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柔木メイ 2

メイは小学校3年生になると少しずつ視野が広がっていた。少しずつケンカもしなくなっていた。

メイは女の子らしくもなった。もともと弟が多く、面倒見のよいメイは女の子グループでも仲の良い子が多くなった。


友達「メイちゃん!皆!今度私のおうちに遊びに来ない!?ホームパーティーしましょうよ!?」


皆「わー!!素敵!!」


女の子グループの5人はホームパーティーなんてよく分からないのに何故か物凄くおしゃれに聞こえたようだった。メイもその1人であり、

メイ(でもお母さん許してくれるかな?)


と少し不安になった。しかしメイが施設に帰り母親に報告すると凄く喜んでくれた。何でお母さんが喜ぶのかメイにはよくわからなかった。


メイは服はあまり興味がなかった。お母さんに頼ろうとも思った。しかしメイの母親は何故かご飯の時と夜しか家に居ない。メイは母親がどんな仕事をしているのかよくわかって居なかったがただ休みなく毎日その施設内で働いているのはわかっていた。


メイ「お母さんは忙しいよね・・・」


母「どうしたの?」


メイ「服・・・とか・・・ほ、ホームパーティーだから、・・・可愛い服欲しいけど・・・私・・・グスッ・・・」


メイは母親に迷惑をかけるのが苦手だった。長女のプライドもあった。ワガママを言うのは久しぶりで何故か泣き出してしまった。


母「服!?買いに!?うぁ!!メイの服!!買いに行くわよ!!可愛い我が子の悩みは私に任せなさい!」


メイ「お母さん、忙しいから・・・別にいいんだよ?だって弟達も欲しいものが・・・」


すると母親はメイを見つめて頭を撫でた。


母「あなたには色々心配かけてるわね。でもお母さんになんでも言いなさい。絶対に可愛い服を二人で選ぶわ!」


メイは嬉しかった。母親とお出かけなんて久しぶりだったから。するとすぐに休みを合わせてくれて、弟達を保育所に預け、それから二人っきりで服を買いに行った。


お出かけでも久しぶりなのに、二人っきりなんてあったかな?とメイはなんだか恥ずかしくなった。母もこんな女の子らしい事を子供に言われるとは思っておらず、逆にメイよりもはしゃいでいた。


結構悩んだが二人の趣味が一致した服を一式揃えた。母はそのトータルコーディネートを父にも写真で送った。


メイ「お父さん見てくれた!?」


母「きっと見てるわよ!可愛いって言ってるわ!!」


メイ「本当に!?うへへ」


母「当たり前でしょう?お父さんもいつもメイの事を思ってるんだから」


メイ「そっか・・・うへへ」


母(うへへって・・・まあ可愛いからいいか・・・)


メイはその日が本当にいい思い出になった。嬉しくて嬉しくてホームパーティーも楽しみで楽しみで、その日は寝れずに一晩中「うへへ」とニヤニヤしていたようだった。

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