表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/13

番外編? フラグの精霊

 はぁー。もう大変でしたよ。


 あの連中ときたら、情け容赦なく我々を踏みにじっていくんですから。


 しかも、無意識にですよ。せめて存在認識してもらいたいっ!


 まあ、最初はまだ「ゲーム開始前」だからって、油断しきってたのがいけないんですけどね。


 あの王妃、我々よりも先に生まれてたってこともあって、転生者だってことを悟らせなかったんですよ。完璧な猫被り。痛恨のノーマーク!


 それが「神殿に入るなんてもったいないわ。外交官として活躍してもらいたいから留学なさいな」なんて一言で、神官ルート担当してた連中を一掃しちまったんですよ!


 あの時はもう大混乱。残された連中で震え上がりましたよ!


 それからはもうあちこちで転生者がいないか目を光らせましたよ、お陰で早いうちに監視つけられましたけどね。


 なるべくゲームの知識を思い出さないように誘導して、フラグ回収の邪魔しないようにがんばりましたとも。ええ、そうですよ! 我々は回収されることを目標に生まれてきたんです! 回収こそ本望!使命達成です!


 それなのにあの侍女ときたら、変なところで記憶思い出して、しかも即座に行動するし……あれでだいぶ仲間がやられちまいましたよ……。


 王太子ルートは王妃はもちろん、近くに侍女もいたし、令嬢もいたし、それこそ我々にしてみれば無理ゲーってやつでね……。しばらくはせっせと分裂して頑張ったんですけど、諦めました。むしろ三人の目を引きつけておくための囮になりました……尊い犠牲だった……。


 文官ルートは途中まで順調だったんですけどね。あの令嬢は、兄が攻略対象だなんて全然気づいてなかったし。たまーに、せっかくの仕込みをいとも容易く無意識に踏みにじってくれましたけど……。


 概ね順調に進んで、ようやく「ゲーム開始」だと油断したのがいけなかったんですよね……。あの野郎、エンディング用に仕込んだ台詞を妹相手に使いやがって!


 ベストから友情、その他関連ルートすべて一掃処分でしたよ! 終わったんですよ、やつのルートは。オープニング時点で終了!


 あー、はいはい、采配ミスですよ。令嬢の才能伸ばすのを邪魔しとけばよかったと気づいても後の祭りで。


 え? あー、まあ、聖騎士ルートは難易度低いし、幼馴染の転生者も協力的だったから、結構、手抜いてたってのもあるんですけどね。


 聖騎士にさえなれば大丈夫だろうと……気づいたときには手遅れだったんですよ……他の攻略対象は何もせずとも基本的に設定通りの外見と性格でしたからね。


 正直、オープニング時点でもう諦めて、回収されることもなく、このまま儚く消えるだけだと思ってたんですがね。


 それなのに、なぜか回収され始めたんですよね。ええ、聖騎士ルート。


「いや、それ違うだろっ?!」と我々だって思ったんですよ。でも、回収されたんですよ。


 不思議デスヨネー。


 ええ、はい、最後の一本ですよ。ええ、とっくに時間的には「エンディング」通り過ぎてますよねー。でも、回収されなかったんで、今まで残ってたんですよ。寂しいのなんの……。


 え? 聖騎士からの告白ってやつですよ。


 告白された覚えがない?


 なにいってんですか!忘れたんですか?


 これからも共に時を過ごしてほしいって言われたでしょーが!


 訓練の話じゃないですよ!


 はい、無事に回収! お幸せに!


主人公の夢のなかに化けて出た設定。

たぶん、時間とともにフラグの精霊も変質していったんじゃないかと思われます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ