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19歳男性の場合 part11
テーマパーク内で軽く夕食を済ませた。帰って作る時間と体力がないと思ったから。そのあとは閉園までゆっくりと歩き回り、アトラクションは乗ることなく周りの景色を眺めていた。
帰りの電車の中で、しおりはウトウトとしていた。眠い目を擦りながら、必死に耐えている様子だった。
家に帰ってくると、すぐに自分がお風呂の掃除をして、今にも寝落ちしそうなしおりと一緒に風呂に入った。溺れられたらたまらないから。洗面台の椅子にしおりを座らせて、長く綺麗な髪をドライヤーをかけた。お風呂に入ったことで、少し目が覚めてきたしおりは自分と交代して髪を乾かしてくれた。自分の髪も乾かし終えると、しおりは自分を連れてベッドに入った。首を強くホールディングして、離れないように、離さないように。
「今日楽しかった?」
自分の目をまっすぐ見つめて、しおりは聞く。
「楽しかったよ。」
「そっか。よかった。」
しおりは自分の胸に顔を埋めながら、いつの間にか寝息を立てていた。しおりの寝息が当たり、胸のあたりが暖かくなってきた。その温もりに安心感を抱いて自分も目を閉じた。




