表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

半分こ。

君と半分こ。

作者: 文学壮女

「僕」視点のお話です。

君がまだ、

1人じゃアイスを食べ切れないと泣いてる頃から、

僕は一緒にいるんだよ。


僕も1人じゃ無理だったから、

泣いてた君の隣に座って、

1つのアイスを半分こ。


あれからお互い大きくなって、

簡単に食べ切れるようになったけど。


今でも悲しいことがある度に、

君はアイスを1つ買ってくる。


2人で食べて、悲しいことも半分こ。

カップが空になる頃には、君の涙も乾くんだ。



でも今日は、

君はずーっと泣いたまま。

僕の隣で泣いていて、

アイスの蓋も開けぬまま。



「僕にしなよ。」



思わず口から出そうになって、

慌てて君から目を逸らす。


どんなに想っていても、

僕なんかじゃ、

幸せまで半分こにしてしまいそうで。


君はきっと、

僕より素敵な誰かのために泣いているんだよね。



どれだけそうしていただろう。


臆病な僕に背を向けて、

君は溶けたアイスを持って立つ。


アイスが溶けてしまっても、

悲しい気持ちは消えなくて。



帰ろうとする君の手に、

僕は思わず手を伸ばす。



「一緒に食べよう。

半分こしよう。

溶けていたって構わない。

2人で食べたら美味しいから。」


君は背中を向けたまま、

それでも僕は止まらない。


「君と半分こで食べられたら、

僕の幸せは2倍になるんだ。」



振り返った君が、

何か言おうと口を開く。


大丈夫。

覚悟はしている。

僕はもう、1人でもアイスを食べられるんだから。

彼女は何を言おうとしているのか。

よろしければ、「私」視点もお楽しみください。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ