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6.小学生と幼馴染と修羅場?

小学生と大学生の生活圏被らなさすぎ問題。

仕方ないね。

そしてブックマークはいいぞぉ!

こうやって最新話を投稿するモチベをくれる!

 朝。目が覚めた。

 毎週のことだが、月曜日は午前の授業がない。


 要するに、暇なのである。

 時刻は……朝の6時か。

 テレビのそばに据えられたゲーム機を起動する気にもなれない。


 窓の向こう側からは東日が射し込んでおり、ちょっと眩しい。


 窓を開けると外の冷たい空気が部屋へと流れ込んでくる。

 たまには全身で朝の空気を浴びるのも悪くは無いかもしれない。


 ついでに飲み物でも買ってこよう。


 ふぅ、早起きにも慣れたもんだよな。

 高校の時から朝補習があったが、今は早く出ないと補習抜きで遅刻するため余計に慣れた気がする。


 高校の時は家が近いのもあってギリギリまで出なかったりついにはサボったりしたものだ。いや、マジで何やってたんだろう。


 ここあたりも昔と比べると見違えたものだ。この前いいろちゃん回って改めてそう感じた。

 小学校、中学校、高校と生きてきたが住む環境を含め、友人さえもめまぐるしく変化した。


「ま、これも時の流れってやつか」


 誰に向けたものかは分からないがそう、独りごちる。


 帰り道。


「アキちゃんだ! おはようございますっ」


 学校へと向かういいろちゃんとすれ違った。

 俺を見つける前に暗い表情を見せていたのが気になったが追及はしない。傷口に塩を塗る真似なんかしたくはない。


「おはよう。珍しいね、こういう感じで会うのも」

「はいっ、なんか元気出ちゃいました」


 俺は目の前の天使を有難がる。

 うむ、眼福じゃ。

 いいろちゃんははにかんで見せると大きな声で、


「いってきまーす!」


 と言って小走りで行ってしまった。

 なんだか急いでた感じだったけど……、まあいいか。




 ・




 午前11時過ぎ、かなり早いお昼を食べ終えて家を発つ。

 カレーは活力の元。

 食べてみるとはっきり分かるね。


[line]

 こーへー:遅刻すんなよ


 携帯を見るとline(ライン)でいつもの友人から連絡が来ていた。

 とりあえず、お前もなと送り返しておく。


 いつもの様にバスに乗り込み、我が県交通の要となる駅へと向かう。

 バスではそこそこ人がいて座るのは難しいかと思いきや後ろ側の席に空きがあったのでそこに座らせてもらう。


 窓に映る景色は移ろいゆく。

 活気に溢れた街を映し出し、各駅で人が乗り降りする(当然誰もいない降りない駅は通り過ぎることもあるのだが)。


 バスは決められた時間に沿い道路を進んでいく。


 次で目的の駅に到着するらしく俺は交通系ICカードを右ポケットから取り出す。

 終点となる駅に到着すると乗客がなだれるように外へと向かってゆく。

 俺は人が少なくなるのを見計らって席を立つ。


「あれ、新島君じゃん?」


 そう、俺自身だって――。


 ふと、俺の視線に入った少女。

 思わず足が止まった。


 まあ、向こう側から呼びかけられたので立ち止まらざるを得なかったが。


鳴流(なる)?」


 誰かと思えば俺の中学までの幼馴染の良空(よしぞら)鳴流(なる)だった。


「ヤッホヤッホー、新島君(・・・)

「やめてくれないか、その呼び方」

「えへへ、敬意を込めて言っているのさ」


 嘘つけ絶対わざとだ。

 というか久々だというのに早速馴れ馴れしくないか。俺は慣れてるから短時間なら構わないが、行きすぎた過剰な接触。これだから毎回彼氏に振られるんだよ。

 そして俺がこいつと離れようと思った原因でもある。


「離れろ。はっきりいうけど気持ち悪い」

「うわっひどっ」


 顔は悪くないが体つきがダメだ。

 そこそこ背が高いが胸がない。

 俺はそれで全く構わんが、そんなんじゃ他の男もなびかんぞ。本人が気にしてるところなのでそこを毎回突っ込めば攻勢が止むので利用させてもらっている。


「むぅ、……たしかに照史のウスイホンはおっきいのが多かったけどもさぁ」


 言っておくが、エロと好みは別だ。それがわからんやつも多い。でかいのにも興奮するが小さいのも興奮するのだ。入手出来る範囲ででかいのしかなかったという訳では無いぞ。決して……。


 というか俺の周りが小さいの好きなので譲ってしまうと残るのがでかいのだけなんだよぉ。


「つーわけで、俺、学校だから」

「えぇーっもう行っちゃうのーっ!?」


 そりゃそうだ。

 学校すっぽかしたら金無駄じゃんよ。

 母さんが頑張って働いてくれてんのに無駄にできるわけがない。


 そう思って俺は改札を通過する。


「むぅー、せっかく帰ってきたのになぁ……」

「帰ってきたって、お前今なにやってんの?」


 専門学校はみっちり詰まってるだろうし大学なら単位を削れるわけがない。

 こればかりは当然の疑問だろう。


 なんでこいつ付いてきてんだろ。


「東京でモデルとダンサー、アイドルやってるよっ!」


 うわなにこいつ。

 絶対兼業しすぎだろ。

 見ないと思ったら上京してやがったのか。裏山っ裏山っ!


「なにをっ、スケジュールスカスカだよっ!おかげでバイト三昧さ!」


 要するに仕事が入らなくてバイトで生計立ててる、と。不憫すぎる。


「というか、なんで大学まで付いてきてるの?」

「……何となく?」

「アホか、大学に行ってんだぞ。遊びじゃないんだよ」


 授業中にスマホをするのは別として決して遊んではいないぞ。

 というかこんな所をいいろちゃんに見られでもしたら傷つくのは確実だ。仮とはいえ俺に恋心を持っているのだ。

 この面倒な女を関わらせるのは絶対に嫌だ。


「あ、俺ん家だけど、中学の時から引っ越してるからな。じゃあな」

「あーっ、酷いっ見捨てるんだ!」


 知らんわ。

 あ、でも鳴流のお母さんからはおすそ分けたまに頂いちゃってます。美味しいです。

 とりあえず母さんが外でたまにあってるくらいだから今の家の場所は知らないはずだ。多分。


 心配だが信じよう。


「つーわけで、じゃあな」

「ぐぬぬ……、覚えておけぇ!」


 えっと、鳴流が帰ってるから決して家の場所を教えないようにっと……。母さんに釘を刺せば大丈夫だろう。


 ティロンっと音が鳴って返信がやってくる。って早いな。


[SMS]

 母さん:ごめん


 ……。


 その一言は俺が現状を理解するのに十分なものだった。



 ・



 俺は電車とバスで家まで直帰する。


「……ただいまぁ」


 玄関にはいいろちゃんが正座でちょこんと居座っている。

 ちょんちょんと自分の目の前を叩いた。多分、前に来いとのことなのでずいっと近づく。


「アキちゃん、あの女の人。誰なんですか」


 いいろちゃんが指さした先、すなわちリビングから鳴流がこちらを覗き込んでいる。ひらひらーっと手を振っている。


「……えっと幼馴染?」

「えぇーっ、なんで疑問形なのよぉ」


 ぷんすかとか口で言っている。

 あざとっ。


「ふむ、そうですか」


 いいろちゃんはとりあえず納得したようだ。だが神妙そうな顔をして鳴流を見つめる。


「わ、私は良空鳴流だよっ」

「はい、私はみつきわいいろ、と申します」


 なんだかいいろちゃんが大きく見えるぞ……。比喩抜きで大きい。

 背では負けてるけど気迫では圧倒的差をつけている……ッ!


「……よ、ヨロシクねっ!」


 一瞬だけいいろちゃんの気迫に圧されたみたいだが笑顔で返事をする鳴流。


「はい、よろしくお願いします」


 それからじーっと鳴流のことを見つめて敵認定していた。だが、鳴流は別方面に勘違いしたようで俺を呼び出して聞いてきた。

 ちょいちょいと手招きされた俺は鳴流に無警戒に近づいたが最後、肩に手を回されて一気に近づいてきた。


「……ねえ、この小学生の子とどこで知り合ったの?」

「いや、まあ。偶然?」


 えっと、剣幕がすごい。


「それがどうしたんだ?」

「めっちゃ可愛い、私のことじっと見てくるし、私が好きなのかな!?」


 こいつ何言ってんだ。マジで。

 いや、あの目はあからさまな敵意でしょ。っていいろちゃんの目がめちゃくちゃ狂気に染まってるんだけど!?

 俺なんか汚物を見るような目で見られてるんですけど!?


「いいから離れろっ!」


 これ以上くっついていたらいいろに亡きものにされる気がしたので鳴流を引き剥がして離れる。

 それでもいいろちゃんの殺意はなんかとめどないのでとりあえずフォローを入れる。


「昔、付き合いの真似っこはしたけど、中学卒業の時に告白したら振られたから大丈夫だよ!?」


 決死の言い訳である。


「そうですか」


 どうやらいいろちゃんの溜飲は下がったみたいで俺の命の危機は去った。

 とりあえず、鳴流がここに居る間は奴のベタベタ癖は命取りだ。

 気をつけなくては……!!


 俺はこれから始まる一波乱が予想出来てしまい、気を落とすのであった。


嫉妬も好き(語彙不足)。


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