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第7話 魔除けのペンダントを装着したカカシ



 転移の光玉ワープキューブを使用し、イーストカロライナタウンから自宅兼畑に戻って来た宗平そうへいは作業に取り掛かり、お手製のカカシを作って畑に立てた。あとは捕獲用の檻を設置する。


 宗平そうへいはカカシを眺める。


「ただ木の棒と布で作ったカカシで、効果なんてあるのか?」


 と、軽く疑う。前世にて、昔はよく畑や田んぼにはカカシが立っていたが、最近は見なくなった。そして異世界でこれを使うとは思わなかった。さらに、カカシのデザインも質素、顔に巻いた布に目と口を描き、軍手で両手を見立てる。


「そうだ、シンボルが必要だな。何せお前は、カカシなんだからな………」


 宗平そうへいは、カカシに麦わら帽子を被せる。



───それから………何ともない日々が流れる。畑にカカシを立たせ、捕獲用の檻を設置してみたら効果はあった。まずはカカシを立たせたら畑が荒らされなくなり、生き残ったトマトの芽が伸びていった。さらに捕獲用の檻の様子を見に行ったら。


 ガンガンっと檻全体を叩くように暴れまわるのは、一匹のアライグマ。そして檻から出してアライグマを掴み上げる。


「許せ」


 宗平そうへいは、ショートソードを片手で突き立て、アライグマを無慈悲に駆除する。害獣なら例え小動物でも容赦はしない、何故なら自分にとって畑荒らしは死活問題になるから。



───そんなある日。


「そういえば、アイテムボックスに魔除けのペンダントがあったような………」


 宗平そうへいは所持品欄を宙に表示させ、さらにアイテムボックスの欄をタッチして装飾品一覧をスクロールして魔除けのペンダントを探す。これならわざわざ外に出て害獣を駆除しなくても良い。無益な殺生もせず、徹夜して見張らなくてもいいし、自分にとって動物達にとってもウィン・ウィンだ。


「お、あった。あった」


 スクロールしていた装飾品一覧に、魔除けのペンダント(改)を発見。ちなみに(通常)が50個、(改)が30個、そして上位互換である(極)の方が10個は持っている。前世でやり込んだ際、モンスター討伐クエストにて、倒した強敵から落とした事や錬金屋で強化してもらったりして手に入れた。


 宗平そうへいはカカシに魔除けのペンダント(通常)を首に掛けて装着する。


「うん、ただのカカシながらペンダントを装着したら、雰囲気的にオシャレになったな」


 これで畑を荒らされる心配はワイルドアシラと言う熊タイプのモンスターや飛竜ワイバーン、トロールでない限り大丈夫だ。ちなみにそのクラスなら魔除けのペンダント(極)を使えば近づいてこない。(通常)の魔除けのペンダントは、ゴブリンといった低級モンスターだ。


 そんな日々を繰り返し、そして………。



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