6:男は馬鹿だな気が付かない。
化けの皮、借りてきた猫の皮が剥がれて来たので、もうお気付きでしょうが、性格が最悪級のヒロインです。
でもそれは、その感じ方は、この世界でこの社会に生きる私達だからなのかもしれません。
一部、伏せ字をして有りますが、気分を害されるかもしれません、お気を付けを。
自分で設計した家が古民家と呼ばれるようになってようやく生れた可愛い我が子は自分と同じで到達者であった。
我が子が、娘が培養液の中に居た時にそれを知った。
「またか… …また、失敗か」
老化しない到達者である私は妻を亡くし、独り子作りをしていた。
「やはり妻に似せつつ才能を持たせるのには無理があるのか… 。 いや、そんなはずはない。 きっと大丈夫だ」
子供が今後苦労しないために、お金を残してやるように俺は優秀な頭脳と妻の様に美しい面立ちを娘に渡そうと考えていた。
失敗続きで私の思考が濃霧に犯されていたその時、私の理論が正しかったということが証明された。
「消えた!?」
脈拍、心拍数共に消えたその時だった、娘の姿も消えた。
<ポーーーン>
身様な機械音が響き、今度は培養液で満たされていた機械が消えて娘が現れた。
困惑した、ただただ困惑した。
自分が想像していたよりもずっと稀有で特異な到達点を生み出してしまった事に。
「うちにも到達者を造ってくれよ」
娘の存在が知れてからというもの心無い言葉を吐く者が多くなった、娘に悪影響だ。
「パパァ~、ママがご飯できたよぉって~!」
愛おしい、娘の為に再婚までした、勿論今の妻も愛している。
再婚相手は私を支えてくれていた元助手だ、今は育児に専念してもらっている。
「今行くよー」
今、と。
そう言えるうちに、後悔が無いように。
妻と共に娘にしてあげられることは全部してあげた、それでも娘を妻を残して先立つ事への後悔は大きいだろう、歳を取らない私が言うのも変な話だがな。
*
男って馬鹿ねぇ、何で気が付かないのかしらぁ。
「あんなアップスタイルのロングのポニーテールで耳が隠れる程横髪を残せるはずがないでしょう、ズラ子ちゃんよきっと」
「ズラ子ちゃんじゃない、ヌコ娘だ。 あ、間違えた、猫娘だ」
「これだからロン毛オタクは… 私生活にその用語を持ち込むんじゃないわよ、冷めるでしょ」
「何を言うか! お前だってオタクじゃないか、しかもお前はオカマであろう!オカマのオタクじゃないか!」
「 OO の何が悪いのよ」
「その呼び名はいただけませんねぇ、いや、待ってくださいよ… オカマなら公式で… 」この子はこの子でまったく。
「ここにはまともな人間が居ないわね」
「「「「「 お前が言うか!? 」」」」」
「えっ!?」何かしらこの反応???
「ネタで言っていないところがあれですよね」
「まあそんな事はさておき、犯人捜しの続きをしましょう」
「そうだぞOO」何だかむかつくわ。
<パシッ>
「いててててっ!! ツッコミじゃないぞそれ!!」
「そうよ、これは手刀よ」
「何も言えない」
「言葉を無くすのは良いけですど、さっさと本題に移りましょう」
「そうっすよ」
「カツラが怪しい理由にはならないぞ」
「本物志向の割にはこのカツラは変ってことよ、耳まで隠す意味が無いわ」
「耳に何かあるんですかね」
「この子について、他のカメコがうpしてる画像ないかしらね?」
「難しいなぁー、一日目の終了間際だったし」
「美人で目立つ髪色してるし、誰かが撮ってるかもしれないぜ」
「確かにそうよね」
「LIVEアプリの録画記録を漁ってみますわ」
「私は、女の子の頭部が大きく映っていて耳の形が見えるものを形状識別で検索かけてみますね」
「私もちょっと潜って調べるわね」
「りょーかーい」
「あ、見つかった」
「早くない???」
「私も見つけましたわ」
「私もよ」
「え、何で???」
「『会場撮影用定点ライブカメラを横切る少女の耳の穴が無い!?ハッキングされ偽装されていた可能性が浮上!!消失当日の夕方頃には既に異変が起きていたもよう!!!』だってさ」
「みんなそれぞれ調べているようね」
「偽装? どこも似たような事が書かれてるな」
「でもこの子はCGじゃないわよ、実際に居たわ。 私見たもの」
「私も見たわ」
「何が起ころうとしているのかしら… 」
*
「お豆腐にお醤油をかけたり、パスタにホワイトソースをからめたり、鶏肉を鶏卵でとじたりするのといっしょっすよ、馬鹿にしているわけではないっすよ、私は愉しむためにやってるだけなんすから。
馬鹿にしてるだろ、馬鹿にするな、なんてあなた達が言うのは変な話っすよ、おこがましいにもほどがあるっすよね。
言葉に意味は無い、言葉を聞いただけで分かった気でいる愚か者共、会う事に意味は無い、会っただけで知った気でいる恥知らず共、私は犬と猿の交尾を見て羨ましがるような嫉妬を燻ぶらせるような粗大生ゴミじゃないっすよ。
食べ物を選り好みするなんて随分と高等で傲慢な種族なんっすね~、嗤っちゃいますよ。
で、
単純な質問をするっすよ。
18年間、私を眠らせていたのは誰だ?」
「…お、おまえを… 眠らせた奴は… わ、私が殺した… 」
「それはそれは、残念っすね」
「フッ…」
「死ぬ前に私に一泡吹かせられたとか思ってんすね、嗤えますねそれ」
「???」
「私が復讐の為にやってると思ってんすね、馬鹿ですね~。
私はたんに、平穏を愉しむために安眠が欲しいだけなんですよぉ~。
私、不眠症だから朝がきつくて起きれないんですよ~。
睡眠薬も麻酔も効果が得られないから、困ってたんすよ。
お父さん達が死んでから、この顔にした時に痛くて痛くて… 、 乙女の軟お肌に異物を入れる様な事はもうしないんすけどね。
ん、アハハハハッ、馬鹿っすね~。
敵のアジトに行くのに本当の顔を晒す訳がないじゃないっすか。
これはママの顔ですよ、育てのママの顔、家族だからこの顔であることに、似ている事に違和感を持たなかったでしょ。
アハハハハッ!!!!!」
「怪物め」
「そうですね~、言うなれば、フランケンシュタインの怪物、ですかね っすよ」
「まさか」
「フフフ、アハハハハッ、あー、楽しいです、愉しいですよ。その顔、その心… 。 笑っちゃいます、嗤えっちゃいます。●ナニーよりも、女の子同士で密な蜜を撫で合い舐め合い愛戯合うよりも、心地が良いです、気持ちが良いです、快感です。 クルルちゃん、私との事が心にあって婚期が遅れたんだろうな、フフフ、アハハハハッ!!!!!」
「何を言ってやがるんだお前は!!!!!」
「脅えた目が素敵ですよ っすね、フフフ、風景や心情を現す言の葉は要らない、飾る言葉は聞き飽きた愛の形は見飽きた言葉を聞いて理解しなさいよ、人間。 死に逝くあなたには何の興味も無いのです、あるとすれば、そうですねぇ~、、、 あなた方の利き手人差し指を手首からもぎ取って皮を剥ぎ肉を落とし腱でつながったその骨を生温かいその血で濡らし、それで●ナニーをしたら、誰のが一番気持ちが良いのかなぁ~、ってことくらいですかねぇ~」
「何を言ってやがる… 」
「目玉で抜き入れを繰り返すのも好きですよ、視神経が紐の役割を果たしてくれて便利なんですよ、弾力と滑り具合も程良いですし。ただ、入れてる時に視神経が切れちゃったのには焦ってしまいました。
フフフ、そう言えば、●ィストしたのはあれが初めてでしたね」
恥じらいながら頬を染めるその猫は怪物、猫娘、朱色に染まったその頬が更に赤く紅く染まる、血で染まる。
猫の喧嘩は皮が剥がれる程に激しく、痛々しい。
街行く人々は車に轢かれて押し潰れた猫の死骸を見て内臓の色と無知の愚かさ、そして猫の無謀さを知る。
飛び出したはいいが恐怖で身が竦み立ち止まる、登ってみたはいいが身を下ろす枝場が無くて鳴き喚く、泣き縋る。
恐怖を知らぬ、死なぬの猫は、容易く一線を越えてしまう。
*
殲滅が条件ならばこそ、輝ける魂がある。
泥に咲く蓮の華が如く、硫酸の海に浮かぶガラス瓶、彼女の中身を腐った葡萄汁とみるか、気の狂った頭の弱いお花畑女の愛のポエムとみるかは受け取りて次第だ。
そんな事は当たり前、当たり前の事は口にしない主義だ。
私は彼女とは違うから、な。
知らぬが仏、
『これは一人の少女と、そして偶然にも家を共にした探偵事務所の面々との不思議で危険な日常の物語だ。』
彼らの日常を壊さない為にも私は此処で話を書き変え書き終えよう、これは彼女への褒美でもあるからな。
お読みいただきありがとうございます。
次話もよろしくお願いします。




