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オタクで二次元が大好きだけど何か文句ある?  作者: 閻魔天(ヤマ)
第1章
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自販機で見かけたパシリ少女

 悪夢だ。

 過去に起きた出来事を夢で見るのって、マジであるんだな。

 漫画やアニメだけの話ではなかったのか。

 なんであんな夢見ちゃうかなあ。

 千里山学園の1年C組の教室、昼休み中のこと。

 俺は自分の席で弁当を食べながら今朝がた見た悪夢を思い返す。

 いや、思い返すな。忘れよう。

 かと言ってぼっちの俺には話相手などいない。

 別にいなくても苦労はしない。

 ただちょっと体育の授業の時間とかに友達と一緒に組んでストレッチとかして下さいとか言われると少し困る。

 いつもは本を持ってきてるのだが、今日に限って忘れてしまった。

 暇なので人間観察でもしようかの。

 などと考えているとクラスの前方で会話してる目立つ女子の集団がある。

 茶髪や金髪に染めた女子が多い。見た目は皆可愛いっちゃ可愛い。

 しかし、チャラチャラしてる。まあ、リア充ぽい見た目だ。

「そうえばさあ、あけみ、彼氏とはどうなっての?」

 茶髪に染めて耳に穴を開けた女子があけみと呼ばれた金髪ピアスの女子に言った。

「昨日、初めて口でヤッたわ!」

「口でってまさか!? マジで、ヤバ! 飲んだ?」

「うん、全部」

「うはぁ、パねえ」

 茶髪女子が興奮して声を荒げる。

 クソビッチめ。これだから三次元はダメなんだよ。全くろくなのがいない。

 ああ、どっかにいないかなあ。二次元を愛する同好の志は。

 アキバに行けばいくらでもいるが、不用意に声なんかかけたら警戒されてしまうのでは。特に女子なんか難破目的と勘違いされてはかなわない。

 喉が乾いたな。飲み物でも買いにこう。

 俺は席を立ち自販機がある一階へと向かう。

 自販機の場所に着くと其処には先客がいた。

 長い黒髪を真っ直ぐ何も結ばずに垂らしている少女だ。

 当然だが千里山学園の制服を着ている。

 夏服である青と白のセーラー服だ。カップのサイズはわからんが中々胸も大きかった。

 どっかで見たことある顔だなと思ったら、さきほ教室で変態ビッチ発言をしていた宇田川うだがわあけみといつもつるんでる奴だ。

 確か名前は井上雪姫いのうえゆきだったか。

 ぼっちであるためあまり人の名前を把握していないのだが、あのグループはとにかく目立つ。茶髪だの金髪だのとチャラチャラしたやつばかりのなかで雪姫の髪は一切染めておらず、ピアスやイヤリング、マネキュアなどのギャル風ファッションも全然使っていない。

 清楚な雰囲気はまさに大和撫子といった感じだ。

 雪姫の腕の中には既に2本もの飲物があった。

 しかし、もう3回ほど自販機のボタンを押し、飲み物を買う。

 大方の宇田川にでもパシられたんだろな。

 宇田川は口上は雪姫と友人友人言ってるが、俺には雪姫は宇田川のパシリにしか見えんな。

 5本の飲み物を手一杯に抱えた雪姫が去っていくのが見えた。

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