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ロウキュー娘♡?  作者: 千園参
第1章 The story of Otatsu starting from here 《同好会編》
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第17Q Two people who are similar

 今日の練習に神坂先生は現れなかった。

「先生はどうされたのでしょうか?」

「さあ?」

 どこへ消えたのだろうか?



 一方その頃、神坂先生はというと。

「は、は、はっくしょい!! ういー、さてはいい男たちが私の噂をしているわね」

 鼻を啜りながら、キメ顔でそんなことを呟くが、鼻水が、鼻から水が、鼻汁が、垂れているからなのか、垂れ下がっているからなのか、ぶら下がっているからなのか、全く、全くと言っていいほど、全く、決まっていなかった。

「それで何の用だよ、センコー」

 そんな、こんな、あんな、どんな、全く決まっていない神坂先生の目の前には、今まさに漆原が立っていた。出会ってはならない2人が対峙してしまっていた。

「まずそのセンコー呼ばわりをやめな、品がない」

「てめえに言われたくねえんだよ」

「てめえって言うんじゃないよ」

「うっせぇな、何しに来たんだよ」

「どうして練習に来ない? てか、お前、マジでそのキャラやめろよ」

「そのキャラやめろって何だよ!」

「だってそうだろ!? どっからどう見ても、誰がどう見ても、キャラ被ってんだよ私たちは!!」

「知らねえよ!!!」

 2人の勢いはもう殴りかかる寸前、すんでのところまで、来ている。迫っている。

「お前マジでそのキャラやめろよ!!」

「はあ!? やめねえよ!! てか、やめるとかやめねえとか意味わかんねえよ!!」

「マジでやめろって!! ほら、見てみろよ!! 誰が喋ったとか地の文が入らないと、もうどっちが喋ってるかわかんねえんだよ!! 私は誰!!?」

 この人たちは一体全体何体をしているのだろうか? 馬鹿なことは間違いないのだが、馬鹿以外の何者でもなく、そこで言い合いをしているのは、ただの馬鹿なのであった。

「ていうか、地の文も仕事しろよマジで! お前が仕事しねえからどっちがどっちかわかんねえんだよ!!」

「アンタはさっきから誰に何を言ってるんだ?」

 神坂先生の訳のわからなさ加減にさすがの漆原も少し困惑したような表情を見せる。

 それもそのはずである。

「意味がわかんねえよ。アンタ、何しに来たんだよマジで」

「キャラ被りで私のキャラが薄くなる前に、お前を潰しに来たんだよ!!!」

「なんで練習に来ないとか言ってなかった!!?」

「言ってねえ!!!」

「いや、言っただろ!!!」

 不毛な争いとはこのようなことを指すのかもしれない。




「何もないなら、帰っても良いか?」と、漆原。

「ダメに決まってんだろ!!!」

「なんでだよ!!?」

「んども言わしてんじゃねえぞ!! クソガキがあ!!」

 この人は何に怒っているのだろうか。

「漆原!」

「なんだよ」

「お前が練習に来ないのは周りのレベルが低過ぎるからか?」

「ああん? どうしてそう思うんだよ?」

「そりゃあ、お前がかの有名な全中決勝トーナメントの常連校、北虹きたにじ中学の出身だからだろうな」

「ちっ、知ってたのかよ。だったらなんだよ? 安心しろよ、1ヶ月後の試合には出る」

「お前なあ、そんなんで連携ができるとでも思ってるのか?」

「連携? ウチが強ければ何の問題もないだろうが」

 そんな、こんな、あんな、どんな、自信満々の、自信過剰の、漆原に対して、神坂先生は呆れたように頭を掻いた。

「おいおい、スポーツ漫画のあるあるキャラやってる場合じゃねえっての。ったく、仕方ねえなあ、アイツらのレベルが低いのは認めるしかねえし……」

 神坂先生はそう呟くと、ジャケットのポケットからメモ用紙を1枚、取り出した。そしてそれを漆原に差し出した。

「ほら」

「これは?」

 漆原がメモ用紙に目を向けると、目を落とすと、メモ用紙にはとある住所が書かれていた。

「練習には来なくても良い。今のうちはお前も有意義な練習ができるとも思えないしな。だから、お前にはお前で特別な練習方法で強くなってもらう。学校が終わったら、放課後、そこに行け」

「行ってどうなる?」

「お前にふさわしい練習を用意してある。せいぜい頑張れよっ、じゃあな」

 こうして、そうして、ああして、どうして、神坂先生はその場を去っていった。

「安心しろ、ここのメイド喫茶代は私が持つから」

「ああ、それは助かる」

 この人たちは本当に何をやっているのだろうか?





 次の日ーーー

 その日は土曜日で、午前中のみの練習となった。

「今日は平日みたいにお前らが使えば終わりじゃねえ。この後はバレー部が使うからさっさと掃除して、邪魔にならないように早く撤収しろよ」

「「「「はい」」」」

 練習を終え、その帰り道ーーー

「麟ちゃん、午後からは何かご予定はありますか?」

「特に入ってないよ? なんで?」

「それでしたら、この近くに美味しいパンケーキのお店があるみたいなのです。流石に放課後に行くのはできないと思いましたので、今日ならと」

「へえー、いいね! 行こうよ」

「本当ですか! 楽しみです!」

「どうする? このまま行く? それとも一旦寮に戻る?」

「そうですね、麟ちゃんの私服姿も見てみたい気はしますが、こうして制服デートというのも憧れます」

「ほ、ほお……」

「今日は制服で参りましょう! 麟ちゃんの制服姿はお可愛いですから」

「あ、ありがとう////」

 彼女の不意な不意がとても可愛くて困る。ついつい押し殺しているはずの男が見え隠れてしまう。ひょっこりと、はん、してしまう。

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