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ロウキュー娘♡?  作者: 千園参
第2章 Those who drop the stars 《天ノ星編》
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第63Q vs Amanoboshi Part 3

「フリーで外してんじゃねぇ!!!」

 外れたボクのシュートをダメ押しで、押し込むようにダンクシュートで決めたのは漆原だった。

「おい! もっと気合い入れろよ!!」と、漆原がボクの胸を拳で小突いた。

「あ、うん、ごめん」

「ちっ、ほら、早く戻るぞ。攻めてくる」

「あ、うん」

 一連の流れを見て、菊川が呟く。

「あの11番、いい動きをするな。棚田が國重にボールを渡すのを読んでいたような動きだった。県大会にも名前がなかったし、所詮は無名校と侮っていたが、やはりスポーツは誰が相手でも侮ってはいけないものだな。何も上に上がってくる奴だけが強いとも限らないしな。それはこの間の翠央戦でもわかったことだしな。油断するなかれだ」



 先制点を奪われた天ノ星だったが、焦る様子など微塵もなく、落ち着いて攻め上がってきた。

「一本取ろう」

 原口が人差し指を立て、4人に見せる。

 そしてその直後、湊のディフェンスを簡単に振り払った守城が原口に、こっちだと声をかけた。

 守城にボールが渡ると、ワンテンポ遅れて湊が守城の前に立ち塞がる。

「私は誰が相手であろうとも、それが試合ならば手は抜かない。全力で行く」

 守城が構えると、湊にこれまで味わったことのない緊張感が伝わった。

「凄い気迫ですね!! まるで獣を前にしているようですねこれは……」と、湊は目の前にして初めてわかる守城の恐ろしさにそう思った。

「遅い」

 一瞬の駆け引きの中、そんな声が聞こえた頃、守城は湊を抜き去り、置き去りにし、ゴール下に侵入してきていた。

「マジかっ!! 剣崎家のご令嬢でも太刀打ちできねぇってのかよ!!?」

 神坂先生はあまりの実力差にベンチから立ち上がって、驚きの表情を浮かべた。

 その顔を横目に菊川は、

「おうおう、驚いてるな。だが、全国に行くってことはこのレベルに到達しなきゃならないってことなんだぜ? 全国レベルってやつを見せてやれ、守城」

「無論」

 聞こえるはずもない菊川の気持ちに応えるかのように、守城はボソリと呟き、ヘルプに駆け付けた漆原と相葉の2人を苦戦することなく躱し、レイアップを華麗に決めた。



「き、切り替えていこう…」

 ボールを拾い、震える手でリスタートさせ、相葉がドリブルで攻め上がる。

 そんな相葉をマークしたのは、玖城だった。

「まさかこんなに早く真裕と戦えるなんて思ってなかったよ。でも、ちっっとも成長してなくてガッカリだわ」

「そんなことない…!」

「そんなことあるだろうよ」

 玖城は相葉のボールをスティールし、ドライブで速攻する。

 漆原が全力疾走で追いかけるが、玖城には追い付かない。

「あり得ねぇだろ!? なんで全力疾走してる奴がドリブルしている奴に追いつけねぇんだよ!!?」

「おいおい、追いついても来れないって、マジないわ」

 玖城が強烈なダンクで追加点を決める。

 玖城のダンクシュートが炸裂した時、見学にやってきていた教頭や教員たちからざわつきが生じた。

 教師たちはバスケの試合についてはよく知らない、だからこそ、バスケというスポーツは開始直後からここまで一方的な試合展開になるものなのかと、目の前で起きていることを信じられないでいた。

「私たちのバスケが通用しないなんて、そんなことはないはずです! 切り替えましょう!!」

 今度は湊がボールをリスタートさせ、相葉と湊の2人でボールを運んだ。

 センターラインを跨ぐあたりで、ポイントガードにボールを託し、ゲームメイクを行うのがよくある流れだが、さっきのことを踏まえ、先ほどのことを踏まえ、湊にボールが渡る。

「ここはやはり私が突破口を開かなくては!」

 右フェイクから左への切り込みでなんとか守城を出し抜くが、すぐに追いつかれてしまう。

「なかなかいいドライブだ」

「抜けないなんて……。でも、諦めません!」

 湊があらゆる手段で守城に挑むが、そのことごとくが防がれていく。

「あの11番の子、技はいいんだがなぁ」

 菊川は勿体無いと言いたげにそう呟く。

 さらに次のように続けた。

「圧倒的に足りねぇんだよ、スピードが。小手先の技も確かに悪くはない。ただ、小手先の技だけじゃあ、まだ届かない。基礎的な力を強化することこそが、強くなるための最短ルートなんだって俺も守城に教えてもらったことだ」





 そうして菊川は守城の練習風景を思い浮かべる。

「お前はシュート練とかはしないのか?」

 自主練中、ひたすらに黙々と1人グラウンドを走る守城に菊川が声をかけた。

「する。だが、今はシュートよりも試合で確実なシュートを打つための体力と筋力が必要だ。シュートやドリブルの練習はその後でいい」

「へえ、基礎練の鬼ってやつだな。よくやるなお前も」

「なぜだ?」

「だってそうだろう。基礎練なんて誰もやりたがらないだろうよ。バスケとなんの関係があるんだなんだのと、文句しか言わねぇしよ。それに比べてお前はむしろ好んで基礎練をしているように見える。なんでだ?」

「どんなに石を積み立てても、どんなに見栄えの良い家を建てても、その下の土台が小さな石では、今にも折れそうな材木では、せっかく積み上げた石も、せっかく建てた立派な家も、脆く崩れる。練習でシュートを極めて、ドライブを極めて、相手を確実に倒せる必殺技を身に付けたとしても、試合で体力切れで使えなくなるのでは話にならない。私は40分間必殺技を使い続けられる基礎が必要だと考える。その方が確実に強いし、確実に勝てる。そうは思わないか?」

「なるほど、そりゃあ良い考えだ。なら、いつか俺に見せてくれ、40分間の必殺技を。それが可能だと判断した時、お前に俺のチームで7番を付けさせてやる」

「ならば、見せてやる」




 湊のボールをカットし、守城が全くブレのないストップ&ジャンプシュートでスリーポイントを決めた。

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