中学一年生男子の場合 part12
最近、なかなか話が浮かびませんが頑張って毎日投稿をしています。最後まで読んでいただけると嬉しいです。
これの他に長編として『白い紫陽花』という小説も書いているのでそちらもよろしくお願いします。長編は毎週土曜日の午後に更新しています。
体育の時間になり、女子と合流してから授業が始まる。夏帆はぶかぶかの自分の長袖の体操着を大事そうにきていた。周りの女子に囲まれていて、人とのコミュニケーションが苦手なのか戸惑いながら1人1人の話を聞いていた。夏帆も自分と同じで、今までこんなに人から注目を浴びた事がなかったのだろう。
「何、彼女の方ばかり見てんだよ。」
クラスの男子に話しかけられた。
「気になるなら行ってやれよ。」
なぜか、背中を押されて夏帆のほうに向かう。すると、女子の方から、
「彼氏さんがきたよ。」
と言われて恥ずかしがりながら自分に近寄ってきた。
「ぶかぶかだね。」
「そうだね。でも、これでよかった。」
ぶかぶかの体操着の袖を顔に当てて、匂いを嗅いでいる。
「落ち着く?」
好きな人の匂いが落ち着く気持ちがわかるので聞いてみた。
「うん。落ち着く。」
「そっか。よかった。」
夏帆の頭に手を置きながら自分はささやく。夏帆は長すぎる袖で自分の顔を隠した。
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