ヒーローの条件
時代は遠い未来。世界はずっと人間と動物だけだった。それが何かのきっかけでバランスが崩れた。
理由は様々ある。説もたくさんある。ただ結果としてヒーローが必要な世界になった。すなわち怪人、モンスター、怪物といった生物が少しずつ地球を侵略しだしたのだ。それらはアンノーンと呼ばれた。
ただヒーローとは超能力、超パワーなんでもかんでも超がつく超人でなければならない。
上手いことスーパー蜘蛛に噛まれたり、人間と思ってたけど実は最強の宇宙人だったり、霊的なパワーを実体化できたりしてヒーローが勝手に必要な時に生まれてくれれば政府も大喜びだろうがこの世界では「スーパー」ヒーローはなかなか現れなかった。
そこであらゆる研究家や大学教授が対アンノーン用生物兵器となる人間を募集した。
対アンノーン生物兵器とは単純に「強い」人間であることは間違いない。
筋肉の着きやすく健やかな人間が数多く求められた。
しかしアンノーンは強い。どれくらい強いか?これを数値化する。「馬力」という言葉で表す。1馬力とは馬一頭分の力を表す。2馬力ならば2頭分である。
通常の人間は1馬力にも及ばない。だいたい0.25馬力くらいと言われている。
アンノーンにも種類があり、ランクがある。
一番弱いと言われている雑アンノーン、通称「雑ノン」。だいたい2馬力ある。つまり平均的な人間の8倍強い。
これをクリアしなければならない。
これをクリアするためには「努力」と「改造」しかなかった。または最新兵器だ。
最新兵器とはロボットか武器だ。しかしロボットは動きが遅く、雑ノン程度しか倒せない。武器は強いのだが結局のところ強い人間が使わなければ役にたたない。
以上を挙げた上での結論としてヒーローの最低条件として雑ノンを倒せる2馬力以上の力を持つための「努力」か「改造」をすることを達成できる「人間」である事がわかる。
それを実現するために政府は養成所を作った。養成所には12才になると誰でも必ず入る。中身は中学みたいなものだ。授業を受ける。中学校との違いといえば少し体育が真面目程度の差しかない。
そして15才で98%は卒業する。卒業した人は高校にいく。
残った2%は別の養成所へいく。その中の95%は卒業する。大学に行ったりする。その95%はいつでも卒業する。入って3日で卒業する人もいる。が進路などはしっかり補償されている。
そうして初めてヒーローの卵が出来る。
政策的にはヒーローの上手い探し方ではあった。才能のある真面目な人間でなければ勤まらないのは当然だった。
しかしヒーローになるべく人間には何故か全員同じような大きな欠点があったのだった。