腹痛から逆転の恋
私達は東屋に到着し、自分達の町を見下ろした。
「田舎だよなー乗り物がないと不便だわ」
ハルキが少し笑いながら言った。
「うん。免許取れてよかった」
は!私は思わず免許という言葉を口走ってしまった。もしかしたらハルキが試験のことを何か聞いてくるかもしれない。これでは自爆だ。話を変えようと、
「あー、えーと、うー」
とわけのわからない言葉を発してしまった。
「何言ってんだ?」
ハルキは笑った。ハルキは続けて話し出した。
「試験の日にさ、腹が痛くなって半分ぐらい問題解けなかったんだよ。だから落ちちゃってさ」
私は顔から火が出そうな状況だった。恥ずかしいと思ったが、同時に腹が立ってきた。
「え?それって、、私のこと言ってんの?からかってるの?私、それでも受かったんだよ。そりゃあトイレに立ったことは恥ずかしかったし、お腹が痛くなるなんて思ってもみなかった。他人の視線が怖くていろいろ最悪な1日だったのに、なんでハルキはそんなこと言えるの?」
私は怒りながらハルキを睨んだ。
「ちょっと待て!何の話してんだ?」
「何って、原付の筆記試験の日のことでしょ?ハルキは私のこと笑ってたんでしょ?」
「は?俺は高校入試のこと言ってんだけど。第1希望、つまり愛美と同じ高校受けた時に、体調が悪かったんだ。不合格でも仕方なかった。だから第2希望の高校にしたわけ。愛美、もしかして原付の筆記試験の時、、」
その先はハルキは何も言わなかった。でもこれでわかっただろう。
私が勘違いをして自らバラしてしまったこと、ハルキに最低な態度を取ったことで気まずくなり、沈黙になってしまった。もう嫌になって帰ろうと思ったその時、ハルキは言った。
「誰にでも体調不良の時はあるよ。俺は第2希望の高校に入学したけど恥じてない。愛美もそんなこと気にすんな。誰も笑ってないよ」
ハルキの言葉に救われた。
「きついこと言ってごめんね、ありがとう」
私はハルキに謝った。ハルキが大事な入試の日に体調が悪かったなんて知らなかった。同じ高校に行けなくて残念だと思っていたけど、ハルキは前を向いてがんばっている。キラキラしている。
さぁー帰ろう。これからハルキともっと距離が縮まるといいな。
最後までお読みいただきありがとうございました。
筆記試験時の自分の実体験を元に書いてみました。
自虐ネタではありますが、恋模様は少し添えてきれいな完結にしてみました。




