第77話 軽蔑される宗平(そうへい)
家にたどり着いたのは夕方。
「ただいまぁ〜〜〜」
「おかえりなさいなのです」
「うむ、邪魔してるぞ」
宗平達がドアを開いて帰宅すると、何故か家の中にはミラとリアーナがいて、テーブルに紅茶を淹れてくつろいでいた。
その光景に、宗平はため息を吐いて言う。
「何をしているんだ君達は?………」
2人の言動に呆れてものが言えない。アニメ、マンガ、ゲーム、もしくはこの世界なら良いが、現実世界なら泥棒、もしくは不法侵入であり犯罪だ。
するとミラは言う。
「何をって、クエストが終わったのでとりあえずソーヘイさんの家に立ち寄りたくなったので先に帰って来たの、ですっ」
ミラはビシッとクセのある言葉で答えた。
「クエストが終わって何で俺の家に?」
宗平は尋ねる。
「だって、お腹が空いて………まぁ、そんな細かい事は気にしなくて良いじゃないですか?………」
と、ミラは微笑みながら歩み寄り、宗平の左腕を組み、すり寄る。
「腹が減ったって………」
「うむ、何事も気にしないのが一番だ」
一方のリアーナも対抗するように………宗平の右腕を組み、誘惑するように乳房を当ててすり寄る。
「いや、この状況がものすごく気にするんだけど………」
2人の猛烈なアプローチに困惑し、頭をポリポリと掻く宗平。はぁ………俺の理想ののんびりスローライフが………崩れていく。と、胸中で悔む。女性にアプローチされるのは嫌いではないが、この状況でのアプローチはさすがに戸惑う。
すると、後ろから感じる光るような視線。恐る恐る振り向くと………。
「じぃ〜〜〜〜…………」
そこにはアリシア、レイナ、エバがムスっとした表情で頬を膨らませ、睨みつけていた。
「いや、3人とも。これはだね………そうだアリシア、弁解を」
「私、晩御飯の準備をしてきます………」
ミラとリアーナにアプローチされる宗平の光景に軽蔑するように、アリシアは不機嫌な様子でムスと頬を膨らませ、厨房に向かって歩いていく。
「私、手伝います」
「アタシも………ソーヘイは、そこでイチャイチャしていればいいんだよ」
エバとレイナも同じく軽蔑するような冷たい瞳で、厨房に向かっていく。
「ちょっと…………キミたちぃ…………これはだね…………」
苦笑いで呼び止めようとする宗平。
───な・に・か?
3人は同時に声を張り上げ、宗平に向かって笑顔で威圧する。
「はい、何でもありません………」
まるで彼女達の笑顔に鬼のオーラが宿ったかのように。3人の笑顔の威圧に、宗平は気負けし、肩を落とす。何故か、思春期の娘を持ち、恐妻家で肩身の狭い父親の気持ちが分かるようになる。




