第90話 可愛くなるリアーナ
「ムフフフ、こんな美女達と露天風呂に入れるなんて、ソーヘイさんは幸せ者ですね?」
ミラはニシシっと企むような笑みで言う。
「いや、君達が勝手に入って来たんじゃないか」
宗平はスッと視線を反らし、恥ずかしい様子を浮かべる。
すると、リアーナはちゃぷんと湯船に浸りながら宗平に寄り添とて腕を組み、微笑み掛ける。
「良いではないか?裸の付き合いも悪くはないぞ」
リアーナは言う。
「リアーナ?いつもクールな君が、どうして?」
宗平は困惑した様子で言う。いつものリアーナは冷静沈着かつ厳格な性格。そんな彼女がこんな積極的に?
するとエバは後ろ向きな姿勢で説明する。
「おそらく、温泉の中に含まれる薬草にはほんの僅かに媚薬作用のあって、それが原因かと………。普通の人ならリラックスする程度ですが、個人差でたまに積極的になる事があります」
「そんな事が………リアーナは、酔いやすい体質なのか?」
すると、リアーナはつぶらな瞳でじぃ~と、見つめてくる。
「ソーヘイよ、私はそんなに話しかけにくいか?………確かに私はエルフ族で身長は高くて人より厳しい態度を取ってしまう。けど、本当は人並みにさみしいんだ………」
「本当にリアーナか?」
普段はあまり言わないコンプレックスをさらけ出すリアーナに、宗平は困惑。
普段とは違う様子でリアーナは絡んでくる。顔をぽっと赤くし、ドキドキとした鼓動に火照った四肢。今の彼女の状態、宗平を見ていたら側にいたい衝動が発揮してしまう。
「そんな………誰か、助けてくれないか?」
宗平は皆に助けを求めるように手を伸ばす。しかし………。
「ソーヘイさん、正直な感想は?」
ミラは尋ねる。
「ちょっと悪くないかも………じゃなくて、少しはフォローしてくれっ」
と、意外な姿を見れたリアーナに新鮮な気持ちになりながらも、宗平は訴えかける。
「それじゃ、頑張ってください」
ミラはスッと手を挙げる。そしてアリシアとレイナ、エバと一緒に距離を取り、離れていく………。
「ソーヘイ、私は………」
すると、リアーナはゆでダコのように顔を赤くし、のぼせてしまい、ぶくぶくと湯船の中に沈み、意識を失う。
「ちょっと、リアーナ?しっかりしろっ」
宗平はリアーナを抱え、呼びかける。しかし、リアーナは呼びかけに応じず、息を荒くしている。
───とりあえず、リアーナはマクスウェル家まで搬送。その後は皆で露天風呂を満喫。その後、魔女の里で飼育された乳牛とバターにより調理されたジェラートは風呂上がりに火照った身体には格別だった。
ちなみに、リアーナは温泉での出来事は覚えていないらしい。




