19歳男性の場合 part9
ちょうど時間はお昼時。
連続のジェットコースターで自分は少しグロッキーな感じだった。しおりも合間にちょくちょく買い食いをしていたのであまりお腹は空いてないと言う。でも、流石に疲れた自分は、しおりを連れて喫茶店のような、少しレトロな雰囲気で流行りの曲ではなくジャズが流れる店に入った。そこで、自分たちは二つコーヒーを頼んだ。
「連れ回してごめんね。」
さっきまでの異常なスケジュールを改めて、思い直したのか、しおりが謝ってきた。
「いいさ。しおりが楽しいなら。俺はこういうのに無頓着だし、しおりに連れ回されないと外にすら出ないから。でも、意外に楽しく感じてるよ。こういうのはずっと避けてきたから、楽しいと思ってる自分に少し驚いてる。」
「本当?よかった。」
少し理屈っぽい自分の言葉を聞いて、しおりは笑顔を取り戻した。
コーヒが届くと、コーヒー特有の香ばしい?それとも豊満?どれも違った匂いがした。ついてきた砂糖とミルクは全てしおりにあげて、自分は香りを楽しみながらフゥフゥしながら少しずつコップを傾けた。
「よくブラックで飲めるよね。私はまだ無理だ。」
しおりは自分と同じものが飲みたいとよくコーヒーを頼むのだが本当に好きで飲んでいるのかは少し疑問で、砂糖をいっぱい入れて、ミルクもたくさん入れる。
「毎回言うけど、無理して飲まなくていいんだぞ。」
「わかってないなぁ。これも愛情表現の一つだよ。相手と同じものを飲んで、同じ時間を共有する。これ以上の愛情表現があるとでも?」
そういうとしおりはしおりように改良したコーヒーを口にする。
「まだ苦い。すいませーん。」
しおりは追加で3本砂糖を頼んでいた。これじゃあ、全く別の飲み物じゃないか、というと名前は一緒だからいいのだそうだ。試しに飲んでみろと言われてしおりようを口にしたら、コーヒーの面影は一歳なく、ホットミルクに砂糖を大量にぶち込んだ味がした。少し嫌そうな自分の顔を見てしおりはニタニタしていた。




