2/4
過ち
ある日事件は起きた。
僕の名前は佐藤 優。高校三年生だ。
僕には好きな人がいた。
彼女の名前は沢田 由紀。
由紀は他の学校に通っており、ほとんど接点もなく、もちろん付き合っている訳でもない。
僕が一目惚れをしたのは部活動のテニスの大会での事だ。
由紀はテニスが上手く、いつも上位に入賞していた。
僕はその日はたまたま調子が良く、ベスト4という結果になれた。
その時、由紀は僕にそっと近づき、
「優くん、おめでとう!」
と言ってくれた。
僕はおめでとうと言われた事も嬉しかったが、名前を知っていてくれた事が凄く嬉しかった。
「ありがとうございます!由紀さんもおめでとうございます!」
僕は緊張してしまい、敬語で言う。
「ふふっ、敬語じゃなくていいんだよ!」
由紀がそう言って笑う。
「優くんのテニス、カッコ良かったよ!また話せると良いね!それじゃまたね!」
そう言うと由紀は立ち去っていった。
僕と由紀は同い年だ。
けれど、由紀は見た目がとても幼くて可愛い。
それでいて性格がお姉さんのように便りがいがある。
僕は完全に惚れてしまった。
けれど、この恋が僕の人生最大の過ちだった。