第91話 報酬100万nt(ノース)の依頼
───冒険者ギルドの掲示板に、とある依頼書が貼りつけられていた。しかし掲示板を素通りし、行き交う冒険者達。
依頼内容は魔族集団の討伐。奴らは神出鬼没に出没し、罪の無い人間を襲い、誘拐する。そいつらを討伐してくれるパーティーを募集している。
そこに、とあるAランクの冒険者パーティーが依頼書に目を通す。
「おい、魔族の討伐だってよ。やるよな?」
リーダーであり、戦士タイプの冒険者は皆に尋ねる。
「おうよ、魔族の討伐なんて燃えてくるな?」
槍使いの冒険者は不敵に微笑む。
「それに、報酬は桁違いに高い。やるしかないよ」
弓使いの冒険者は賛成。
「魔族相手なら、白魔法。簡単な依頼だ」と、魔導師の冒険者。
すると、依頼者である漆黒のフード付きのマントの人物が現れる。足音を消し、怪しい雰囲気を漂わせ、フードで表情を隠している。
「あなた方が、この依頼を受ける冒険者達ですね?これから、話をしましょう」
そして、冒険者達はフードの人物とテーブルに腰掛け、依頼について交渉するのである。
フードで表情を隠した依頼者は説明する。
「まずは依頼についてなのですが、相手は魔族のグループです。そいつらは神出鬼没に出没し、男性は殺され、若い女性や子供を魔界に連れ去る被害が多発しています」
依頼者の説明に、リーダーの冒険者は怒りで拳を震わせる。
「何て奴らだ。そんな奴、生かせてはおけないっ」
「そうだ、罪の無い人達の為に立ち上がる。それが出来なきゃ冒険者じゃないぜっ」
槍使いの冒険者は言った。するとフードで隠した依頼者は涙ながらに口を開き、右の瞳に刻まれた傷をさらけ出す。
「ありがとうございます。実は私、家族を魔族に殺され、私は生き残ってしまいました………家族の、私の仇を、とって下さい」
と、依頼者は深々と頭を下げる。
「おう、任せてくれっ」
リーダーの冒険者は承諾。
「それで料金なんですが、通常は50万ntですが、さらに上乗せして、100万ntを出しましょう」
破格の金額を聞き、リーダーの冒険者は驚愕する。
「そんな金額、いくらなんでも………」
「いえ、ほんの気持ちです。改めてアナタ達に聞きます、受けてくださいますか?」
「答えるまでもない。な、お前ら?」
リーダーの冒険者は皆に尋ねる。
そして他の3人は、交渉によりガッツポーズをして、承諾の掛け声。
「それで、例の魔族達の住処なのですが………」
依頼者はテーブルに地図を広げ、住処を教えるのである。場所は南東部にある洞窟の最奥、そこで禍々しい木々を生やした森林みたいな異空間を作り、拠点にしている。




