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ロウキュー娘♡?  作者: 千園参
第1章 The story of Otatsu starting from here 《同好会編》
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第15Q Dunk shoot!!!!

 ダムダムと、ムダムダと、タンタンと、ボールが地面に突かれる度に、独特なバウンド音を鳴らす。そしてそのボールを突く音はドンドンと、ダンダンと、加速していく。

 1on1とはバスケにおける一対一のことであり、このように遊びや練習で行う場合は、スリーポイントライン辺りから始めるのが一般的と言える。オフェンスとディフェンスが向かい合うようにして立ち、ここからは始めるための儀式のようなもので、オフェンスは一度、ディフェンスにワンバンでボールを渡し、ボールを受け取ったディフェンスはまたワンバンでオフェンスにボールを返すことで、晴れて1on1が始まる。

 そしてボールを持った漆原が早速ドライブで切り込んでくる。ボクは抜かれまいとサイドステップで付いていく。



 ちなみにサイドステップとは、ディフェンスでよく使われる動きで、まずディフェンスの構えは両足を大きく開き、腰を落とす。これが基本の姿勢となり、ここからボールマン(ボール持っている人のこと)の動きに合わせて付いていく際にサイドステップを使うことになる。

 サイドステップは腰を落とした状態で、左右どちらかの進行方向の足を先に出す。右に動く場合は、右足を先に動かし、左は右足が動いた分を元に出すように、動かす。左に進む場合はその逆となる。簡単に言えば蟹さん歩きである。

 しかし、だがしかし、相手がフルドライブ(全速力のドリブル)で抜きに来た場合、どう考えても蟹さん歩きでは対応できない。

 では、ではでは、どうするのか? それはクロスステップと全力ダッシュである。全力ダッシュとは何か?

 全力ダッシュとは全力で、全身全霊で、とにかく本気で走ることである。これはバスケの知識はなくとも誰でもできる高等テクニックと言えるだろう。

 続いてクロスステップとはサイドステップの足の運びを、クロスにしたもので、右に進む場合は左の足を先に右側に出し、次に出した左足を越えるように、交差するように右足を出して、ステップを踏む度に両足がクロスしているようにして進むからクロスステップである。




 さて、さてさて、漆原との一騎打ちに戻るとしよう。

「オラオラ、いくぞオラァ!!」

 漆原はスケバンといういかにも動きづらそうな格好であるにも関わらず、軽快な動きと巧みなドリブルで、左右に動いて揺さぶりをかけてくる。

「右がガラ空きだ!!」

「しまった!」

 一瞬の隙を突かれ、漆原にドライブで抜かれてしまう。そしてそのままゴール下に侵入すると、1、2とステップを踏む。

「見せてやる! これがウチの全力だ!!」

 左足で強烈で強烈な踏み込みをすると、今日見た大隈のダンク失敗とは比べ物にならないほどに高く、天高く、ジャンプした。

 ジャンプした勢いそのままに、漆原は凄まじいダンクシュートをゴールに叩き込んだ。

「うるぅあ!! どんなもんよ!!」

「すげえ! ダンクシュート!!」

 抜かれてダンクを決められたという悔しさよりも、ダンクシュートを決めることができる選手がいたことへの喜びと、まさかこんなところでダンクシュートが見られるとは思っていなかった嬉しさの方が、圧倒的に勝ってしまっていた。




「さあ、次はアンタの番だ」

 漆原はボクにボールを渡した。

「だな。いいもの見せてくれたから、ワタシも頑張らないとな」

「まずウチを抜けるわけねぇと思うけど」

「それはどうかな?」

 ボールを受け取ったボクは漆原をどうにか抜くことに成功した。

「はやっ!?」

 ボクは漆原を完全に抜いたわけではない。しかし、だがしかし、少しだけタイミングをずらすことができればそれでいい。ボクの狙いは抜き去ることではないからだ。

「アンタ、まさか!」

「そう、ワタシの武器はこれだから」

 ボクは3Pラインからジャンピングシュートを両手打ちで放った。

 放ったシュートは綺麗な弧を描き、アーチを描き、ゴールリングへと吸い込まれていった。

「スリーなんて、やってくれんじゃん」

「へへへ」

「次行くぞ次!」

 こうして、そうして、ああして、どうして、ボクたちは時間を忘れて1on1に明け暮れていた。いや、既に日は暮れていて、真っ暗なのだが。明け暮れたのではなく、明かしたという方が正しいのかもしれない。




 翌朝ーーー

「おはようございます、麟ちゃん」

 と、湊。

「おはよう………」

「お疲れのご様子ですね」

「うーん、まぁね。でも、これで5人揃うよ」

「本当ですか!?」

 湊は居ても立っても居られないというように、その場に立ち上がった。そして立ち上がってすぐに自分がお行儀の悪いことをしてしまった自覚があったのだろう。恥ずかしそうに着席した。

「あ、はしたないことをしてしまいました……。すいません」

「いいよいいよ。ワタシもそれくらい嬉しいからさ」

「でも、5人目のお方をどこで勧誘したのですか?」

「勧誘したというか、自分から来たというか」

「そうなのですね。そのお方に早くお会いしたいです」

 湊はとてもワクワクしている。クワクワしている。まるで散歩に行くことがわかった犬のようであった。早く散歩に出かけたい犬のようであった。尻尾が付いていたならば、確実にフリフリしているであろうことは間違いないほどに、心が沸いていることは見て取れた。

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