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ロウキュー娘♡?  作者: 千園参
第2章 Those who drop the stars 《天ノ星編》
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第45Q Amanoboshi Academy

 天ノ星(あまのぼし)学園、桜辰女子や翠央と同じ県内にある私立高校。

 元々と言うべきなのか、本来と言うべきなのか、天ノ星学園は進学校の特色が強い学校であった。

 そのため多くの学生が名門大学への入学を夢見て、勉強に励んでいる。

 そんな天ノ星学園だが、もう一つの特色がある。それがバスケットボール部である。

 元が進学校であるため、スポーツにはそこまでの力を入れていない学校であったが、このバスケットボールに関してだけは、かなり力が入っている。

 元々、このバスケットボール部も最初から力を入れていたわけではない。天ノ星学園にとっての部活動とは、内申点を稼ぐためのもの過ぎなかった。現に、今も他の部活はまだその色が強く残っている。

 なら、ならば、いつからバスケットボール部は名門校と呼ばれるほどに強くなったのか。

 それは菊川欽司きくかわきんじというオッサンが監督として就任してからのことである。

 菊川はバスケットボールにおいて、ミニバス、中学バスケ部、高校バスケ部と、至る所で監督を経験しているという経歴を持ち、菊川が監督を務めたバスケチームは例に漏れず、結果を残しているという、まさに名監督であった。

 菊川が監督就任時、内申点稼ぎのためにやっていたやる気のないバスケ部員たちに最初に言ったセリフはこうだった。

「何だそのバスケは? やる気ないなら辞めちまえ。進学校だか何だか知らんが、俺が監督を務めるからには全国を真剣に目指してもらう。ついて来れねぇ奴は辞めてくれて構わない。異論は認めない」



 そうして始動した菊川率いる天ノ星学園バスケットボール部。それこそ初年度は良い選手もいなかったがために、結果を残すことはできなかったものの、翌年からスポーツ推薦による選手の獲得を行うようになってからというもの、強い選手が揃い、徐々に試合に勝つようになっていた。

 噂はより強い選手を呼び寄せることになる。

 スポーツ推薦で呼ばれることはなかったが、自力で受験し、合格を勝ち取り、バスケットボール部に入部しようとする者たちも増え始めた。

 これは菊川の策略でもあった。

「才能がある奴をあえて全員はスカウトしない。なんでか? そこで篩にかけてるのさ。本当にやる気がある奴ならば、勉強だろうと何だろうと苦手を克服して必ず上り詰めてくる。俺はそういう奴も欲しいんだよ。仮にそこで折れちまうようなメンタルなら、推薦で引き抜こうとも、いずれはダメになっちまうからな。推薦組と自力組、良い勝負をして欲しいのさ、俺は」

 狙い通りであった。

 こうして集った天ノ星の選手たちはまさに県内最強の道を駆け上がっていく。

 そして現在ではその部員数は100を超えると言われ、1軍から3軍まで幅広い、幅広過ぎる選手層を抱えるバスケの名門校となった。

 迫るインターハイ予選県大会、天ノ星は今年も本戦出場を狙う。





「おい! 足が止まってるぞ! お前らの代わりなんざ山ほどいるんだ! ここで止まっちまう奴は3軍に行け!!」

 菊川の声が体育館に響き渡る。

 菊川が練習を見ているのは、1軍のみ。

 つまり1軍に上がらなければ、名監督の目にすら留まることはないのである。

「あー、練習ダル」

 そう愚痴をこぼすのは、玖城だった。

「おい、玖城!! レギュラーだからって特別扱いしねぇぞ、この野郎! レギュラーで居続けたいなら、誰よりも走れ!!」

「はーい」

 確かに強い選手が集まってくるかもしれない。しかし、だがしかし、強い選手が強く居続けられるのは、一重にこの派手でも何でもない地道な基礎練習の賜物なのであった。

「インターバル走100本終わったら、次はシュート練だ。レイアップ、バック、45度のミドル、いずれも連続100本、外したら最初からだ。よし、行け」

 バスケットボールでたまに言われる角度の話。45度という角度の出し方は、ゴールリングと自分との角度を差していう。

 ゴールリングを正面に捉えた場合を90度と設定し、そこから45度といったように割り出している。

 ちなみにバスケットゴールには、リングの後ろに大きなボードが付いているわけだが、シュートする際、ゴールリングにスパッと入るのが理想ではあるが、なかなか難しい場合はこのリングの後ろのボードにわざと当てて、反射で入れるというのも技の一つである。

 それを踏まえた上で0度のシュートはボードの反射を利用することができないため、この0度からシュートはなかなかに難易度が高い。ましてや、それが試合ともなれば、なおのことである。



 ボクたち桜辰はレイアップで日が暮れてしまったこの練習メニューも、1軍のメンバーともなれば、誰も外すことなく、あっという間に終わってしまうのが、全国レベルということなのだろう。

「んじゃ、次は3対3だ。時間は15分間だ。タラタラとパス回しで時間を使ってくれるなよ?」

 こういった対戦形式の練習ができるのは、やはり部員が多い学校の特権と言えるだろう。

 また1人1人のスペックが高いことからも、練習は有意義に違いなかった。

 15分後---

「集合」

 菊川の招集に全員が走って集まる。

「ダラダラ手を抜いて走ってくんな! 本気で走って来い!!」

 それでも菊川は怒る。決して褒めることはない。これは監督あるあるなのだろうか。

「まぁいい、もうすぐ県大会だ。今日からは基礎練とは別により実戦形式の練習をしたいから、5対5の練習試合をやっていこう」

 天ノ星学園、強さの秘訣はこの菊川にあった。

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