【短編】始まる前の物語
『はぁー。またこの季節になったのか』と、私は執務室の窓から見える、薄紫色や白色や濃いピンク色のライラックが咲き乱れた庭園を眺めて、深い溜息をついた。
春の訪れを知らせるライラックが咲く季節、私は此の領主館に幼い5歳の娘オリビアと3歳を迎えた息子ジルベールを残して、王都パルスでの社交に参加しなければならないことで憂鬱になった。
社交シーズン(6月から9月)を王都で過ごせば、自称友人や知人が扇で嘲笑を隠して、『ご親切に』夫ロベールの浮気話を私へ嬉々として告げに来る。
本当に余計なお世話だわ。
私は、北方の国境にあるブランシェ辺境伯の次女として生まれ、当主である父の命じる儘に、16歳でアーシュレイ侯爵家の嫡男ロベールに嫁いだ。
国王陛下からの信任が厚かった夫のロベール・アーシュレイは、私と結婚した25歳で既に王室第三大蔵卿として、王都パルスの宮廷に詰めていた。
アーシュレイ侯爵家は、代々宮中で王家に仕え、大きく成った家門で王家を支持する王党派になる。
そして私が産まれ育ったブランシェ辺境伯であるブランシェ家は、リデア王国と神聖帝国との国境に面した北東ブランシェ騎士団を抱える武門の家柄で、領主貴族派と呼ばれている。
表立った国王からの勅命ではなかったが、恐らく独立独歩の地方貴族を自由にさせない為、中央のアーシュレイ家と辺境伯であるブランシェ家の婚姻を両当主へと勧めたのだろう。
国王の薦め=勅命みたいなモノ。
領地も遠く縁も所縁もないアーシュレイ侯爵家に、ブランシェ辺境伯の次女である私が嫁ぐ理由など、それ以外に考え付かない。
王都で婚約式の為、初めて顔を合わせたロベール・アーシュレイは、銀色の背中まである長い髪を後ろで束ねて、眉目秀麗な顔を真っ直ぐに向け、熱の無い紫眼で私に薄い唇を開いた。
「わたしと父は、ほぼ宮廷暮しとなるでしょう。クラウディア嬢、若い貴女には大変だと思うが、アーシュレイの領地を母と守って貰いたい。」
不愛想なロベールのセリフに焦ったアーシュレイ侯爵と夫人は、慌ててフォローをして下さった。
きっと同席していた私の母と兄が、凄い目でロベールを睨みつけていただろうことが、唐突なその言葉に茫然としていた私にも分かった。
私は、会った初っ端に夫となる予定のロベール・アーシュレイから別居宣言された。
噴火しそうな怒りを堪える母と兄には申し訳ないが、私は内心で『別に構いませんが』と想い冷めた目でロベールを見ていた。
その後、王都パルスにあるアーシュレイ侯爵家の豪奢なタウンハウスで半年間の花嫁修業をし、聖堂教会で婚姻式を挙げ、王家主催で披露宴を行い挨拶を済ませて一月後に、お義母様と共にアーシュレイ家の領地へと戻った。
ロベールは、この婚姻に乗り気でなかったのか、殆ど私と会話せず、初夜や夫婦の営みも淡々と義務的に済まされてしまった。
幾ら愛が無くとも16歳だった私に初夜は恐怖だった。が、ベットで震えて身構える私に「チッ」というロベールの舌打ちが聴こえて、其処で私は涙も声も出すモノかと逆に覚悟が決まった。
しかし、寄り添う想いがゼロな夫婦の営みでも懐妊はするもので、翌年に私はオリビアを出産した。
アーシュレイ侯爵家の領地アンテール地方は、王都パルスから馬車で2日程の穀倉地帯で、穏やかな気候とフローラル王国北西部に流れるオルサ河での水運業が盛んな領地だ。
船での旅程なら王都パルスから半日も掛からない。
それでも領地へ戻って来ない夫ロベールは、余程私を嫌っているのだろう。私は嫌う程の情すらロベールには無いのだけども。
アーシュレイ領主館で教育に厳しかったのは家令と侍女長で、義母であるミッシェル・アーシュレイ夫人は、優しく思わせる声で、適度な距離感を持って私に接してくれた。
お義父様のレイモン・ド・アーシュレイ侯爵は、3ケ月に1度は王都から領地へと戻り、私達や領民と接して下さっていた。そしてロベールの祖父母は、河港に或るフォンテ城で、悠々自適な隠居生活を送っていた。
生家であるブランシェ辺境伯家と違い、家族との距離感が薄い、もしくは遠いアーシュレイ侯爵家に戸惑いつつも、私は少しずつ婚家であるアーシュレイ領主館の暮しに馴染んで行った。
唯一私が我儘を押し通したのは、オリビアを母乳で育たせて貰う事だった。
朧げな記憶だけど、母の腕の中で安らいだ想い出が私にあったので、義母のミッシェル様に頼み込み、乳で乳房が張ったら小さなオリビアを胸に抱かさせて貰い、我が子の温もりを感じて暮らし始めた。
それだけが私の心を暖める光だった。
そして2年後には、もう一つの宝ジルベールが生れて来てくれた。
私は2つの宝を抱いて領主館での仕事を手伝っていた。
◇◇
「この館は静か過ぎますね。クラウディア様。アーシュレイに来て6年経ちますけど、偶にブランシェ辺境伯様の賑やかな御屋敷が懐かしくなります。」
生家から付いて来てくれた専属侍女のメアリーが、私のアイボリーホワイトの髪を梳かしながら呟いた。
「そうね。ブランシェの領主館は領民たちも訪ねて来ていたし、騎士団の皆も気楽に庭園で休憩していたモノね。それに使用人達との距離も近かったから賑やかだったわね。」
私の生家で或るブランシェ辺境伯領は、神々の頂と呼ばれる真白なアトラス山脈が見える。その北方のブランシェ地方は、長く厳しい冬の寒さから領民を守るため、広い領主館の敷地には、山裾に住む小さな集落の住民たちを11月終わりから3月まで避難させている。
そんなせいもあって、我が家では領民と領主との距離はかなり近い。気取った話し方や作法など冬支度の前には、する暇が無い。
おかげでアーシュレイ侯爵家に嫁いでからは、所作と言葉遣いをビシバシと厳しく家令や侍女長に矯正された。
使用人達を束ねる家政婦長は、侍女長と違って、もう少し大らかなのにね。(家政婦長は家令の下に付いて、侍女長はお義母様に就いて居る。)
◇◇
「本来でしたらロベール様は、公爵家のお嬢様でも嫁いで来られる家柄でしたのに。」
そう愚痴るのは神経質な侍女長サマンサ。言外に地方の田舎者と言う想いが駄々洩れている。侍女長サマンサは、公爵令嬢だった義母ミッシェル様の従姉でプライドが高い。
私は自らアーシュレイ侯爵家に嫁ぎたいなんて言ってませんが、と内心でサマンサに毒づく。
「今年も1年に一度の社交シーズンに王都で恥を掻きますよ。若奥様。」
王都パルスの面倒な社交界なんて参加したくないって思っているから、今一つ所作の覚えが悪い私に、侍女長サマンサからお叱りを受ける。
私は、領都で行われる下位貴族の方々や顔役の平民の皆様との社交で十分だと思っているのも、物覚えの悪い原因の1つかしら?
王都での社交なんてお義父様や夫のロベールが頑張って居るのだから慣れない私がするよりも良いと思うのよね。
それに、夫婦で参加義務の或るパーティーや式典に行っても、会場へエスコートして挨拶が終われば、私は1人で放置されるのだもの。お義父様やお義母様に気遣われるだけって言うのも居心地が悪い。
口角を上げて笑顔だけを張り付けて過ごすから顔面神経痛に成りそう。
ああ、帰りたいって王都に行く度、いつも思っている。
◇◇
夫が、庶民街の町屋敷に愛人を囲ったと言う話を私が聞いたのは、息子のジルベールを産んで、翌年参加した王都の社交パーティー。
義母のミッシェル様が貴族街の邸宅に戻り、着替えてから不思議な笑顔を作って、私に優しい声で話し掛けた。
「あの子が愛妾を作ったとしてもクラウディア、貴女の立場は変わらないわ。だから安心なさって。あちらに息子が生れたとしても、教会に認められた正妻である貴女や娘のオリビア、そして大切な跡取りジルベールの立場は不変よ。」
デイドレスに着替え、ハニーブロンドの髪をアップにして整った顔に笑みを浮かべて、お義母様は歌うように語った。
どこか楽し気に。
ロベールの眉目秀麗な顔立ちは、お義母様に似たのね。などと頭の隅で思いながら、彼の愛人が懐妊していることを義母の言葉で私は知る。
サートルヌス神を信仰しているフローラル王国では離婚不可の為、噂話を聴いても其処ら辺の心配はしていなかったが、どうやら義母はロベールと愛妾の情報を調べたらしい。
夫のロベールは、今まで色々噂になった人妻はいたけど、固定した女性の存在が明らかに成ったのは、初めての事だった。
今回は、ロベールが相手の女性が懐妊した事を知り、舅のレイモン・ド・アーシュレイ侯爵と相談し、遠縁のエバンス男爵夫人として出産させたと、義母のミッシェル様は静かに語った。
お義母様が言うには「レイモンドとロベールは、わたくしにも内緒にしていましたのよ。」だ、そうだ。
お義父様は、ロベールの子供をどうしても教会から認められない庶子には、したくなかったみたいね。
私としては、接する事も無いであろう愛妾とその子供の話など、強いて知りたくもなかったのですが。
もしかして昨年ジルベールを出産していなければ、私の子供としてアーシュレイ家で育てる心算だったのかもしれない。
心底、息子のジルベールを出産して良かったと安堵した。
だってオリビアと他人の子を同じように愛せと言っても無理だもの。
無意識の隔たりは、歪な形になる気がするのよね。
特に此の血統意識の強いアーシュレイ侯爵家では。
それに父親のロベールは愛妾の子を大切にしそう。
それにしても、信仰的には一夫一婦制の筈ですが、王都近郊では違うのでしょうかね。
「息子のロベールが申し訳ないわね。」
「いえ、お気になさらずに。お義母様。」
ええ、全く気にしてません。
ジルベールが生れてくれて、此れで社交シーズンの夜伽任務から、私もやっと解放されたことが嬉しい気分だったので、お義母様の優しい嫌味にも心が凪いだ儘です。
私は、社交マナーに煩い侍女長サマンサの感想を聞いてみたいと思いながら、相手の女性アリエル・エバンス男爵夫人の話を詳しく教えてくれる、お義母様の声を右から左へと流していた。
別に構わない。
夫のロベールと会話レスの侭でも、此れから夜伽レスになっても。
私の恋心は、王都パルスに旅立つ前に、故郷ブランシェへと置いて来たのだから。
どの道、身分が違う私の専属護衛騎士であった彼と、私が結ばれる未来は無いモノ。
だから異性として好きだと自覚した瞬間に、私は私の心を封印した。
傍に居たいのに、傍に居るのが苦しくて堪らなかった。
ブランシェ地方には、珍しい夜空のような黒髪と光の加減で黒に見えるネイビーブルーの瞳を持つ逞しい私の騎士。
深く包み込むような声で、いつも私に話し掛けてくれていた。
広い領地を馬で駆ける時も山裾の谷へ冒険しに行く時も、いつも身近にいてくれて、軽々と私を抱えてくれた人。
アーシュレイ侯爵家に嫁ぐと決まった時、私はやっと苦しみから解放されると感じた位に、彼のことが好きだった。
何一つ告げなかったけど、紫色のライラックの花を刺繍したリネンのハンカチーフを彼に渡して、「ありがとう」と涙を押えて感謝の言葉を口にした。
あの時に、私は心を凍らせた。
もう私の心は動く事は無いと思っていたけれど、小さなオリビアに出逢って触れて、胸の氷が解けた。
髪色や瞳の色はロベールと良く似て居たけど、オリビアのあどけない笑顔は無邪気で、必死で伸ばして来る小さな手が愛おしくて、私は人を乞う想いを再燃させた。
無心に私を求める愛しい我が子。
そして息子のジルベール。
私に似たアイボリーホワイトの巻き毛と切れ長な紫眼を持つジルベール。
あの人と血など全く繋がって居ないのに、私の想いが形に成ったような顔立ちで、胸が熱くなった。
私の大切な2つの宝物。
早く大きく成ってと願いながらも、大人に成らないでとも願ってしまう。
◇◇
7歳になったオシャマなオリビアが、アーシュレイ家のサンルームで、親戚の子供たちと初めての御茶会。
5歳のジルベールは、乳母の子供と邸内で遊んでいる様子。
義母のミッシェル様が選んだ養育係とオリビアが過ごすように成って、今では私の予定が入って居ない時の午後のティータイムだけが母娘の時間。
私はしっかり宮廷マナーを身に着けたのに、侍女長サマンサは相変わらずダメ出しをして、オリビアやジルベールを私から隔離しようとする。
ブランシェ辺境伯の領主館では、家族で共に食事をとり、話したい時に母様や父様と触れ合って、兄弟姉妹とも自由にコミュニケーションが取れていたのに、アーシュレイ侯爵家では親子での禁止事項が多過ぎる。
子供たちは13歳になったら王立ルイス貴族学院に通い、16歳のデビュタントの年に卒業したら、婚約や婚姻で家を出てしまうかも知れないのに。
お義母様は、オリビアを通わせる気はないようだけど、ジルベールは将来の為に学院に通わせる予定だと話していた。
後、8年もしたらジルベールは王立ルイス貴族学院の騎士科に通うようになってしまう。
私は子供たちと触れ合う時間の短さに、妙な焦りを感じていた。
◇◇
20年前に北の隣国プロメシア王国と戦争中に、原因不明の熱病が流行り多くの貴族男性が亡くなって、貴族同士の婚姻が難しくなった。其処で前国王ルイス3世が、王都パルスで出会いの場として王立ルイス貴族学院を創立した。
本来だと上下1つの爵位以内での婚姻が定められていたのだが、圧倒的な男子不足で弐位内での婚姻が可能になった。
王族なら以前は侯爵以上でないと婚姻は許されなかったが、今は王国法に基づけば伯爵位からでも可能になった。但し、王太子には侯爵以上か他国の王族しか慣習法で認められないけど。
フローラル王国の爵位は、公爵、侯爵、辺境伯、伯爵、子爵、男爵になり、侯爵と辺境伯が同レベルとなる。
そのほか厳密には貴族で無いが、身分として第二身分に含まれる準男爵、騎士爵、宮中爵が一代限りの爵位としてある。
つまり上位貴族(伯爵位以上)だけでは男子が足りないので、一定のレベル以上の下位貴族とも知り合う機会を儲けようとして、王立ルイス貴族学院は作られたのだった。
暗黙の了解で侯爵以上の入試は免除されているが、伯爵位以下の子女(男女)は国語、国史学、神学(ランテ語)、算術の試験があり、騎士学科は実技がある。
騎士学科の実技を救済措置と云うなかれ。
貴族令息は戦えれば基本、脳筋で良いのだから。
◇◇
オリビアは、5歳で養育係が就いてから、徐々にお転婆ぶりが収まってきたのが、私には寂しい。
もっと自由に愛くるしいシンシアやジルベールを抱き締めたい。
でも侍女長サマンサや他の使用人達がティータイムの席に居て、その衝動を押えなくてはならない。
だって愛する子供たちの前で、母親が注意される姿を見せたく無いモノ。
ああ、オリビアが13歳に成る前に、ブランシェ辺境伯の領地へ連れて行きたい。
特に冬だと雪に閉じ込められることも多いから、ブランシェ辺境伯の領主館で家族や人々が退屈しのぎで、気楽に交流している様子を見せて上げたい。
アーシュレイ侯爵家で被っている貴婦人の仮面を外して、オリビアとジルベールと過ごしたい。
◇◇
お義父様がフローラル王国で蔓延していた酷い風邪で亡くなられて、そして私も同じ病に罹り領主館の離れで寝込んでいる。
子供たちに感染してはいけないので、もう3日も顔を会わせていない。
こんな事ならもっとオリビアとジルベールを抱き締めて上げれば良かった。
熱い息が上がって来て呼吸が苦しい。
解熱剤を飲んで居る筈なのに、熱で体中が痛い。
神様、此れは夫を愛さなかった罰ですか。
オリビアは未だ9歳に成ってもいない。ジルベールは未だ6歳。
あの子達にもっと色々なことを話して上げたかった。
オリビアには恋が叶うお呪い。
ジルベールにはブランシェ騎士団のこと。
あの子達と過ごせたのは、たった8年僅かと6年僅か。
はしたないと叱られても、子供たちと一緒に庭園を駆けまわったり、庭木に登って風を浴びる心地良さを教えて上げれば良かった。
私が居なくなってしまったら、あの子達を心から慈しんでくれる人が居なくなる。
きっと専属侍女のメアリーは、私が死んだらブランシェ辺境伯領へ返されてしまう。
神様。
お願い、あの子達を助けて。
アーシュレイ侯爵家は優しい仮面を被った冷たい人ばかりなの。
オリビアやジルベールがきっと寂しい想いを抱えてしまうわ。
私は喘ぎながら、神様に向かって痛む両腕を伸ばす。
すると誰かが力強く私の両手を包み込んだ。
「クラウディアお嬢様。」
、、、この私を包み込むような暖かな声は、、、。
「 ま、さ、か、、あ、アランなの。」
「はい。クラウディアお嬢様。6年前からずっとアーシュレイ家の領主館で下男として働いて居ました。」
「う、うそ、、。だって黒髪の人なんて見掛けなかった、、、。」
私は途切れ途切れに熱を吐き出すように話す。
時折りゼェーゼェーと言う荒い呼吸音が混じった。
「茶色の鬘を被って居ました。気付かせるとご迷惑を掛けると思い、陰から見守らせて頂いていました。クラウディアお嬢様からライラックのハンカチーフを頂いた時、俺はやっと自分の想いに気が付いたのです。しかし気付いてもどうにも成らないから、忘れようとして無駄な努力を一杯しました。でも無理でした。クラウディアお嬢様は余りにも素敵過ぎたのです。」
「ふふっ。ありがとう。」
神様。
もしかして私を憐れんで下さったの?
そう思うと自然に笑みが零れた。
「アラン、最期のお願い。シンシアとジルベールを見守っていて。メアリーが残って呉れたら良いけど、きっと無理だと思うの。お願いよ、アラン。」
「はい。貴女の騎士としてその命、しかと賜りました。」
私はアランの掠れる声を耳で受け止めて、安らかな気持ちで最後の一呼吸を吐き出した。
静かなアランの慟哭が離れに響いた。
これは、乙女ゲーム『ライラックの花が咲く頃に~ファーストダンスはアナタと~』が、始まる前の物語。
悪役令嬢オリビア・アーシュレイ誕生秘話。