第80話 エバの実戦
───そこはゴツゴツとした岩肌の山岳地帯。空気中は薄く、枯れた草花がヒラヒラと風で揺れ、険しい坂道となっている。
数は1体、2体、3体、4体、5体、6体………10体はいる。奴らは山岳地帯を歩いている民間人を襲撃し、被害を出している。
錆びたロングソードを構えたリザードナイト達は渇いた咆哮を響かせる。キラキラとしたクリーム色の鱗、甲冑を装備。人間離れした上腕、山岳地帯により発達した脚力。
レイナはリザードナイト達に向かって坂道を駆ける。
「アタシに任せなっ!!」
レイナはハルバードを片手で振り回して構え、跳躍。そしてハルバードを一気に叩き付ける。
リザードナイト達はロングソードを構え、自慢の腕力でガードをするが、レイナの一撃の方が重く、吹っ飛ばされて散らばる。
───数は4体、空中に異形が出現した。漆黒の翼をバサッと羽ばたかせ、金色のクチバシを開くカラス型の魔族。
その時、2体のカラス型の魔族の身体にグサッと矢が刺さり、空中で止まる。
「ダメージが浅いか………」
足場が不安定な坂道にて体勢を整え、弓矢を構えるリアーナは悔しい表情を浮かべる。
カラス型の魔族は空中で体勢を立て直し、クチバシを開いてリアーナに狙いを定め、襲いかかる。
「リアーナさん危ないっ………炎よっ」
エバは魔法杖をクルクルと回し、詠唱。杖先に詠唱陣を描き、炎球を3発を発揮。
───炎球が直撃したカラス型の魔族の全身に炎。火だるまとなり、地面にボトっと落下。
「ありがと、エバさんっ」
リアーナは笑顔で親指を出し、グッドポーズ。
「エヘヘへへ………どういたしまして………」
エバは恥ずかしい様子で頬をポリポリと掻いて照れる。
(エバの奴、初実戦なのにやるじゃないか………)
距離は数十メートル、宗平は腕を組み、後ろからサポートに徹する。しかし、地面から足先に響かせる違和感。コレはまさか………と、察知して態勢を整え、駆ける。
「ええっ?」
すると、地鳴りが発生。震源はエバが立っている坂道だ。
「お姉ちゃんっ!!」
その時、レイナは宗平より早いスピードで通り過ぎ、瞬時にエバを抱えてその場から離れる。
────地面から現れたのは、体長100メートルの大きさを誇る大地の竜。地を這う生態の為か、翼は退化し、岩のようにゴツゴツとした体躯。そして強靭な後ろ足に前腕、角と鋭い瞳に牙。
「おやおや…………いくらなんでも、コイツはピンチじゃねぇの?」
岩影からひっそりと眺めるリディクラは驚愕。状況は最悪、10体のリザードナイトにカラス型の魔族が4体、そして大地の竜が1体。




