腹痛=トイレ
試験監督の注意事項を聞いている最中、なんだか嫌な気分になってきた。その嫌な気分とは、腹痛だったのだ。腸だ。この痛さは間違いなくトイレ行きの痛み。私は焦った。こんな時にやめてくれと思っていたら数分で痛みの波はおさまった。よし試験時間は30分。何とか耐えたい。私はそう願いながら、痛みがおさまっている間に問題を急いで解き始めた。試験問題はそれほど難しくなかったが、10分ほど経過した頃、また嫌な波がやってきた。我慢できるならしたいが、問題が頭に入ってこない。何十人ものいる場所で漏らすわけにいかない。これでも多感な年頃の女子高生だ。漏らすことの方が一生の恥だと思い、見回りにきた試験監督を呼び止めた。もちろん小声で、
「お腹が痛くてトイレに行きたいです」
と。どれだけ勇気がいったことか。途中退室は失格なのか。そう思いながら半泣き状態のなか、試験監督がトイレに案内してくれた。
後ろのドアから出られたらよかったのに、一番前のドアから出ることになった。その分、他の受験者から気づかれる可能性が高い。
「あいつ、なんで退席?」
そう思われたに違いない。でも今は他人のことなんか関係ない。早くトイレに辿り着きたい一心だった。なんなら前を歩く試験監督を走って追い越してトイレに駆け込みたかったぐらいだ。
そんなこんなでようやくトイレ前まで辿り着き、試験監督が、
「終わったら教室に戻りなさい」
と言い、戻ってもいいんだ、と思いながらトイレに入った。助かった。




