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原付免許筆記試験
「愛美ーそろそろ出発しないと時間がやばいよー」
2階で支度をしている私は階段下からの母の声が聞こえた。
私は16歳。今日は原付バイクの筆記試験会場へ行く日だ。受験票を持って慌てて階段を下り、母がすでに待っている車に乗り込んだ。
「お母さんお待たせ」
「よし、出発するよ」
高校生になって、自分が通う学校までの距離が遠いこともあり、原付バイクの免許取得が認められた地域に住んでいた。
夏休み中に受けた実技講習は意外と難しかった。自転車のような感覚とはまたちがい、スピードが出るところが一番怖かった。重量のある原付バイクの扱いにも大変だった。講習中、一緒に受けた女性、いや自分とあまり変わらないぐらいの歳の子が、勢いよくハンドルのスロットルを回し、前輪が少し浮くウィリー状態になってるのを見て驚いた。慌てて教官が停めに入り、何とか怪我はせずに済んだが、その女の子は泣きそうになっていた。私もあまり上手く練習ができない状態で講習が終了したわけだ。そんな不安のなか、筆記試験の日がやってきたのだ。




