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ロウキュー娘♡?  作者: 千園参
第2章 Those who drop the stars 《天ノ星編》
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第67Q vs Amanoboshi Part 7

 玖城が交代したからといって、後退したからといって、天ノ星の攻撃が緩むことはなく、尚も厳しい状況が続いていることに変わりはなかった。

 流れというのは必要以上に体力を消耗するものであり、本来ならば、本来の力を発揮できるのならば、現在は第2Q、まだまだ体力は残されているはずだが、この絶望的な試合展開の中ではメンタルが削られるのと同時に体力までも奪ってしまう。

 つまり何が言いたいのかというと、スポーツにおいて試合の流れというのは、展開というのは、試合内容というのは、とても大事だということである。

 ボクたちの体力は既に第4Qを戦ったのかというほどに使い果たされていた。

 そして第2Q終了のブザーが鳴らされ、勝ち筋が不透明なままハーフタイムへと突入することになった。



 10分間のハーフタイム---

 ベンチに戻ると、神坂先生は無言で立ち上がり、ボクの首根っこを掴んで体育館裏へと連れ込んだ。

「ちょっとツラ貸せ」

「え……」

 まさかこんな形で体育館裏デビューすることになるとは夢にも思わなかったが、神坂先生がチンピラみたいな立ち回りをしている都合上、ある意味この体育館裏という状況は正統なのかもしれない。

 そんなどうでもいい解説は置いておくとして、神坂先生はこれまでボクに見せたことのない女性らしい表情でボクを見ると、

「お前、ひょっとして迷っているのか?」

 そう切り出した。

「え?」

 あまりにもいきなりな切り出しだったからなのか、芯を食った質問だったからなのか、そこは定かではないが、ビクリと、ギクリとした反応を見せてしまった。

「そ、それは……」

「同好会が消滅すれば、お前は確かにこの学校から転校することになり、晴れて自由の身になる。それは事実だろう」

 ボクは何も答えない。図星だったのだ。

「どうしてそれを………」

「私だってこう見えて教師なんだぞ? 生徒の心境くらいひと目見ればわかるさ」

「先生、ボクは………」

「ただ、一つ言わせてくれ」

 ボクの言葉を遮るように神坂先生が言葉を続ける。

「最後まで頑張って負けるのと、手を抜いて負けに導くのは同じ敗北でも全くもって違う。今日という日はお前にとっても大事な試合だ。負けて同好会がなくなればこの生活から解放される。勝てばまたいつも通りの日々が続いてしまう。それはつまりこの先も仲間を、騙し続けるということ。嘘をつき続けるということ。お前にとってはとても簡単でとても難しい選択だろう。だが、だがだ。勝ち負けよりも大事なことがある。お前は試合に手を抜くのか? 私は、あの人の息子であるお前にそんな八百長紛いなことはしてほしくないんだ。1人のスポーツ選手として恥ずかしくない試合を私に見せてくれ。結果はその後考えよう。それじゃあダメだろうか?」

「…………」

「麻倉麟くん、ごめんなさい」

 神坂先生は深々と頭を下げた。

 そして次のように言葉を選ぶ。

「君にはとても申し訳ないことをしたと思っている。教師として、人として、到底許されることではないと思う。けれど、君をこのチームに引き入れたことを後悔したことは一度もない。何故なら君はこのチームに必要な()()()だ。だから、これからも私たちと共に戦ってほしい。そしてチームを勝利に導いてくれないか? その後は君の好きにしてもらって構わない。私を訴えるのもよし、殺すもよしだ」

「そんな殺すだなんて……」

「スポーツをする上で必要なのは覚悟だ。勝つための覚悟、負けを認める覚悟。覚悟がなければ何も始まらない。私はこの大博打に人生を賭ける覚悟をした。君はどうだ?」

「ボクは………いえ、ワタシは、、、そうですね。人生を賭けた大博打なら乗らない手はないでしょう。ただ、どうなっても知りませんよ?」

「望むところだ。なら、話は決まりだな。この博打を成功させるにはこの現状を打破する必要がある。天ノ星を倒すぞ」

「わかりました。やれるだけのことはやります、全力で」

 ボクと神坂先生が体育館内に戻ると、ボクと神坂先生の顔を交互に見比べた菊川は、

「やっぱりそうなるよなぁ。おい、お前ら! ここからが本番だぞ」

「そうみたいだな」

 守城は目をカブトムシを見つけた子供のように輝かせた。

「さあ見せてくれ、神坂一絵が集めた選りすぐりの精鋭たちの実力を」



 桜辰のベンチでは---

「いいかお前ら、後半第3Q、ここからが本当の勝負だ。天ノ星とかいう調子乗ってる奴らに一泡吹かせてやれ。作戦はそうだな、、、ガンガン行こうぜだ!!」

「「「「はい!」」」」

「おう」

「よし! 行ってこい!!」


 そして第3Qは桜辰のオフェンスから始まる。

 ボールが相葉から湊、湊からボクへと渡る。

 前津が僕のマークにつくが、余裕をかましているのか、遅いのかは不明ではあるが、

「そんなにゆっくりと近づいてくるから、ワタシは打つよ?」

 ボクは迷わずスリーポイントシュートを放った。

 手からリリースされたシュートはゴールに入ったかどうかなんて確認する必要もなかった。

 確認することなく、ディフェンスに戻る。

 何故か?

 このシュートは確実に入るとわかっていたからだ。

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