはないが…
仕事も家族もいるのだ死ぬわけにはいかない昔とは違う生きる意味が明確にあるのだ。
十ニ席が科学者を連れてきたらしいな…
俺はアイツの顔を知っている。
もしアイツだった場合、必ず先手を取って絶対に殺す。
俺は確かに覚えている、「友の仇ぃ‼︎」と言ってアイツが突っ込んできたことを