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26歳男性の場合 part17

お昼時を過ぎて、大きな水槽の前にはどんどん人が集まってきた。創と同じような年代の子供が両手を繋ぎながらこの場所に来る。自分の方に乗っている創は自分の頭を掴む腕に少し力が入った。


「ご飯行こうか。」


創の気持ちを察した自分は早くその場から立ち去る。自分と同じ年代の子達が両親に囲まれて楽しそうに水族館に来ている。その光景をマジマジと見せつけられる。誰も悪くない。でも、残酷な現実。


「パパ。もう大丈夫だからおろして。」


自分は創の要望に答えて創を肩からおろす。すると、創は自分と母さんの手を握って歩き始めた。母さんと目を見合わせて、悲しげな顔をしてしまう。


「創?ご飯の前におトイレに行こうか。」


自分は創を誘ってトイレに入る。しっかりと手を洗って、再び手をつないで歩いた。歩いている途中も創は笑顔だった。でも、その笑顔が嘘だとわかってしまう笑顔だった。こんな子供に気を使われてしまっていることに誰にも解決できない、当たることもできない罪悪感が自分を包んだ。




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