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爆縮と体温の機知(12)

風邪の恭慎

眠ろうとする姿に

どこかにあった感情が湧く

少なくとも

他の誰かで感じたことがある


寝ぼけまなこで

曖昧な記憶になっていても

身体の何処かで

感触を覚えているみたいだ


敷布団の柔らかさと

遠くに聞こえる声

不意に差し出されたストロー

静かに囁かれて口をつける

貼り付けたおでこの長方形

忘れた頃にやってくる

体温計の先の冷たさ

繰り返していくことに

躊躇いの無い光景


タオルをぬるま湯に

絞った水音で思い出す

けれども

目の前の咳に集中する方が先


同じことをして

鮮明になる記憶があること

頭の何処かに

パスワードが存在するみたいだ


拭かれた後の寒さと

真新しい肌着の冷たさ

綺麗に整えられた掛け布団

横になれば自動で布団の中

貼り替えたおでこの長方形

暗闇と真夜中の窓

トイレの灯りの温かさ

繰り返していくことに

躊躇いの無い光景


変わることになるのかもな

人は便利さを求めたから

最後を看取る人すらも

金で雇われた他人かもな

責任を金で取って

時間では取らなくなるんだろう


だとしたら

一緒に居るだけで

価値があることになる

金の支払いをしなくたって

お互いに価値があることになる

なんて云いながら

経済力のある人間を選んでいる

そんな人間の集まりには

昔を馬鹿にできる説得力が無い


繰り返していくことに

躊躇無い光景

戸惑いも無ければ疑問も無い

その繰り返しを

大切だと言えるなら

誰かの大切さも

同じように見てあげて







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