第六話:学院の日常
キャラ紹介1
ビット・アークライト
主人公である謎の少年、ビット・アークライト。その正体は?極点に至る魔力10の魔術師。あらゆる魔術に精通しているものの、内なる魔力の少なさから、扱える魔術はない。しかし……?
使える技
・極点障置あらゆる攻撃を受け止め、弾くことができる最大10点の極点を任意の場所に設置する技。
・極点動薙受け止め、弾き飛ばす極点を高速で動かし、防御と同時に攻撃も行える技。吹き飛ばすことしかできない為威力はそこまでない。
・指刃圏指で描いた魔力の刃を空中に固定し、総べてを切り裂く絶対領域を展開する技。
今回はゆっくり授業に没頭できて幸福の限り。
――――――――――――
「では次に、魔力集中の基礎を行う。掌に魔力を集め、灯火を灯せ」
教壇に立つのは厳格な魔術理論の教師だ。
生徒たちは一斉に掌をかざし、鮮やかな火球や光の玉を生み出していく。
アミシアの掌には、流麗な炎の剣が立ち上った。
ルインは鋭い氷刃を形作り、隣の生徒たちが思わず息を呑む。
そして――。
「……あれ?」
ビットの掌に現れたのは、わずかに灯る指先の光だけだった。
「ははっ! おい見ろよ、アークライトの魔力はまだ“指先”だぞ」
「やっぱり魔力量10は伊達じゃないな」
教室のあちこちから笑いが漏れる。
だがアミシアは静かに呟いた。
「……でも、私の剣を止めた光も、それだった」
彼女の言葉に笑い声が止まり、一瞬だけ教室が静まり返る。
ルインが鼻で笑った。
「くだらん。あれは偶然だ。そんな小さな光で、俺の魔弾を受け止められるものか」
「……偶然、ね」
アミシアは何かを考え込むように視線を落とす。
教師も首を傾げながらメモを取っていた。
「数値上は10……しかし戦闘記録は異常だ。理論的には説明がつかん」
ビットは肩をすくめて笑った。
「ま、俺にはこれで十分だ」
――食堂にて。
昼食の時間。学院の食堂はざわめきと香ばしい匂いで満ちていた。
ビットはトレーを手に、アミシアとルインの席へ向かう。
「ここ、空いてるか?」
「もちろん!」アミシアが笑顔で答える。
ルインはそっぽを向きながら「……好きにしろ」とぶっきらぼうに言った。
ジェイルも加わり、賑やかな食卓となる。
肉を山盛りにしたルインを見て、アミシアが呆れた声を出す。
「本当にお肉ばかりね。野菜も食べたら?」
「必要ない」
ルインが即答すると、ジェイルが大笑いしながら大きな骨付き肉をかじった。
「ははっ、力こそ正義だろう! 俺と同じだな」
アミシアは温かいスープを口にしながら、ふと微笑む。
「でも……こうして皆で食べるの、楽しいわね」
その言葉に、一瞬だけルインも顔を緩める。
和やかな空気の中、ビットが水晶球を見せられた。
「はい、次は魔力量測定ね」
手を置くと、水晶が青く光り――数字が浮かぶ。
《魔力量:10》
「……やっぱり10か」
「ぷっ、変わらないのね」
周囲の笑い声。だが教師は険しい顔をしていた。
「……魔力量10で、どうしてセリオスを退けられる? 本当に“魔力量”だけで魔術師としての強さというのは計れるのか……」
食堂を出たビットは、ふと背筋を撫でる気配を覚えた。
視線――誰かがこちらを見ている。
振り返ったが、そこに人影はなかった。
ただ学院の高塔の窓に、黒衣の影が一瞬揺らめいた。
次の瞬間には、風に溶けるように消えていた。
――確かに聞こえた。
「……アークライト」
名を呼ぶような囁きが、耳の奥に残っていた。
「……気のせいか?」
そう呟いて歩き出すビット。
しかし、その影がやがて学院を揺るがす事件に繋がることを、彼はまだ知らなかった。
――――――――――
キャラ紹介2
アミシア・リューゲルト
魔剣士の少女。今日も今日とて後方腕組み彼氏ヅラを忘れない。
ルイン・エネモア
魔弾の魔術師。今日も今日とてライバルヅラを忘れない。
ジェイル・ファーラン
俊足の魔術師。高速で動き、己の肉体をぶつける。速さこそ力!速筋こそパワー!肉から得たエネルギーは全て加速と速筋に充てる。
前回取ってきた肉は良く調理されて非常に美味しく、カウンターにある「私が狩りました」表示が誇らしい。