プロローグ In front of hell
注意
これは小説ど素人が作成してありますダークファンタジー系作品です。
ど素人故に誤字や言い間違いが多くあり読んでいただいた際に苛々させてしまったり不愉快にさせてしまう可能性があります。
また、表現に残忍かつ残酷なものを含んでいますのでご注意お願い申し上げます。
そこは焼身地獄か又は傷心地獄とも言える場所。
地表には岩と大地に生えている枯れ始めの様な見た目の雑草があるばかりで豊かな緑も湖もない。
空には大穴が開いており、大穴以外の殆どは深蘇芳色の雲に覆われていて絶望感に支配されそうな世界が広がっている。
だが一つだけ異常な『者達』がいた。
それは焼死体よりは少しマシな程度に焼け焦げた灰人と言う者達。
この場には見渡す限りに何千•何万の灰人がおり、数十キロ単位で辺り一面を地獄絵図と化している。
灰人は人間で言う心臓の位置から焔炎と炎が迸りながら蠢いている、中には膝から崩れ落ちた形でいる者も、燃える体の痛みに地面に這いずり転がる様な形で固まっている者達もいる。
だが蠢くせいで表面が硬い灰と化した皮膚に亀裂が入り、亀裂から生焼けになった肉を見せながらドロっとした赤黒色の血を垂れ流しながらその痛みでまた苦しみ悶えている。
更には時折り小声で何かに対しての謝罪や後悔のような呻き声さえも聞こえてくる、その光景がまたこの地を傷心地獄とも言えるような様にさせているのだ。
だが目を凝らしてみると、点々とだが極小数の(灰人の中では)異常とされる者達がいた。
その者達は皮膚は灰とは化しておらず焼け爛れた程で胸の炎もどこか優しく迸っている。
表情は安らかなものを浮かべ己の人生に起こって来た不幸や、歩んで来た中で無意識に犯してしまった罪か又は事故的か意図的に犯した罪を認め受け入れる事で心の底から謝罪をし続ける。
これは生前の歩んだ人生を受け入れた者、感受の灰人とも言うもう一つの姿だった。
だがしかし、そんな人生を一から全て見つめ直した中で無意識か事故的にか、はたまた偶然に行動の結果が繋がってしまった事を理解し罪意識を持ち罪を認めるなど殆ど不可能だろう。
だからこそこの者達は極少数しか存在しない。
そんな焼身地獄の中でも『彼』は、感受の灰人の中でも異質で摩訶不思議な存在と『認識』されてこの地獄に佇んでいる。
『彼』の胸の炎は優しく、爛れる肌はまだ軽傷で安らかな顔には痛みを感じて歪む事がない。
『彼』は罪と不幸を全て受け入れ切った上で、呻き声が連鎖して聞こえるこの地で深蘇芳色の空を見上げて誰かに想い浸りながら時たま微笑みを浮かべている。
『彼』がこの地に落ちて数十年、想い浸れる何者かがこの地に異質な感受の灰人を1人漂わせた。
だが…何処にいようとも希望や安らぎやなど永遠となる物は無かった、思いもしない瞬間に打ち砕かれ踏み躙られ無惨にも絶望になっていく。
それは希望感が強ければその瞬間の絶望も大きくなるように。
安堵の微笑みを浮かべていた彼は空の大穴から落ちて来ている人を見つけ自身が焼身地獄(傷心地獄)にいる事を思い出し絶望に堕ち沈み歪んだ顔となっていった。
「・・・・・・!!!」
その瞬間彼の声にならない叫びが、連鎖していた呻き声を掻き消し響き渡る。
涙を流し響き渡る叫び。
だがその涙は絶望と共に激しく燃え盛り始めた胸の炎によって落ちる事なく蒸発し消えていく。
『彼』を支えていたものは無くなり燃え盛る炎によって体は胸から少しずつ灰人よりも酷く爛れた炭になっていく。
『彼』は爛れた灰人になりはじめながら今までほとんど動くことのなかったその場から落下して来ている『人』の元へと歩み始めた。
その歩みは落下して来ている人を心配し安全を確認しに行くためか、それとも受け入れられない現実を否定しに行っているのか。
「…ゔぅぞ……」
意識が途切れ途切れの瞬間に『彼』は後者の意味を持つような呻き声にも似た叫び声を漏らして行った。
走り出した彼の理性は塵程度しか残ってないだろう。
ぎこちない動きをする焼死体の灰人とはまた異なった異類異形な爛れた灰人となって走って行く。
そして『彼』もまた体の表面の亀裂から赤黒色の血を垂らしている、血とは別に亀裂からは新たに忌気の毒煙を放ちながらその場から走り去っていった…
―プロローグ 終
私のダークファンタジー作品の始まりのプロローグを最後まで読んで頂き誠に有難う御座います。
今後こちらの続きをスローペースではありますが掲載させていただきますので、どうか御興味や好奇心がくすぐられた人がおりましたら読んでいっていただけると幸いに御座います。
是非、今後とも宜しくお願い申し上げます。