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ロウキュー娘♡?  作者: 千園参
第2章 Those who drop the stars 《天ノ星編》
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第68Q vs Amanoboshi Part 8

 スパッ。

 ズパッ。

 シュパッ。

「あの12番、凄い……。スリー、3本連続で決めた」

 天ノ星ベンチの誰かがそんなことを呟いた。

「止めます!」

 湊が隙を突いて前津のボールをカットすると、そのままドライブで駆け上がっていく。

 その動きに合わせるように、ボクも敵陣に攻め上がる。

 湊の前に棚田が立ち塞がると、湊はすぐさまボクの方をチラ見で確認し、迷うことなくボクにパスを出してくれた。

 ボクはまたしてもスリーポイントシュートを放ち、それを決めて見せた。

 4本連続のスリーポイントが成功したのだ。

「マジか!! また決めやがった!! やるなーあの12番」

 菊川は何故か大興奮している。

 ボクはさっきまでの、先程までの、悩みが嘘のように身体が軽く感じていた。

 ひょっとすると、ゾーンとはこのような感覚なのかもしれない。

 余計なことは何も考える必要はない。

 必要なことは勝つために何をするかということだけ。それだけあれば、身体が勝手に動いてくれる。身体が勝手に教えてくれる。




「またスリー」

 5本連続のスリーポイントが決まったところで、菊川がタイムアウトを取った。

「いやはや、本当に凄いことになっちまったな。5本連続でスリーを成功させるとはな。試合でなんてなかなかできることじゃねぇ。神がかってるとはこのことか。マッチアップを変えよう。前津と守城のディフェンスを交代しよう。守城、あの12番止められるか?」

「何を言っている? 止めなければ全国制覇が遠のくだけのことだろう」

「そうだな、確実に止めてインターハイへ繋げる。“無名校だから”なんて考えはいらねぇ。そんな考えを一瞬でも持てば負ける試合だ。全力だ、全力以外は認めねぇ!! 全力を出さねぇならすぐに引っ込めるから覚悟しとけ!! よし、行ってこい!!!」

 菊川が選手たちに気合い、いや、喝を入れた。


「12点差か、目に見えて差が縮まってきたな」

 チラッと得点ボードを確認した神坂先生がそう口にする。

「だが、まだだ。まだ足りねぇ。まだ勝つためにはまだ足りない。まだまだだ。天ノ星ぶっ倒して、なんとしても廃部を回避すんぞ!」

「「「「おー」」」」

 タイムアウトが終了し、天ノ星のオフェンスから試合が再開される。

「こっちだ」

 原口から守城にパスが通る。

 すぐさま湊がディフェンスにつく。

「余計なことは必要ない。まさにその通りだ」

 守城がそう呟くと、ドリブルテクニックで剣崎を翻弄し、そのまま湊の反応を遅らせるつつ、駆け引きなしにスリーポイントシュートを放ち、ゴールした。

「守城さんも負けてない!!!」

 天ノ星ベンチが沸き立つ中、すぐにボールをリスタートさせる。相手に余韻など与えてなるものかと。

「麻倉さん…」

「任せて!」

 相葉からパスをもらい、守城がディフェンスに貼り付いてくる前にシュートを放つ。

「これで6本目だ!!」

 スパッッッ。

 ボクのシュートが決まると、守城も負けじとシュートを決める。

 試合はスリーポイントシュートの応酬となっていった。

「まさかここまでとは思っていなかった。桜辰、遥かに強いチームだ。だが、負けるわけにはいかない」

 守城が湊を抜きにかかると、湊は守城の動きを読み切り、見事に止めてみせた。

「もう抜かれません!」

 ボールをスティールし、速攻へと切り替える。

 湊が野球投げで前を走るボクにパスを通してくれた。

「湊が繋いでくれたこのチャンス、決めてみせる」

 7本目のスリーポイントを放とうとした時、全速力で追いついてきた守城がボクのシュートに指先を触れたことで、シュートの軌道をずらされてしまった。

 シュートはリングの手前に当たり、跳ね返ろうとしたその時だった。

「どすこぉおおおい!!!!!」

 大隈が強烈なワンハンドダンクシュートでボクの外れたシュートをダメ押しでゴールへと押し込んでくれた。

 大隈のダンクシュートが炸裂すると、体育館内は一瞬にして静まり返った。

 何故、静まり返ることになったのかは不明である。大隈のどすこいが会場を黙らせたのか、はたまた、ダンクシュートの威力に唖然としたのか、なんだったのか。

 そしてその静寂を破ったのは大隈自身の叫び声だった。

「ディフェンスだ!!! 戻れ戻れ!!!!」

「「「「おう!!」」」」

 ディフェンスに戻りながら、大隈に声をかける。

「ナイスシュート!!」

「ナイスシュートです!!」

「凄いダンクだったね…!!」

「テメェもやるときゃ、やるんじゃねぇかよ!!」

「ああ、ありがとう………。ただ、今のシュートで私は完全に出し切った気がするから、あとは騙し騙しのプレーしか出来ないかも………」

 大隈は本当に今にも死んでしまいそうな声でそう話す。

「わかった。あとは任せてくれ」

「任せてください」

「任せて…」

「任せろよ」

 ボクたちに勢いをつけたのはボクのスリーではなく、完全に大隈のダンクであった。

「うほおお…….すげえダンクだったな。破壊力だけなら俺が今まで見た中で一番なんじゃねぇか?」

 これには菊川もビックリなようである。

「チームが勝つために5人が曲がりなりに同じところ見ている。全国制覇とか、上手くなるとか、プロになるとか、そんな大それたことじゃなく、“今勝つ”ということに5人が揃っている。このチームを倒すのは困難を極めそうだな。一絵ちゃん、本当に厄介なのを集めてきたもんだな」

 菊川はとても嬉しそうに、まるで自分が試合をしているかのように、笑顔をこぼした。

皆様、おはようございます、こんにちは、こんばんは、そして初めましての方は初めまして、千園参です。


私の推しキャラは木谷ジェシカちゃんと上木やちよちゃんなのですが、最近、大隈も捨てがたくなってきています。

それでは今回も読んでいただきありがとうございました!

次回もお楽しみに!!

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