4:それは偽りではなく歪み。
今まで、あらすじがあらすじの体を成していなかったり、主人公のまともな心理描写が無かったり、色々とありましたが要は…
感情移入させる文章でも、感情移入出来る文章でもない、物量と情報量で殴りつける様な文章であればと、そんな物語であればと願います。
ジャブかアッパーカットかは、感じ方次第です…
内部斬首、少女が手を使わず舌を噛み切らず首の動きだけでそれができるようになったのは、その身を犯されないようにする為だ。
彼女は事前に自殺の練習をしていた。
「この痣?タトゥー?なんっすかね~、コレ」
お腹に刻まれた文字を指でなぞりながら少女はアルミ缶を蒸発させる。
蒸発する寸前液体となったアルミが温度差により少女の肌を転がり駆ける、熱せたれたフライパンに垂らされた水滴の様に。
力のコントロールする練習、この力に気が付いてから毎日欠かさず行っている。
「18年で何が起こったんっすかな~」
彼女の眠っている間に、厚さ4000Mの氷の中から巨大化遺伝子を持ったウイルスが発見されたり、神の示した日が近づいていたり色々なことが起こっている。
「あの組織の連中が死んで居なくなってるとは無いと思うっすけど、どうしたもんっすかね」
今の彼女には平穏な日常を再びその手にするチャンスがある、取り戻した訳でもやり直した訳でもなく偶然の巡り合わせとして。
「私って何がしたかったんっすかね~」
親を殺されたこと、殺された両親の想い、両親への想いからその復讐をしていたこと、親友との再会を邪魔され更にその親友を殺されたこと、今お世話になっているオジサン達に危険が及ぶかもしれないこと…
それらを考えれば答えは自ずと見えてくる。
「ばれないように潰せばいいっすよね」
馬鹿だ。
そう思われるかもしれない。
だが、大丈夫だ。
何故なら少女は自分のことを『少女』そして『彼女』と呼ぶほどに、こうして今もそう考えているように客観的にみれているから、大丈夫だ。
今後の事を、両親の事を、オジサン達の事を、それらを考えれば邪魔者は消しておいたほうが良い。
少女にはそれができるから、出来るならするべきである平和の為に。
「普通の女の子として探偵事務所の仕事をして暮らしたい」
そも為の脅威は全て排する、少女にはそれを行うだけの力と若さがある。
*
やあ、私だ。
探偵でも探ることができなかった組織を二人の少女が、いや、実質一人で探せると思うかい?
答えは『探せる』、だ。
ただし『彼女なら』、な。
蛙の子は蛙、いや、鳶が鷹を産むかな、能ある鷹は爪を隠すでもいいかもしれないが、要は彼女は血統書付きの天才だということだ。
虫の力を得たオタクでもなければ、獣の力を得た軍人でも、遺伝子異常を起こし後天的で突発的に超人になった科学者でもない、原子炉を体内に保有する死なず衰えずの少女だ。
実際は死んだら蘇るだけなのだがな。
まさに到達者だ。
チートなんて言うんじゃないよ、これが基準値なのだから。
まだ出揃ってはいないので多くは語れないが、例を挙げるのならば…
【 不幸が楽園 】〔読み〕ネガティピア:概念を創造する程の力。
【 魔王ノ形 】:存在を創造する程の力。
存在が有り概念が有る、概念を定める事で存在が明瞭になる。
こんな力を持った存在が居るのだ、彼女に出来うる準備は全て行い整えさせるべきであろう。
私達でさえも…
一時的にとはいえども…
…私達は理を護らなければならない、致し方無いのだ。
*
この街では不思議な事が巻き起こる、何故ならこの街は神の選んだ街だから。
『先週の消失事件に引き続き各地区で相次ぐ殺人事件の数々、やはり到達者同士の権力争いによるものなのでしょうか?それとも他国からの侵略行為なのでしょうか?』
この街で殺人事件など日常茶飯事だろ、と、放送を見ているニュース番組に対して心の中でぼやきながらコーヒー牛乳を口にする。
『大方、到達者の率いる団体または到達者を有する団体が代理者の椅子を争っているのでしょうな』
(考えが単純すぎるだろ)
「大勢の人が亡くなったのに呑気っすよね」
「あの場に居たのにお昼に朝ご飯が食べれるな」この子が少し抜けていて良かったと思える日が来るとはな、なんというか少し皮肉なものだ。
「まあ、そう言ってやるな」色々と疲れているのさ、とボスはコーヒーを楽しんでいる。
(よくブラックで飲めるな)俺は苦いのも甘いのも味が無いのも濃いものも苦手なので砂糖無しのコーヒー牛乳やフレッシュジュースを飲んでいる、ブラックコーヒーには手が出せない。
ましてやシナモンマヨネーズベーコンエッグサンドなど無理である。
「よく食えるな…」頭がアレなら舌もということだろうな… 、
「三次元同盟の人とはあまり会わなかったっすからね、オフトモが死んじゃったのは悲しいっすけどね」そういう意味ではなかったんだけど、ね。
だけど、後悔しつつも人の死を理解し始めたこの子の小さな成長に右の頬が緩む、マグカップで隠しておこう。
「何でこんな事をするんっすかね?」純粋な疑問だな。
「金の為だろうよ」全ての根本だ。
「何で金なんっすかね?」
「人の評価をお金でしか見れない人達なのよきっと」
「神が力と知恵の有るものって言ったからな」951年も前の話だがな。
「お金なんて人しか測れないっすよね」人以外も使える様になり公平に売買できなければ金なんて人の傲慢さの象徴だ。
「傲慢な者達にとってお金は力の象徴なのだよ」時間と労働、それらの対価ではなくなってしまっては元も子もない。
「その人達馬鹿っすね~」この子でも分かるのだ、暴力と傲慢さは後世さえも巻き込む恥になる。
その未来の想像は、粘土質の源泉地帯で小便をかけた蓬を埋めたら何が出来るかを想像するよりも容易い。
「力っていうのは物理的な~、なんちゃらっすのにね」
「何も言えねぇや…」
不思議なこの街で不思議な仲間たちと、心許せる仲間たちとこうしてすごせる日常が続く事を神に祈ろう。
ろくでもない神に…
*
私は君達とは価値観が違う、君達の全てを持ちえ、君達自身が私の所有物であるからして、私は君達とは違うのだ。
私はこの立場に耐えられない、幾度となく話の筋を変え作り替え繋ぎ直し再構築するこの作業が耐えられない。
見ていられない。
第三十の精神力には驚かされる。
ゲームの世界でのやり方を考えた第二十八のやり方にも…
私は死んでまた繰り返すのが怖い、大いなる存在が蘇るのも怖い。
彼女を眠らせたのは私だ、私がそう仕向けたのだ、怖いから。
第三が怖いから私は彼女を創り上げた。
彼女なら…
*
この社会は不完全だ。
「馬鹿ばっかっすね~」
18年の月日が経とうともそれは変わらなかった。
「私を眠らせていたのは誰かな?」
「知らねえ… 本当だ… 」
「じゃあ、死んでね」
連続少女暴行事件の犯人がその罪を償う機会も無く死んだ、無残にしんだ、沸騰して死んだ。
「ただの睡眠ガス野郎だったっすね~、無駄足っす」
農家を準公務員化して食品自給率上昇と農業の人手不足を解消するという考えの法案として通そうとする奴の行動ほど無駄だ。
「ん~。。。あ~あぁ~… 怠い」
目は口程に物を言う、顔は性格を心を映す鏡だ。
少女の見た目は裏切らない。
「さて、次に行こう」
お読みいただきありがとうございます。
次話もよろしくお願いいたします。
前話の当たり前なヒントとして、第十八がオマージュしているのは数字無き存在の根本たる世界です。




