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ロウキュー娘♡?  作者: 千園参
第1章 The story of Otatsu starting from here 《同好会編》
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第11Q Shadow of a person

「本当ですか!?」

 現在、昼休みーーー

 ボクは今朝の出来事を湊に話した。

 すると、この反応である。

「うん、ワタシも何が何だかなんだけど、とにかく今から1ヶ月後までに残りの3人を集めなきゃなんだよな」

「そうなのですね! それで目ぼしい方はいらっしゃるのですか?」

「まぁ一応ね。放課後、1人声をかけたい人がいるんだ」

「私も一緒に行きましょうか?」

「ううん、大丈夫。うちのクラスだから」

「そうですか……」

 湊は少し残念そうな表情を浮かべた。




 それから昼休みが終わり、午後の授業を終え、放課後ーーー

 ボクは早速、後ろの席である大隈陽美おおくまはるみに声をかけた。

「あの」

「なに?」

 いざこうして、そうして、ああして、どうして、対面してみると、後ろにいる時よりも、後ろで感じているよりも、さらに強い圧力を感じる。

 それに何より立ち上がった時のサイズ感が縦にも横にも大きい。全体的に、全身的に、大きい。とにかく大きい。とにもかくにも大きい。

「あの、えっと、その、えっと」

「だから、なに?」

「ば、」

「ば?」

「中学の時、バスケ部だったんだよね?」

「なんで知ってんの?」

「いやぁ、なんでだろう?」

「私、やらないから」

 大隈はカバンを手に持つと、それはまるでカバンではなく、ポーチに見えるほど、見紛うほど、見間違えるほど、大きかった。

 そしてズンズンと、ズカズカと、ドンドンと、ダンダンと、ズシズシと、ズダンズダンと、ズシンズシンと、ズガンズガンと、ドバンドバンと、ドシンドシンと、歩き去っていった。

「怖かった………」

 しかし、だがしかし、ボクは彼女のことを諦める気はなかった。何故か? それはやはり彼女の身長はバスケにおいて大きな武器になることは間違いなかったからだ。

 180cmという身長は男子バスケでは武器にならないかもしれないが、女子バスケということであれば、話は別である。

 是非とも彼女にはその大きさをバスケ同好会で発揮してもらいたいものだ。




 大隈が帰ってしまったため、ボクは勧誘を切り上げ、前回同様、ランニングと筋トレを行なっていた湊と相葉に合流することにした。

「お疲れ」

「あ、麟ちゃん、お疲れ様です。どうでしたか?」

「うーん、今日はダメだったよ。でも、また明日もトライしてみるつもり」

「それは残念でしたね。でも、諦めないことが大事ですから、明日も勧誘頑張りましょう!」

「おう、それじゃあ、ワタシ、着替えてくるから」

「わかりました」

 更衣室には当然、誰もいない。いるはずもない。いるはずがない。ボクはとても落ち着いて、落ち着いた気持ちで、着替えることができた。

 問題は帰りである。

「よし、頑張るぞ」

 着替えを済まし、2人に合流する。

「麻倉さん、今日からよろしくね……」

 と、相葉がボクに言った。相変わらず声が小さい。

「うん、よろしくな!」

 それから3人で筋トレと縄跳びをこなし、夕暮れ時、体育館を使用していたバドミントン部が退去していったのを見計らって体育館へと突入した。


 そのタイミングで神坂先生も姿を現す。

「おっ、本当に3人になったんだな。それじゃあ、今日はツーメンとスリーメンをやってみるか」

 神坂先生の言う、ツーメンとスリーメンとは何か。

 速攻練習であり、点数を決められてから、もしくは攻守が交代した際に、ディフェンス、つまり敵陣に守りが少ないという場面を想定し、そのシチュエーションでの攻撃練習となる。

 では、ではでは、具体的にどうするのか。

 前提として自陣から敵陣にスピードを持って、一気に攻め上がるという場面であるため、ゴール下から対面のゴールへ向かう必要がある。つまりオールコートで行う。

 そこでツーメンは2人がオフェンス(攻撃側)で、パスを出し合って、敵陣まで攻め込み、そのうち1人がシュートを決める。

 スリーメンは簡単に言えば、その3人バージョンである。

 しかし、だがしかし、なんせオールコートで行われるため、オールコートを全力疾走しなければならないため、疲れる。

 死にそうになる。

 ボクはこの練習が本当に嫌いなのである。



 最後のシュートは基本的にレイアップ、バックシュート、ジャンピングシュートなんでも良い。それはディフェンスを想定した際に、どういった攻撃になるかは未知の世界であるが故に、多様な攻撃パターンを用意しておく意味で決められていない。

 その場で最も成功するであろうシュートを打てば良いのだ。となると、そうなると、必然的にレイアップシュートになったりもするのだが。

「じ、じぬぅううう……」

「これはさすがに疲れましたね……」

「し、死にゅう……」

 相葉が可愛い。まるで小動物のようであった。それはまるで小動物のようであった。大事なことなので繰り返す。三度繰り返してもいいほどである。


 体育館でくたばっていると、へばっていると、へたれていると、入口に誰かが立っているように見える。瞬きしてよく見ようとした時には、その姿は消えていた。

「………お化け? まさかな」

「どうかしたの……?」

「いや、なんでもない。さあ、片付けして帰ろう」

「はい」

「うん……」

 あの人影は何だったのだろうか?

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