表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

太陽系『新』大運動会?

作者: 山田助兵衛

タイトル詐欺にご注意を。

冥王星「さて、懲りずに開催された第一回『太陽系大運動会』!」

エリス「司会はお馴染み(?)準惑星ペアの私ことエリスと……ん?「第一回」??」

冥「取り敢えずやさぐれるのにも飽きた冥王星でお送り致します!」

エ「何やら最初から怪しさMAXですねえ……」

地球「ちょっと!それよりも私たちのこの格好は何!?」

冥「何って……純然たる体育着ですが何か?」

地「っていうかこれ『ブルマ』じゃない!しかも……」

木星「ボクらの姿、まんま女の子になってるよね~」

冥「ええ、ですから今回は「赤組・白組」ではなく「赤(赤色ブルマ)組・紺(紺色ブルマ)組」に別れているのですよ」

水星「それもはや『太陽系』の意味無くね?」←コレも既にチビッ子美少女(貧乳)化してます。

 ドン❗

冥「そして私は言いたい!」

水「な、なんだ!?」

冥「何故アニメやゲームではブルマは赤一色なのか!」

水「は?」

冥「本来ブルマとは白い半袖に赤、もしくは紺色という素晴らしきコントラストを誇るアイテム!さらには希に緑色のブルマも存在したというのに最近の雑な描写は如何なものか!」

水「何の話をしとんじゃキサマは!昭和のオッサンか!」

木「それ以前にブルマってすでに絶滅した幻の衣装だよね……」

??「ねえ、そんな事より早く進めない?この「ブルマ(?)」ってどうも食い込んじゃって落ち着かないのよ」

 そこに軽くウェーブした長い金髪を引っ提げた美女が、自分のお尻の辺りを気にしながら登場した。

冥「おお!流石は金星(ヴィーナス)!見事な金髪美女になった上に、お尻に食い込んだブルマに指を入れて直すその仕草……完璧だ」

エ「えーと、いい加減にこの元惑星(へんたい)はほっといて競技開始しましょうか」


第一競技「綱引き」


冥「それではざっくり説明しますが、この大会は水星・金星・地球・火星の赤組と木星・土星・天王星・海王星の紺組に別れて競います」

エ「それって小惑星帯を境に内と外で分けただけじゃ……」

冥「それもざっくりだからいいんです。とにかく、個人の得点(ポイント)を加算して多い組に更にポイントが加算されて最終的に勝敗を決めます」

エ「まあその辺りは良いんですが」

冥「何か問題が?」

エ「問題しか無いです。だいたい何故綱が『上から』ぶら下がっているんですか!みんな上を向いてポカンとしてしまっているじゃないですか!」

冥「『綱引き』だから素直に引けば良いのでは?」

エ「その『綱』がどうして何本もぶら下がっているのか是非とも説明して頂きたいものです(-_-#)」

冥「引けば分かります」


 そして競技場では……。

火星「一応『綱』は『綱』だけど……」

地球「延びた先が暗黒ガスみたいなものに続いていて見えないね」

 各惑星(美少女)が上へと延びる何本もの見上げて思案していた。

水星「そんなモノ、引いてみれば分かるだろ?じゃ、オレいっちば~~ん!」

 物怖じしない水星がその内の一本をぐい、と引くと━━。

水「あれ?」

 ばっこ━━ん!

水「うぎゃ!」

地「こ、これは!?」

エリス「おっと、これは水星が落下したバカでかい金だらいの直撃を食らってノックアウトです!」

冥王星「う~~んブルマ姿のチビッ子が大の字で倒れているのも中々」

エ「黙れ変態。しかし、引かない事には始まらないので皆さんどうか覚悟を決めてお願いします!」

土星「なんか酷いこと言ってるけど。仕方がない……よいしょっと。……あれ?」

 土星が引いた綱はそのまますっぽ抜けてしまい、その後から何か紙切れの様なものがひらひらと降ってきた。それを何とか土星がキャッチすると━━。

土「…………「スカ」?」

 その後。

 上から水をぶっかけられてずぶ濡れになったり、引いた途端に上に凄まじい勢いで引っ張られて星になったり(元から星だが)で、この競技は勝者無しとなった。


第二競技「玉入れ」


冥王星「続いての競技は「玉入れ」です!」

エリス「え?」

冥「どうしました?」

エ「私の聞き違いかしらね……」

冥「(にやり)では皆さん頑張って下さい!」


天王星「━━で?何処に「玉」があるっていうのさ」

海王星「確かに(カゴ)は二本立っているけど、玉の代わりに変な物が散らばっていますねぇ……」

 その地面(これまたどこからか引っ張ってきた謎の巨大モノリスを使用)には。

地球「これって、踏切板(ロイター板)ですよね、跳び箱なんかで使う」

冥「おっと、流石は地球はこういうの詳しい!そうです、これは元々丸い球体である貴女方自身が「玉」になって入る、題して『玉入れ(たまはいれ)』競技です!」

エ「やっぱり私の聞き違いじゃなかったのね……」

冥「さあさあ、頑張ってぶっ込め~~!」

エ「うわぁ」


金星「まあ、今さらここで文句を言っても始まりませんわ。先ずは(わたくし)が参ります!」

 その姿のせいか、妙にお嬢様っぽくなってしまった金星が金髪(プラチナブロンド)をなびかせ、踏切板に向けて助走をつけ━━。

金「はっ!」

 華麗にジャンプ!

金「あら?」

 しなかった。

 ごい~~~~ん。

皆『あ』

 そこには籠を立てた支柱に顔面から突っ込んだ哀れな美女(ヴィーナス)の姿が。

 ぽとり。


冥「あ、落ちた」

エ「いや落ちた、じゃないでしょ!衛生兵(メディック)衛生兵(メディック)~~!」

冥「そういえば言い忘れていましたが、踏切板のバネの強さはランダムになっているのでご注意下さい」

エ「そういうのは先に言え!」

 結局この競技も、板の下に火薬が仕込んであって星に(以下略)だったり、板そのものがダミーで落とし穴が掘ってあったりして勝者はまたしても無しとなった。


第三競技「二人三角」


冥王星「続きましては「二人三角」!」

エリス「既に怪しさを隠そうともしてませんね……。一応聞きますが、どんな競技ですか?」

冥「これは諸事情により各チームの代表が競います」

エ「諸事情ですか?」

冥「うふふふふふ……」

エ「ひいっ!」


 そして競技場には何故か。

 赤組から火星と。

 紺組から土星が選抜されていた。

火星「二人三脚じゃなかったっけ?」

土星「相手チームと組んでも意味無いよね~~。ん?」

 そこにぱたぱたと駆け寄る小さな姿が。

??『ねーちゃん!』

??『お姉ちゃん!』

火「あれ?フォボスとダイモスじゃん」

土「そっちは、タイタンとレア?」


エ「おや?神妙な顔をして彼女らの衛星が集まってきていますが……」

冥「ふふふ……衛星(ようぢょ)に緑ブルマの体育着。完璧だ!」

エ「……(ドン引き)」


フォボス「ねーちゃん、わたしと……」

ダイモス「ぼくの……」

火「んん??」

フォ&ダ『どっちの方が大事!?』

火「何ですと━━っ!?」


冥「なんとコレは!浮気相手と嫁が鉢合わせダンナへ迫るが如くに詰め寄る衛星(チビ)たち!これはどちらを選んでも角が立つという修羅場!」

エ「あーだから『二人三角』な訳ですね、ハイハイ。でもあちらはそれ以上に地獄と化してますけど良いんでしょうか?」


タイタン「土星の衛星と言ったらタイタン(わたし)だよね、お姉ちゃん!なんたって水星よりも大きいんだから」

レア「大きいだけのタイタンじゃなくて、大きさとうつくしさを兼ね備えたレア(あたし)が一番よね?」

エンケラドゥス「あら、美しさといったら太陽系で最も白く輝く星の私が……」

ディオネ「僕だって!」

テティス「いやあたしだって!」

ミマス「そんなことないでしょ!?」

土「な、なんか増えてる~~!?」


冥「流石は衛星の数が軽く50を越えている土星!これは大変な事になってしまった!」

エ「なんか楽しそうだなおぃ」


 結局この競技(?)がどうなったかというと、問い詰められまくった火星と土星の両方の心が折れた事により、これまた引き分けで終わった……。


第四競技「借り物競争」


冥「さあさあ気を取り直して次の競技へ参りましょう」

エ「どうして運動会でいちいち気を取り直す必要があるのか聞いてもいいかな?」

冥「各惑星横並びに並んで━━」

エ「あ。こいつスルーしやがった」

冥「スタートです!!」

 多少のばらつきはあったものの、ほぼ同じようなタイミングで惑星たち(美少女♥️)がコース上に置かれたお題箱の封筒を開いていく。


冥「おや?何やら各選手(くどいようだか美少女!)が顔を見合わせています。これはどうした━━ん?」

エ「気のせいかなんだか皆がこっちを見ているような━━」

 と、次の瞬間惑星たちが我先にと実況席に向かって駆け出した!

エ「気のせいじゃないですね。というか、視線のさきには……」

冥「え?冥王星(わたし)?」

 そして一斉に。

『(わたし)(あたし)(オレ)(ぼく)と一緒に来てくれ!!』

 冥王星に向かって全員が手を差し出した!

 ひらひらり。

エ「ん?何か紙が落ちた……って、これお題の書かれた紙じゃない。いったい何が━━」

 エリスがその紙を広げるとそこには。

エ「『パチモンを探せ』?……まさか!」

地球「そう。パチモン(にせもの)と言ったら」

土星「長い間第九番惑星と思わせつつ実は惑星ではなかった」

海王星「準惑星の冥王星(おまえ)しかいない!」

エ「もう(そのネタ)やめてあげて!とっくに冥王星のライフはゼロよ!」

※2006年。冥王星は太陽系惑星の定義に満たないとして準惑星へと実質降格したのである(史実)。憐れなり。

 で。

 その冥王星(準惑星)が泣きながら逃げ出してしまい、この競技も勝者無しというオチに落ち着いた(おぃ)。


エ「おーい。生きてるかー?」

冥「ふ……ふふふ……。俺たちの闘いはこれからだぜ……」

エ「それ打ち切りフラグ」


最終競技「リレー」


エ「「リレー」ですか。種目だけはまともなのがかえって不安を煽るのですが」

冥「イヤですねぇ、最後を飾るに相応しい競技じゃないですか(くすっ)」

エ「今ちょっと邪悪な笑みが見えましたが?」

冥「さあ、泣いても笑ってもこれで決着が着きます❗張り切って逝きましょう」

エ「そりゃ、どこもまともに得点が入っていませんからね……(--;)」


水星「あのー……」

冥「はい、どうかしましたか?」

水「コレ何?」

 と、水星(小柄でブルマがよく似合う)が広げた手のひらの上には小さな何かが乗せられていた。

冥「だから「リレー」ですよ」

水「は?」

冥「説明しよう!「リレー」とは外部から電気信号を受け取り、電気回路のオン/オフや切り替えを行う電気部品の一種である!」

水「はい?」

冥「そしてそれを繋げてこそ正に「リレー」!バトンなどという中身空っぽのブツとは訳が違う!!」

エ「あーあ、やっちまいましたね。いくら作者が工業高校出身だからって……」

冥「そんなメタい会話は華麗にスルーして、さあ、競技開始です!」

水「へーい……(何かを諦めた顔)」


 パァン!

冥「さあ、華麗にスタートダッシュを決めて水星がまずは飛び出していく!それをそれを追う木星ですが━━」

エ「長身の木星が加速が付いて追い縋る!……と、木星のペースが思ったほど上がりませんね?」

冥「それはあれが原因でしょう」

 ぽよんぽよん。

木「あ~~ん、胸が弾んで走りにくいよ~~!」

冥「素晴らしい躍動感ですね」

エ「エロオヤジかあんたは!」


 ━━とかなんとか漫才擬きの実況をしつつも勝負は最終局面に差し掛かろうとしていた。


冥「さあさあ泣いても笑ってもこれが最後!アンカーの火星と海王星がほぼ同時にゴールへと到着━━しませんね?何かゴール前で首を捻っています」

海「ねーこれどうしたらいいのー!?」

 と、騒ぐ海王星と火星の目の前には何やら機械やら電気部品やらがぎっしり詰まった背丈程もある謎のスチールの箱が。

冥「その箱の中にリレーをセットすれば完了です!何処かに丁度ハマる場所がある筈ですよ~~!」

火「ええとええと……どこだこれ?」

海「うーん、これは……お?」

火「あった!」

火星&海王星『これだ!!』

 カチリ。

 と。同時に二人がリレーを差し込んだ瞬間。

『ずどばぁぁぁぁぁぁぁん!!!』

 ゴール地点で大爆発が起こった。


エ「はいぃ!?」

冥「あ、言い忘れていましたが、実はリレーを差し込む場所には幾つかのダミーが仕掛けられていまして間違えてしまうと自動的に爆発します。あしからず」

エ「「あしからず」じゃないでしょう!そういうのは先に言っとけ!」

冥「てへぺろ❤️」

エ「殴っていいか?━━つーかどうするんですかこの勝負!」

 そのエリスが指差す先には黒焦げで転がる憐れな惑星(美少女だってば)が。

冥「まあ、どちらも刺し違えたという事で両者共倒れ。残念ながら失格ですねー」

エ「刺し違えるの意味がおかしいだろ」

冥「ともかく、これで全ての競技が終了しまして、なんと!同点引き分けとなりました!」

エ「引き分けも何も全っ然得点が入っていない気がしますが?」

冥「いやあ、かなりの激戦の末の結果でしたねぇエリスさん」

エ「何を良い話風に纏めようとしてやがるんですか」

冥「まあまあ細かい事は気にしないで。━━ここまでの実況は小さくて可愛い元惑星の冥王星と━━」

エ「さりげに自分を持ち上げるな。ええと、一時期第10番惑星かと騒がれた準惑星のエリスがお送りしました」

冥王星「以上を持ちまして、『太陽系大『運』どうかい?』を終了致します」

エリス「『第一回』ってそういう意味かい❗️❗️」


━完━

……のハズ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ