休日デート(神崎輪花)
わたしはウキウキしていた。今日は美里先輩と遊ぶ日なのだ。
「何着ていこうかな~♪」
かれこれもう一時間以上も下着姿のまま目の前に取り出した服とにらめっこしている。
最近は暑いとはいえこのままずっと下着でいると風邪をひいてしまう。それはまずい。ふと目の前の黒いワンピースが目に留まった。
「よしこれにしよう」
今日は眼帯も包帯も黒ローブもつけていかない。中二病な口調も出来るだけ控えたいかな。なんてたって美里先輩とデートなのだから。
ブックス千里山で美里先輩と待ち合わせて、そこで本を買ったあとわたしと先輩は暑いのでプールに行こうという話になった。そのため水着を選びに水着ショップへ入った。
「こんなのどうだ?」
といって先輩が言って持ってきた水着にわたしは驚いた。ほとんど面積がなくパンツなんかTバック同然の面積の無さだった。ブラも大事なとこは隠してるものの面積は限りなく少ない。さすがにびっくりした。
でも先輩が望むならわたしは着てもいいかなと思わなくもないかな。
まあ、流石に恥ずかしいので断ってしまったけど。
「むむむ無理に決まってんでしょ!」
「はは、冗談だって。ちょっとふざけてみただけだから」
そう言う先輩にわたしは安心すると同時に何故か残念に思った。何故残念に思ったのかは自分でもわからない。
「なんで少し残念そうなの? 着たいの? これ」
「え、そそそそそんなことないよ」
顔に出ていたのか先輩にそんなことを言われてしまった。
「着る?」
「着ないって」
先輩にもう一度その水着を着ないか言われたけどやっぱり恥ずかしいし、とっさに断ってしまった。残念。いやいやあんな水着普通の市営プールじゃ着てけないし。やっぱり先輩に選んでもらわないで自分で選ばないとだね。先輩に選んでもらえたら嬉しかったんだけど。自分で選んだ水着を見てもらった方が嬉しいかも。
「やっぱりわたしが選ぶから先輩ちょっと待ってて」
「お、おう」
先輩に一言いってわたしは適当な水着を何着か選ぶ。というか普通に着けて見てもらった方がいいかな。ちょっと恥ずかしいけど。
試着室に入る。来ている服を全部脱ぐ。黒いニーソが残ってるけどニーソごしでもいいか。ビキニだし。
黒い紐ビキニをつける。というかわたし黒好きだな。きっと色的こう闇属性的な感じがして惹かれるんだね。たぶん。
着付けが終わったのでカーテンを開いて先輩に水着姿を見せる。
「ど、どうかな……」
やっぱり普段より露出度の高い水着だと恥ずかしい。それも気になる先輩の前だし。わたし寝癖とかたってないよね、と朝確認したにも関わらず気になったりしてしまう。
「……ああ、似合ってる」
「ほんと!?」
「うん。でも、なんでニーソ脱がないの?」
「え? ビキニだからいっかみたいに思って」
「脱げ」
「脱げなんて先輩エッチ」
「いやお前のそのかっこの方がエッチだ!」
「なんでよ」
「水着に黒ニーソとかエロいから普通に。しかもビキニも黒だし」
「え~意味わかんないよ」
なんで水着に黒ニーソ履いたらエッチになんの? ただの靴下だよ。男の子てよくわかんないな。