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イッツ・マイ・ライフ  作者: こひなたあおい
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ニートは幼女に異世界転生してもニートです

お母さんに連れられて綺麗な大きいお屋敷に行くと、お髭を生やしたおじさんと、銀髪のベリーショートの男の子が玄関で私達を迎え入れてくれました



「ユミ、この方がこれから貴方のお父さんとお兄ちゃんになるマイケル君よ、仲良く出来るかな?」



ねえ、お母さん、私まだ3歳だけど、産まれる前は実は中身は異世界で年齢=ニート歴魔法使いになりかけてた女子なんだ。確か…最後は両親も身寄りも無くて自殺した。この世界には色々な種族がいるが所謂異世界転生だと思う、ここはどうやら天国でも地獄でも無さそうでモンスターやら魔法やら前いた世界に無い物で溢れていてファンタジーな世界だ


「マイケル君はユミより7つも年上のお兄ちゃんでね、ユミちゃんにはまだ良く分からないかしら…」


分かるも何も再婚て事だよね?今迄そんな兆し無かったのにいきなりすぎだよお母さん。小さなアパートからこんなお屋敷の旦那様どうやってGETしたの?今回の人生では喪女からは脱却出来るのだろうか?


否。この世界にも漫画もゲームもTVもある。また2次元に逃避行している未来が来そうだ



「お母様、この子はまだ声が…?」


「ええ、お医者様にも見せたのだけど何処にも異常がみられなくて」



それは中身はお母さんとそんな歳が離れてないし、ただの女子トークにしかならないのと子供なのにおばさんくさいとか言われたく無いから話さないだけだよ。



「ユミ、今日から君は僕の妹だよ?ここが君の家になるんだ、慣れる迄僕がちゃんとお世話をするからね?」


メイドさんも後ろに控えているのだから相当なお金持ちなのだろう。何不自由無い生活=再度ニートにもなれるイージーモードならある意味歓迎だけれど、もしや自殺すると同じ過ちを永遠ループをするという地獄?



「さあ、お父様がユミに大切なプレゼントがあるんですって!」


「さあ、こちらだ。段差があるから足元に気をつけなさい」


お父さんがそう言うと、新しいお兄ちゃんが私の左手をギュッと握って段差や歩幅を合わせてエスコートしてくれた。


「まだ改装が間に合わなくてマイケルと同室になるが、ここが暫くユミの部屋になる」


右側にはアンティークで統一された調度品、そして反対側には真新しい女の子用のアンティーク物の調度品。お母さんには悪いけど、前に住んでたアパートより子供部屋の方が広い


テーブルマナーも良く分からないけどとりあえず夕食を済ませ終わるとメイドさんと共に1番先にお風呂に入れられジャブジャブ猫の様に洗われた。それから先は猫足バスタブに私が丁度浸かる深さでバシャバシャしたり、ぶくぶく沈んで遊んでみる。日本人なら一度は夢見るお風呂タイムだ。


「お嬢様、お耳の中にお湯が入ってしまいますよ、あぁ、泡が御髪の上にっ⁈」



ぶくぶくぶく。フルーツの香りの泡風呂で潜水ごっこなんて転生前でもした事は無いけどなんか楽しい!


カチャリとお風呂場のドアが開いた音がした


「坊っちゃま、申し訳ありませんがまだお嬢様が湯浴み中ですので…」


「もう一時間経つし、そろそろお湯が冷めてくるだろう?ユミが風邪を引いてしまったら困る」



はっと慌てたメイドさんは潜水ごっこしていた私をお湯の中から慌てて引き上げた


皆お風呂を済ませて私は出された甘いミルクを飲んでるとTVを見ていた新しいお父さんがお兄ちゃんと私に向かって言った


「今日は夜から雪が降るそうだから、2人共温かくするんだぞ?」


「はい、父上。ユミは毛布1枚足しておいた方がいいでしょうか?」


あ、それならとメイドさんはさっそく準備に取り掛かった



夜。と言っても夜中の2時だ。これも転生前から変わらない事だけど中々寝つきが悪かった。寝たら逆に寝すぎな位寝てしまうし寝起きも悪いから起きてる方が楽だった


外ではお父さんが言っていた通り雪が降り始め、私は小さなランプを点けて絵本をめくった。この世界でもシンデレラはあるらしい



「…ん、ユミ…?眠れないの?」


コクンと頷くとお兄ちゃんはベッドを少しずれ、布団をめくった



「今日は冷え込むから、こっちで一緒に寝よう?温まれば自然と眠くなるよ」



モソモソと動いて新しいお布団からお兄ちゃんのお布団にIN


「ユミ、少し冷えてる…ちゃんと肩迄入って」


肩迄すっぽり入ると頭を撫でられ背中をポンポンと撫でたり優しく包んでくれてゆっくりと瞼を閉じた




ふと目が覚めて、嫌な予感がした。というか、違和感。気持ち悪い。パジャマの上から確認すると見事にオネショをしていた。ゴソゴソベッドを抜け出してちゃんとお着替えをして、洗濯機に証拠はポイ。


問題はお兄ちゃんだ。お兄ちゃんはとても優しくていい人だと思う。でもこの場合仕方ない。少しずつお兄ちゃんを真ん中にズラして、水指しの隣にあるコップを持ってお風呂場でぬるま湯を調達。お兄ちゃんのパジャマの上からお湯を少しずつゆっくりと流しておいた



そして私は自分のベッドに舞い戻り寝た



起こされる迄起きなかったけど、お兄ちゃんはオネショに気づき、横に寝てた筈の私が自分のベッドに戻っていてパニック。メイドさんに見つかり、親に見つかり、オネショは卒業したのに…とお父さんから呆れた言葉を貰っていたらしい。


朝食に起こされた時にはお兄ちゃんの証拠も隠滅されていたけど、お兄ちゃんにも挨拶すると少しギクシャクしていた。お母さん達は笑っていたし今日も平和だ。



洗濯したらバレるかと思ったけど、誰もパジャマが変わった事にも気がつかなかった。お兄ちゃんが熟睡派でよかったよかった。

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