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ヒーローの姿

メイは目を閉じた。あまりにまぶしい光を感じたから。落雷も目を閉じた。死を回避出来ないと感じたから。意識も同時に失った。落雷とメイのさらに後ろには避難していた重傷者やそれを看護する人、不安で動けない人、腰を抜かした人、1人で居ると危ないからと広場の人々や近隣の住民も集まっていた。その人達も目を閉じた。全員が愛する家族や他の人間と涙して目を閉じた。走馬灯を見ていた人もいた。その中にはコウもいた。メイを探していたが被害者の看護に手を焼いていた。










光に音はない。また範囲が広い為、当たっているのか当たっていないかもわからない。自分が死んでいるのか死んでいないのか、体があるのか、もうないのか?それを考えただけで怖かった。





しかしメイは信じた。そして目を開けた。目の前には大きな影があった。大きな大きな影が光を遮断していた。



メイ「お父さん・・・!!!??」



そこには大の字で大きく構えるジュウが。ジュウは背中で光を受けていた。







ジュウ「メイ!!あのな・・・お父さんな・・・ごめんな・・・落雷も・・・悪かったな・・・」


ジュウは目に涙を大量に溜め込んで息を飲むようにかすれた声でメイに謝った。




メイ「お父さん!!!」メイは力強い眼差しでジュウを見つめた。メイの見ているのはいつもの大好きなヒーローの父だった。メイは自分と他人を天秤にかけるような子ではない。こんなピンチに現れてくれる。それがメイのヒーローであり父だった。自分が忘れ去られたとしても父は絶対に来ると信じていた。


メイは色々な気持ちを全て詰め込んだ。


ジュウ「・・・?」








メイ「お父さん!!!!!いけーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!」


メイの聞いたことのない大声でジュウが貯めた涙が吹き飛んだ。体からいつもの力と自信が沸き上がってきた。そして背中に感じる膨大な熱を感じた。


ジュウ「うおおおおおおおおお!!!!!!!!!」


ジュウ「クラフトおお!!!」


クラフトを唱えると光が弾け飛ぶ!クラフトは変身時間を稼ぐという役割もあり一瞬の効果無効バリアのようなものを発動できる。


AI「クラフト!!豪胴着!」

AI「クラフト!!ダイダラ腰帯!」



胴着と帯をしめた。そのときのジュウ道の顔は正に鬼。一瞬バリアで防いだ光はまたジュウにぶつかるがジュウは微動だにしなかった。


ジュウは鬼の顔からメイに目を向けると一瞬で優しいお父さんに戻る。


ジュウ「メイ!!お父さんはこのときの為に鍛えて来たんだ!!まさか本当にメイの大ピンチを守れるとは思わなかった。僕は今・・・誰にも負けないから。見ててね!」


メイ「うん・・・!!」メイは震える声で答えた。


そしてまた鬼の顔に戻った。





コウ(来てくれた・・・私のジュウ道・・・メイを守って・・・!!)



ジュウ「・・・ダイダラ腰帯・・・移縮の白・・・」


帯の色が白くなりジュウ道の気配が変わる。







寄生アンノーンは状況を理解仕切れないでいた。もう手を伸ばした先は全滅しているはず。しかし声が聞こえる。距離があり自分の放つ光のせいで目視できない。

けどわかっていた。また何か現れたのだと。


寄生アンノーン「なんだ・・・?またか、、?おいおい・・・どこまで人間は進歩している?」


寄生アンノーン「試すか?」


寄生アンノーンはいったん光の砲撃を止めた。


スッ


光が止むと広い広場の先にポツリと人間が見えた。それが敵なのはすぐわかった。そしてその人間はこの寄生アンノーンに頭を向け、礼をしていた。あの光の中でもしていたに違いない。そしてその後方は無傷。落雷も小さな子供も生きているではないか。


寄生アンノーン「それ・・・それは礼か・・・?な・・・」


ビキビキと寄生アンノーンの全身に血管が浮き出る。この状況で礼をする。明らかな挑発!


寄生アンノーン「馬鹿が・・・全員死ね!!!っ・・・」


寄生アンノーンは今度は両腕から光を放とうとした。しかしジュウは礼のまま背後にいた。


ジュウ「お願いします・・・」


ジュウが顔を上げると背中に巨大な触手砲台があるではないか。


ジュウ「ん?」


寄生アンノーン「馬鹿が!」


寄生アンノーンは間髪入れずに貯めた力を込めて光を放っていた。寄生アンノーンの光には衝撃、熱の効果があった。光であるため射程距離は長いのだが、距離が近いほどに衝撃は強かった。寄生アンノーンはジュウを舐めてはいなかった。だからこの攻撃で致命傷はないと感じた。しかし得体の知れないジュウと距離をとる必要があった。なので背中から広範囲に衝撃の光を放ち吹き飛ばそうとしたのだ。しかも大抵のヒーローは粉々になるような力で。


寄生アンノーン「あ・・・な・・・」


しかしジュウは1歩も後退りせずそこにいた。


ジュウ「・・・ダイダラ腰帯・・・不動の緑・・・」

帯の色が緑色に変化し仁王立ちをするジュウの姿は実際の2倍、3倍の大きさに見えてきた。


寄生アンノーン(あ・・・まさか私が・・・これは・・・恐怖か・・・?)


寄生アンノーン対電光(ライトニング)ジュウ道、ゼロ距離から開幕。

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