第96話 冬野菜の収穫
「フハハハハハッ!!戦闘として使えない奴らにも使いようがあるなっ!!こうして、世界を、人間界を支配する戦争が始まるのだっ!!」
フードを脱ぎ、依頼者は本来の姿を現す。赤い瞳を光らせて惨劇を眺める。そして顔の皮膚は変異、赤い鱗がパキパキと浮かび上がり、額には角。
奴は宣告する、終わりの始まりを………。
───そして一方、数日後。
辺りは雪景色、昨夜から雪がパラパラと降り、宗平の自宅の屋根、周囲を取り囲むように生い茂る森林は積雪し、地面を生やしている草はトゲのように氷結している。
宗平は雪で降り積もる畑に手を伸ばす。軍手を履き、フードが付いた厚手の上着を着用。
「ふぅ~〜〜………寒いなぁ………」
宗平は白い息を吐く。ガタガタと身体を震わせ、作業する。収穫しているのは白菜、持って掴んでいる鎌がブルブルと震える。
前世で生きてきた冬より、かなり寒い。おそらく外国のロ〇アくらい?。
「ソーヘイさん、見て下さいっ」
アリシアが元気な声を張り上げ、駆け寄る。
「どうした?」
「ネギです、肉厚で美味しそうですよっ」
アリシアが持って来たのは複数本の長ネギ。雪と土が付着し、そしてエバ特製栄養剤によって強化された土壌により、寒波レベルまで作物が育つことが出来き、しっかりと栄養を含まれる。
アリシアが持っている肉厚の長ネギを見て、宗平は思わず。
「凄い肉厚な長ネギだな………。あと、君は寒くないのか?」
宗平は不思議な様子で尋ねる。ちなみに、彼女には(冬はキツイから帰省してもいい)と、伝えた。それは体調不良の事もあり、彼女にもしもの事があれば保護者として面目が立たない。だが、宗平の提案を、彼女はきっぱりと断った。
しかしアリシアはニコッと微笑む。
「大丈夫ですよ。私、何年もこの国の冬を経験しているので寒いのは慣れてますよ。ソーヘイさんこそ、冬は大丈夫ですか?手が震えていますけど?」
アリシアは指摘。衣装はフードが付いた厚手の上着、軍手。
「なんと、君に心配されるとは………」
宗平は頭をポリポリと搔き、逆にアリシアから心配される。そうだった、アリシアはこの世界でこの国で育ち、一方の俺は前世から異世界転移した変哲もない派遣社員。
2人は寒い中、冬の野菜を収穫。
宗平は地面に並べた野菜を眺める。
「それにしても、長ネギだけでなく、白菜やにんにくも凄いな………」
冬の寒さすら凌駕する野菜に、ビックリする宗平。
───そして、2人は長ネギ、白菜、にんにく。あとは卵を収穫し、いつものように馬車に乗ってイーストカロライナタウンに向かうのである。




