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ロウキュー娘♡?  作者: 千園参
第1章 The story of Otatsu starting from here 《同好会編》
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第38Q vs Yoshimi Part 7

「連続スリー!!!」

「桜辰の12番が爆発してるぞ!!!」

「あの子、誰だよ!!?」

「桜辰、開幕早々、逆転し返したぞ!!!!」

 地区予選、県大会ですらない小さな大会。

 そんな予選の1回戦第2試合。

 普通なら余程好きでもなければ、誰も見向きもしないような試合。

 そんな試合のどっちが勝つか最後の最後までわからないギリギリのクロスゲーム。

 その場にいた誰もが試合を見守っていた。

「12番、またスリー!? 今日何本目だよ!!?」

 沸き立つ会場の中には昨年のインターハイ地区予選で吉美を下した上仙の選手たちも当然、試合を偵察していた。

「あれ、吉美、負けてない?」

「そうみたいだね」

「んで、対戦してるのはどこ? 見たことない学校だよね」

「そうみたいだね、だが、どっちが勝ち上がってこようともこの地区を勝ち上がるのは私たち上仙であることに変わりはない」

 部長の伊沢はとても落ち着いた表情でそう言ってのけた。




「こっちです!」

 湊がボールをもらい、ゴール下へと切り込む。

「止めろ!」

 焦って湊に駆け寄ったところを冷静に見抜いて、引き寄せられるだけ引き寄せた後で、フリーになった大隈にパスを出し、大隈はシュートを決めた。

「ナイスシュートです、大隈さん」

「ありがとう、剣崎もナイスパスだった」

「喜んでる暇はねぇぞ! ディフェンスだ! 早く戻れデブ!!」と、漆原。

「言われなくてもわかってるよ!!」

 今、流れは完全に桜辰側へと向いている。

 中学でバスケの試合を、友達が試合する姿を見ていることしかできなかったあの頃のボクが、今こうして仲間と共に勝利へと同じ方向を見ている。

「こんなにもバスケって楽しかったんだな」



 ガンッ---

「外したっ!」

 山谷の放ったシュートがゴールリングに当たって跳ね返る。

「「「「「「「「「

 リバウンド!!!

 」」」」」」」」」

 誰もがそう叫んだ。

 ゴール下では大隈と馬場が大きな身体をぶつかり合わせて、闘っている。競り合っている。競い合っている。

「リバウンドは私が取るんだ!!!」

 馬場を押し退け、大隈が宙を舞うボールに手を伸ばした。

 そしてボールをしっかりとキャッチし、着地した。着地したその瞬間、この瞬間だけは、凄まじい地響きが起こったような、起こらなかったような。

「地震?」

「地震?」

「え、地震?」

 観客たちはキョロキョロと顔をを見合わせる。

 そんな中でも試合は続く、続いている。

「速攻!!」

 大隈から相葉、相葉から漆原へとボールが移り行く。

 漆原はフルドライブでゴール目がけて駆け上がる。

「いかせない!」

 全力疾走で戻ってきた松田が立ちはだかった。

「そんな薄っぺらい壁ごときじゃ、ウチは止められない」

 松田のディフェンスなど初めからなかったかのように、抜き去るとそのままダンクシュートを決めた。


「ディフェンスだ!!! 気を抜けばすぐに返される!!!! ここからは一瞬たりとも気を抜くことは許さんぞ!!!!!」

 ダンクシュートが決まった余韻などお構いなしに、ベンチから神坂先生が必死に叫んでいる。

「やばい! パスコースがない!!」

 ボクたちの決死のディフェンスに山谷はパスも、ドリブルも、シュートも、その全てが封じ込められていた。

 この状況での焦りは命取りである。

 山谷は焦りに焦った末に、無理矢理にシュートを放つ。しかし、だがしかし、そんなシュートが入るはずもなく、再びゴールリングに阻まれると、ゴール下で大隈と馬場、漆原と榎本のリバウンド対決が繰り広げれる。

「私たちだって負けないんだぁあああ!!!」

 大隈を押し出した馬場がリバウンドを制し、そのままゴールに押し込んだ。

「ドンマイドンマイ! 切り替えて行こう!!!」

 シュートが一発決められたところで今のボクたちの流れを断ち切れるはずもない。

 すぐにリスタートさせ、敵陣に攻め込む。

「いける!」

 相葉にパスを要求し、ボールを受け取る。

 ボクと塩山の1対1、塩山はボクのスリーを警戒し、ボクが塩山にやったように前のめりで近付いてくる。

 けれど、だけれど、ボクと塩山の違いは今ここにある。今この時にある。

「ワタシの武器はスリーだけじゃないってこと!」

 小さい身体をフルで生かした低姿勢のドライブで塩山を抜き、インサイドに進入する。

「嘘でしょ!? ごめん! ヘルプお願い!!」

 ボクはドリブルをやめ、シュートモーションに入る。ヘルプにやってきた榎本はシュートを警戒して、すぐにシュートブロックへと跳ぶ。

「しまった!?」

 どんな選手であっても、ディフェンスで跳んでしまっては、着地するまで身動きを取ることはできない。榎本が跳んで動けなくなったところを、ボクはワンバウンドで漆原にパスを出した。

「ナイスパス!」

 ゴール下のシュートを正確に決める。

 漆原のシュートが決まったところで、第3Qが終了した。




「71-62。9点差か。まぁ前半のボロボロ具合を考慮すると上出来だな。だが、まだ9点差、そして第4Q、10分が残った状態。うちの流れはここで一旦断ち切られたと言っていいだろう。第4Qはまた新たな流れが生まれる可能性もある。最後の10分、流れを相手に渡すな。これが泣いても笑っても最終局面だ!!! 行ってこい!!!!」

 神坂先生はボクの背中を力一杯叩いた。

「痛いですよ……。なんでワタシだけ………」

「ウダウダ言ってないで、早く行け」

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