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中学一年生男子の場合 part31
時間は幸助くんを迎えに行く時に戻る。
案の定、幸助くんは自分たちのことを覚えていなかった。
「思い出してもらえないかな?」
幸助くんの表情はすこし戸惑っている感じだった。
「時間がないからこれからのことを話すね。」
自分はこれまでの経緯とこれから起こることをしおりに説明した通りに説明をした。幸助くんの顔は青ざめていた。思い出したのだろう。しおりの顔も複雑な表情だった。
「理解してもらえたみたいだね。俺のことも思い出してもらえたみたいでよかった。もう時間も残されてないから何かいうことでもあるかな?」
幸助くんは自分の胸ぐらを勢いよく掴んできた。顔は不安と怒りでいっぱいだった。こんなに感情を表すのは最初にあった幸助くんには考えられないものだった。
「随分と今日1日で変わったね。それだけいい経験をしたのならよかったよ。」
自分の言葉に幸助くんはさらに腹を立てたようで胸ぐらを掴む腕に精一杯力を入れていて少し震えていた。




