ダン検(2)
ゾンビパニックが起こると、思ったが、呆気なく破綻した翌日
「出て来い」
「わかりましたご主人様」
「ああ、そうそうこれから外出るけど外での名前は影野 平八郎だから影野って呼べよ」
「かしこまりました。影野様」
「外では、様付け禁止な。あと、服がそれだったら目立つからこれを着ろ」
女性の服一式を投げる。
「一応私女性なのでこんな感じに投げるのは、よろしく無いかと」
「確かにそうかも知れないが、俺は、モテる必要がないと言うかモテたくない」
因みに本心だ。
『小、中学校で女性の本心をうっかり聞いてしまった時から俺は女が嫌いだ』
※偏見70%
「そうですか」
『いつも通りそっけないな』
俺のせいかな
「では、何故この様な格好を?」
「これはなぁ」
〜[八年前(十七歳)]〜〜〜〜〜
「おいっ!影野!」
「どうした?」
僕は、影野 平八郎高校一年生だ。
趣味は、実験と剣道などの格闘技で、帰宅部
陰キャの部類に入るのでカースト的には、低い
因みにちょっとピアノが出来る。
「メイド服って良くね」
コイツは、浅井 心之助
同じクラスで立ち位置的には、陽キャ寄りの陰キャだ。
因みに話す頻度は、1週間に一回話すか話さん程度だ、
「急にどうしたんだ?」
「今日文化祭のやる事決めないとだめだろ?」
「ああそうだなでなんでメイド服なんだ?」
「いやメイド服って可愛いじゃん」
「あっそう」
それからそいつは、メイド服について語りだした。
「…で、どうだお前にもメイド服の良さがわかったかい?」
「おっおう、で何を言いたいんだ」
「メイド喫茶に一票で良いから入れてくれって事だよ」
「ふへぇ、分かったよ」
「なんだその返事は!」
コイツいつもより面倒くさぁ
その時僕は、全く思っていなかった。
これが最後の会話になるなんて
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「では、投票を始めるぞ」
学級代表の陽キャが言った。
「顔を伏せてやりたいやつにだけ手を挙げろ」
〜〜〜
「メイド喫茶が良いやつ手ェ挙げろ」
そういえば女子らに「メイド喫茶?キッショ」とかめっちゃ言われてたな。
勇気に免じて手ぇ挙げてやるか
〜〜〜
「負けちまった」
「ドンマイ、ドンマイ」
陰キャ達が慰めている。
負けたか…
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「〜て事があってそれで女性用の服で一番最初に思いついたのがメイド服だったと言うのとあとは、女に慣れようかな〜って思っただけだ。そうそう、これお前用のスマホな」
『高校一年で三番目に記憶に残った出来事がそれだからなぁ』
「ここ開けとくから大阪の拠点で待ってるぞ」
「あっはい」
〜〜〜
「来たか」
「はい、只今」
「良いか、体力測定は、手加減して一般女性よりちょっと上を目指すんだぞ」
「かしこまりました」
「じゃあ行くぞ」
「ついてくるのですか」
「書店に行きたいから途中までな」
「はぁ」
〜〜〜
「やっぱり前より人が多いな」
戦争のお陰で世界中が大混乱
人々は、シェルターを家に作る為借金をし
シェルターを業者に作って貰ったり
食糧やトイレットペーパーを溜める為にスーパーなどに集う
世界中が物不足だ。
また、ダンジョンにも人は、殺到する。
理由は、沢山ある。
ダンジョンをシェルター代わりにしようとする人や
人類が、勝つヒントがダンジョンにあると盲信する人々が出てきたからだ。
因みに俺は、この様な騒ぎを予想して非常食や建築系の会社の株を爆買いした。
そして買った株は、価値が右肩上がりで伸びていっている。
俺は今資金を大量に所持している事になる。
つまり、成金だ。
「よう、そこの美人なネェちゃん一緒に遊ばねぇか?」
あの戦争で、人類は滅びると勝手に思っている奴等は、
この様に好き勝手している。
日本はまだマシだが、他の国では無法地帯になっているらしい
狩に行っても良いかなと思うが、遠いから諦める事にする。
「今からコイツはダン検受けに行くから却下だ」
「彼氏持ちかよ」
『彼氏じゃねぇよ親だよ』
「ははっダンジョンに希望なんて無いよ諦めて俺らと遊ぼうよ」
『頑張ってコイツの見た目を良くしすぎた様だ』
「無視だ無視」
「無視すんなよ」
「うるさい」
相手の股間に弱目の蹴り一発
「うっ」
崩れ落ちた。
「おっ覚えとけよ」
逃げて行く。
〜〜〜
「試験会場はここだ。終わったらスマホで連絡寄越せよ」
「はい」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
『何も無かった。筆記試験満点は、やり過ぎたが、ご主人様は体力測定の事しか言っていなかったからだ大丈夫』
「連絡入れないと」
送信
「あとは、帰るだけか」
「ようネェちゃん」
『昼間とは、別のヤツだ』
「どうしましたか」
「俺らと一緒にさぁ都会の遊び。してみないか」
『面倒ですね適当にあしらっておきましょう』
「気持ち悪いです。二度と近寄らないでください」
『こう言ったら諦めてくれると思うけど…どうでしょう』
「なんだぁ俺様に逆らうのか?」
『逆ギレですかどうしましょう目立つなと言われてるので人気のいない所に行って〆《しめ》るか』
「いいえ…」
「やめないか君たち」
外国人っぽい風貌の青年が出てきた。
『誰でしょう、まさかこれが主人が言っていた[自己中]』
「なんだ勇者様の登場か?」
『何処か見覚えが…あっ』
「これ以上は見過ごせません、警察に通報しますよ」
「っち」
逃げた
「有り難う御座います…」
「どうも」
「殺し屋さん主人は復讐をまだ望んでいますよ」
そう耳元で囁いた。
「なっ」
『先輩方の《《かたき》》は取る。…これ以上ここに留まる理由はない、帰ろう』
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「バレた…」
『何故だ何故バレた…』
「ッチ」
忘れ去ろうとしていた事を思い出したのだ
「どうされました[第六席《第六席》ブラウン]様」
「いや、なんでもない…さっきの女について調べろ」
「さっきの女?」
「見ていなかったのか?青髪で髪留めでバツの字を作っていた女だ」
「はっはい」
『何故俺が殺し屋をしていた事を…何故だ。あのしつこかったアンドロイド達を思い出す』
部下は、思った。『上司が、恋をした。あのいつも冷静な上司が!広めないでやるから頑張れよ』と
以外といいヤツなのだ。