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ロウキュー娘♡?  作者: 千園参
第1章 The story of Otatsu starting from here 《同好会編》
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第33Q vs Yoshimi Part 2

「整列、これより桜辰女子と吉美の試合を始めます。礼!」

 審判の号令に合わせて、バスケットコートの中央、センターラインを境に両チームが向き合うように頭を下げた。

 そしてここからティップオフとなる。

 センターサークル内にチームで最も背の高い、大隈と馬場が入り、試合開始の準備が整う。

 両者の準備が整ったことを見計った審判は、右手のひらに乗せたバスケットボールを天高く、放った。

 宙を舞うボールに向かって、大隈と馬場がほぼ同時に跳び上がる。

「いや、普通にデカい!!!」

 馬場はそう思った。

 彼女はチームでは1番の高さを持つ、吉美が誇るセンターである。177センチという身長は女性ならば、女の子ならば、大きい部類に入るだろう。現にボク、麻倉麟より14センチもデカいわけなのだから、彼女は、馬場は、決して小さくはないのである。

 しかし、だがしかし、そんな彼女よりもさらに4センチ上回る大隈は、馬場にとってとても大きな壁に感じられた。

 大隈が馬場よりも高く跳び、ボールを弾く。

 弾かれたボールは湊へと渡る。

「先攻、いただきました! 攻めます!!」

 ボールを手にした湊は、そのままドライブでゴール下まで切り込んだ。

「ディフェンス! 急いで!」

 湊の勢いあるドライブに、慌てたように塩山がチームメイトたちへ声を上げる。

 どうにか間に合った山谷が、湊の前に立ちはだかる。それでも湊の勢いは留まることなく、勢いを緩めることなく、ディフェンスの山谷へと向かっていく。ドライブのスピードは全く衰えない。山谷との距離が手を伸ばせば届いてしまうほどに接近した時、湊はロールターンで華麗に山谷を躱して見せた。すると、彼女を阻むディフェンスはいなくなり、完全にフリー状態となった。

 そして湊のダンクがこの試合の先制点を飾る。



 ちなみにロールターンというドリブルテクニックは、その名の通り、ドリブルを突きながら放つ技であり、ボールを地面に突いた勢いを利用して、くるりと相手に背面を向けて回転するものである。

 時計回りに回転する場合、右手でドリブルし、ボールが地面から上がってきたところをボールを手に貼り付かせているかのように持つのがポイントである。ここでしっかりとボールを手のひらの上に乗せてしまうと、トラベリングというボールを持った状態で三歩以上歩いた時に発生するファウルを取られてしまうため、手は必ずドリブルをしている状態、つまり手のひらが下を向いている状態であることを意識しなければならない。

 回転の勢いでボールを巻き込むことからロールターンということで、ある程度身体が回転したら、ドリブルを再開させる。この時、ドリブルを突く手は左に入れ替える。

 右手で回転を発生させ、身体が再び正面に戻る時には左手でドリブルの続きを受け取るという形になれば成功である。

 よくある使用場面として、右方向にドライブで切り込み、ロールターンで左手に持ち替えることで、右に行くと見せかけて、左に切り込むというフェイントにもなる。




 湊のダンクが炸裂すると、会場は騒然とした。

「マジ?」

「今の見たか?」

「ダンクだ」

「そんなにタッパがあるようには見えねぇのに」

「すげえ跳躍力」

 試合を観戦していた観客、選手、監督、審判、誰もが湊のダンクに度肝を抜かれた。度肝を抜かれて静まり返ったのち、凄まじいほどの歓声と熱狂が会場を支配した。

「あの子、誰だよ!!?」

「よく見ると可愛いぞ!」

「本当だ!」

 観戦に来ていたオジサンたちも、これには興奮を隠し切れない様子であった。

「桜辰女子はスポーツに秀でた学校だが、バスケ部はなかったはず。創部したってことなのか?」

 中にはとても学校事情に詳しいオジサンも。


 ボールを拾った塩山がそのまま試合を再開させた。ボールは塩山から松田、山谷と渡り歩き、山谷がそのままスピードのない歩きながらのドリブルで、センターラインを跨いだ。

「落ち着いて返そう」

 山谷はそう言って左手の人差し指を立て、1を表す。

 バスケットボールでよく見られるポイントガードが人差し指を立てるこのサイン。これはゴール1本を確実に取ろうという、チームメンバーに向けたサインである。

「ディフェンス、一本!! お前ら気を引き締めろ!!」

 そんな声が桜辰のベンチから体育館全体に響き渡った。

 ボクは同じポジションである塩山をマークする。湊たちも、それぞれ自分のポジションと同じ相手のディフェンスについた。

 山谷がドリブルをやめ、ボールを手に持ち、パスコース(パスを出せる先)を探す。

 湊をどうにか振り切った松田が、山谷にパスを要求する。

「こっち!」

 ボールを受け取った松田はワンツーと、左右とステップを踏んで、湊と向き合った。

 しかし、だがしかし、湊のディフェンスの位置取りも絶妙であり、ドライブで抜きにかかるにも、確実に抜けると思えない間合いであり、シュートを狙おうとしても、すぐにブロックされかねない間合いだった。

「パスを貰ったのはいいけど、、、この子を抜けない………!!!」

 松田は対峙する湊の放つディフェンスに硬直した。

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