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ロウキュー娘♡?  作者: 千園参
第2章 Those who drop the stars 《天ノ星編》
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第60Q Summer vacation

お前マジでいつ休むんだよと言わんばかりに、休載と言いつつ2日連続で投稿している千園参です。

しかし、残念ながらストックが今回で切れますので、本当に休載に入ります。

それでは楽しんでいってください!

よろしくお願いします!!

 インターハイ決勝トーナメントの開催日が近づいていた。

 それは何を意味するのか、それは夏休みの到来を意味しているのであった。

 気が付けば寮のカーテンから見える青い空は途方もなく高く感じる。

 蝉もセミーンセミーンと鳴いている。この鳴き声を聞いているだけで、不思議と2、3度余計に暑く感じるから腹が立つ。

 夏になったら夏になったでこの女装生活も大変さが増すというものである。



 初夏のところ---

「おい、麻倉。お前にプレゼントだ」

 神坂先生がボクに紙袋を手渡した。紙袋からはそこそこな重量がある。

「これは?」

元男もとおとこであるお前に必要な支援物資だ」

「支援物資って……」

 紙袋の中身を見ると、日焼け止めクリームと制汗剤、デオドラント剤が入っていた。

「女の子は男みたく馬鹿みたいには焼かない。ちゃんと日焼け対策しろ。そして汗をかいて男の臭いでバレる危険性がある」

 いや、臭いでバレるなら既にバレているであろう。試合で40分間走った汗でもバレなかったのだから、臭いはどうにかなっているということではないのだろうか。

「くれぐれもバレないように気を付けろよ? お前がいなくなったら、私の計画が水の泡だからな」


 こんなことがあった。そんなことがあった。あんなことがあった。どんなことがあった。

 鬘を被り、身支度を整える。

 この女装の身支度も夏休み手前まで来ると、かなり板についたのではなかろうか。

「よし、準備完了」

 女になってしまった今年の夏休みは一体全体何体が待ち受けているのだろうか。




「集まったな」

 いつものように体育館で練習していると、神坂先生が集合をかけるのだった。

「もうすぐ夏休みだな、そして夏休みと言えばなんだ? 大隈答えてみろ」

「え、私? なんでしょうね、海とか?」

「海か、海で飲むビールは美味そうだ。バーベキューとかしたら最高だろうな」

 神坂先生は想像上のビーチを満喫している。

 一通り神坂先生が想像の中でビーチを満喫し終えると、

「って、違うわ! 夏休みだぞ、夏休み! 海になんぞ行くわけねえだろう」

 いや、夏休みと言えば海である。

 本来ならば大正解のはずなのだが、どうやら神坂先生は混乱しているようだ。

「夏休みと言えば試合だろうが!!」

 夏休みと言えば試合なんて誰が思うんだと逆にツッコミたくなった。

「そんなわけで、夏休みに入ってすぐだな。というか、夏休みに入る一週前の土曜日だ。練習試合が決まったぞ」

「練習試合ですか?」

 湊が尋ねる。

「そうだ、対戦相手は天ノ星」

 その名前が出た時、強烈な緊張感が走り抜けた。

「お前らももう知ってるかもしれないが、先日、天ノ星は翠央を倒して県大会に優勝した。つまり県内最強のチームだ。それにうちにコールド勝ちした翠央を倒してるときたもんだ。この練習試合、どうなるかなんて全く想像できん」

 神坂先生は頭を抱えた。

 そして言葉を続ける。

「今回の練習試合をセッティングしたのは、うちの校長直々にだ。これが何を意味するかわかるか?」

「…………?」

 神坂先生と目が合うものの、ボクはなんのことやらという表情を浮かべてみた。

 はあ、と呆れたように神坂先生は、

「部への昇格だ。この天ノ星との試合で結果を残せと言われた。相手は県内最強、その相手に結果を残せば部への昇格。無理だった場合は廃部なんだそうだ」

 もうすぐ夏休みだというのに、廃部だなんて穏やかではない。

 というか、スポーツ推薦で女の子になってバスケ同好会に入ったボクがこの桜辰のバスケットボール同好会を失った場合、どうなるのだろうか?

 ただ、ただただ、無駄に女の子として学園生活を終えるしかないということなのだろうか?

 高校生という大切な青春の1ページを女装した挙句、廃部して無駄に過ごしたという最悪で埋まってしまうことは確実であった。

 そうなれば、こうなれば、ああなれば、どうなれば、要するに地獄である。

「先生……廃部は色々とマズいのでは……??」

 思わず心の声が漏れ出る。

「そうだ、廃部はマズい。私としても廃部だけは避けたいところだ。ならば勝つしかない、天ノ星に」

「天ノ星に……」

 県大会での試合を思い出す。フラッシュバックする。

 前半はほぼエースを欠いた状態であの翠央と渡り合い、後半エースを投入したことで流れを奪い、終盤に出場した玖城アンナによってトドメを刺した。

「ただ、奇跡的に天ノ星の3年生は進路指導でその日はいないらしい。つもり私たちが闘うのは2年生と1年生のチームだ。この機を逃す手はないだろう。必ず勝ってこの同好会を部に昇格させるぞ」



 こうして、そうして、ああして、どうして、天ノ星との練習試合がもう1週間後に控えたこの日から、ボクたちは打倒天ノ星を目標とし、これまで以上に過酷な練習に打ち込むことになった。

 勝つ以外にボクが生き残る道はない。

「麻倉、勝たなきゃお前の人生終わりだぞ」

 神坂先生からそんなことを言われてしまった以上、この練習試合にはボクの人生の全てがかかっているのだろう。ボクの人生を延命するためにも勝つしかないのだ。

 というか、そもそもボクの人生を終わらせかけているのはむしろ神坂先生の方でないだろうか?

 あの人がボクをこの学校に連れて来なければ、ボクがこんなに追い込まれることはなかったはずなのだ。

 だが、こうも思う。

「この学校に入学していなかったとしたら、こんなに充実した学生生活が送れただろうか」と。

現在、他の作品を書きながら第3章を書き進めていますが、第3章は何というか物語がかなり進みます。

それでは今回も読んでいただきありがとうございました!

次回をお楽しみに!!

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