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ロウキュー娘♡?  作者: 千園参
第2章 Those who drop the stars 《天ノ星編》
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第43Q old friend

「お前ら! 気合いが足りんぞ! 全っっ然っ、足りてない!! オールコートダッシュ20本追加だ!!」

 神坂先生の怒号が体育館内を支配している。

 少しだけ話を遡るとしよう。

 そもそもの始まりは、ことの始まりは、げっそりとした、やつれた顔の神坂先生が体育館に置かれて現れたところからだった。

「お前ら………」

「先生………」

「お前らなぁ、お前らのせいで、私の給料が減ったんだよ!!! どうしてくれんだよ!!! 何、地区予選2回戦負けしてくれてんだよ!!!??? おかげでこっちは生活がカツカツだよ!!!!!!??????」

 何に怒っているのか訳がわからない状態となっていた。


 そしてここでさらに時間は遡り、神坂先生と校長との会話にまで戻る。

「いいですか、神坂先生。我が校、桜辰女子は女子スポーツにおける名門校です。そこにバスケットボールという分野だけがないというのは不自然だということで、今回、神坂先生にバスケットボール部の発足を依頼しました。しかし、しかしです。一度始めたからには、桜辰女子はスポーツの名門校であるということ忘れないでいただきたい。言っている意味がわかりますかな?」

「つまり結果を残せと?」

「その通りです。まずは同好会から部への昇格です。まずは練習試合を行なっていただきます。練習試合で桜辰女子バスケットボール部には見込みがあるということを証明していただきたい」

「部への昇格はそちらの匙加減次第なのでは?」という気持ちを神坂先生はグッと堪えた。


 そして一つ前の回想に戻る。

「いいか、まだ対戦相手は決まってはいないが、近々、また練習試合が行われるらしい。その結果次第では………」

「次第では?」

「また私の給料が減らされてしまう!!!!! お前たちには何としても次の練習試合で勝ってもらわなきゃならねぇ!! 今からみっちり鍛え直してやる!!! 行くぞ!!! まずはオールコートダッシュ100本だ!! 行け!!!!!!」




 そして現在に至る。

「はあ……はあ……はあ……」

「なかなかですね………」

「もう無理…」

「ダメだ……………」

 大隈は死にかけていた。

 むしろこんなにも毎日走っているのにも関わらず、どうして逆にデブを維持できているのか不思議でならない。

「立てオラ!! 次はレイアップシュート100本だ!!」

 どうやら今日は基礎練習をみっちりと叩き込まれるようだ。

「外したら1からやり直しだ!!!!」

 1、2、3、よーん、ガンッ!!

 カウントの最中、相葉のレイアップシュートが早速外れ、先の思いやられる展開となった。やはり相葉はこういった外したらダメだとか、怒号だとかの、緊張感やプレッシャーに滅法弱いようだった。彼女のプレッシャーに弱いというメンタル面はいずれどうにかした方がいい課題になるであろうことを、今のボクたちは知らない。

「「「「99、100!!!!」」」」

「終わったー!!!!」

「ようやく終わりましたね……」

「終わった……色んな意味で………」

 大隈は死にかけていた。

 ふと時計に目を向けると、既に通常ならば練習を切り上げている時間になっていた。

「マジか、ダッシュとレイアップしかしてないのに練習終わっちゃったよ………」と、こぼしたのは大隈。

「はあ………はあ………ごめん…私のせいで…」

 縮こまるように相葉がそう言った。ただでさえ消え入りそうな声が、もう消えかけていた。

「まぁ今回は誰のせいでもないんじゃないかな? なんたって皆、平等に外してリセットしているわけだから」

 相葉を元気付けてみる。

「それもそうですね」

 便乗するように湊も相槌をうってくれた。

「ワタシはもう少しシューティングしてから帰ろうかな」

「元気あるね、私は帰るよ」

 死にそうな身体を引きずるようにして、大隈は体育館を後にした。

 大隈が体育館から更衣室に向かっていると、外は日も落ち切るまではいかないものの、薄暗く仄かな闇に包まれていた。

 そんな中、見慣れない女子が大隈の横を通ったが、疲れ切っていた大隈にとって、気に留めているような余裕など微塵もなかった。

 だが、だがしかし、大隈は少しだけ通りがかった女子の独り言を耳にしていた。

「へぇー、こんなとこに真裕がいるんだ」

「?」



 そしてその女子はボクたちのいる体育館へとやってきた。

「こんちわー」

「「??」」

 ボクと湊が首を傾げる中、相葉だけは驚いた表情を浮かべている。

「えっと誰?」

 ボクが尋ねると、本人から答えが返ってくるよりも早く、本人の返答よりも早く、その答えを述べたのは、言い当てたのは、相葉だった。

「アンナちゃん…?」

「おっ! いたいた! 真裕、元気?」

 特徴的な赤毛の髪、大隈は何故こんな特徴的なを見逃したのだろうかと思えるほどに、奇抜で、それでいてそれなりに整った目鼻立ちをしたアンナちゃんと呼ばれるその人は、とても好戦的な雰囲気を醸し出していた。

「どうしてアンナちゃんがここに…? アンナちゃんは引っ越して九州にいたはずじゃ…」

「そうなんだけどさ、色々あって戻ってきたんだよね。それで戻ってきたついでにたまたまバスケの試合見に行ったら、真裕が出てるもんだから驚いた来ちゃった」

「そうだったんだ…」

「それでまだバスケやってたんだ? ちょっと意外だよ、だって真裕って何やっても鈍臭いじゃん? 中学の時はレギュラーにもなれなかったわけだしさ」

「それは…」

 相葉は俯いた。

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