第四話:速さを封じる極点
キャラ紹介1
ビット・アークライト
主人公である謎の少年、ビット・アークライト。その正体は?極点に至る魔力10の魔術師。あらゆる魔術に精通しているものの、内なる魔力の少なさから、扱える魔術はない。しかし……?
使える技
・極点障置あらゆる攻撃を受け止め、弾くことができる最大10点の極点を任意の場所に設置する技。
・極点動薙受け止め、弾き飛ばす極点を高速で動かし、防御と同時に攻撃も行える技。吹き飛ばすことしかできない為威力はそこまでない。
――――――――――
入学から数日。
新入生たちは早速、授業の一環として模擬戦を行うことになった。
円形の演習場に集められた生徒たちは、それぞれの実力を確かめ合うべく対戦相手を指名されていく。
「次は――ビット・アークライトと、ジェイル・ファーラン」
教師の声に、観客席がざわついた。
「ビットって、あの入試でアミシアの剣を止めた奴だろ?」
「でも、アレはただの偶然だったって噂もあるぞ」
「ジェイルは体術の天才だ、あんな小細工は通じない」
そんな声を背に、舞台に立ったのは長身の青年。
ジェイルは笑みを浮かべ、指を鳴らす。
「防御ばかりの噂は聞いてる。速さに反応できなきゃ、どうにもならないだろ?」
合図と同時に、ジェイルの姿がかき消えた。
――速い!
ビットの視界から完全に消え、次の瞬間には背後から蹴りが迫る。
咄嗟に指を動かす。
極点障置。
空間に小さな光点が生まれ、蹴りを受け止めた。
だが衝撃は完全には防げず、ビットの体がわずかに揺れる。
「ほらな、防御は追いつけねえ!」
ジェイルの拳が今度は正面から突き出される。
極点が受け止める。
次の瞬間には横蹴り。極点。
防御はできても、攻撃に転じられない。
観客の声が高まる。
「速さには勝てない!」
「やっぱり噂通り、防御しかできないんだ!」
だが、ビットの表情は静かだった。
「……速いな。だが、動きは直線的だ」
次の瞬間、極点障置が立て続けに十箇所、空中へ展開された。
それはまるで見えない檻のように配置され、ジェイルの動線を狭めていく。
「なっ……!?」
高速移動が封じられ、進路を塞がれる。
ジェイルの足が極点に阻まれ、体勢を崩した。
「――極点動薙」
ビットの指先が走る。
光点が一気に軌跡を描き、流星のように薙ぎ払った。
ジェイルの身体はその衝撃で吹き飛び、地に倒れ込む。
静寂。
そして――爆発のような歓声。
「すげえ! 速さすら封じたぞ!」
「防御だけじゃない、攻撃に転じた!」
教師が手を上げる。
「勝者、ビット・アークライト!」
ジェイルは苦笑しながら立ち上がった。
「……参った。あんな戦い方、誰も真似できねえよ」
観客席で見ていたアミシアが小さく微笑む。
「やっぱり、偶然じゃない……。あの人は、本物ね」
一方ルインは腕を組み、唇を噛む。
「……まだ認めねえ。だが、強いのは事実だな」
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キャラ紹介2
アミシア・リューゲルト
魔剣士の少女。抜刀術と、至天六法による攻防両面の戦術で学内でも一位二位を争う麗姫。入学試験で自らの魔剣を指一本で止められ、ビットへの恐怖と尊敬を抱く。それを「恋」と錯覚しているが、自覚はない。度々後方彼氏ヅラをするところがある。
もう一度戦いたい、焦がれる想いを口にしたかった。それは戦士としての性だったのか、それとも恋なのか――本人にもわからない。
今回は観客席から腕組み後方彼氏ヅラをしていた。
ルイン・エネモア
魔弾の魔術師。大量の魔弾を同時展開し、物量で押し切ることを信条としている。省エネルギーかつ正確な極点で迎撃してくるビットを「小細工」と嘲るが、心の底では認めざるを得ない。いつか完全な同時攻撃を成功させ、勝利を掴むことを新たな目標とする。
アミシアとはライバルであり親友でもあり、互いを高め合う存在。
今回はアミシアと同じく観客席から観戦、後方ライバルヅラをしていた。
ジェイル・ファーラン
俊足の魔術師。高速で動き、己の肉体をぶつける。速さこそ力!速筋こそパワー!肉から得たエネルギーは全て加速のための速筋に充てている。細マッチョ。