第76話 アリシアとレイナ、盛り上がる会話
───そして、宗平とアリシア、エバとレイナは町を出て帰路についていた。歩いている道はいつもの森林道、ずっと往復して歩いていたら慣れたモノだ。たまにモンスターが出てくるけど…………。
馬車を動かし、パキパキと枯れ葉を踏み、乾いた足音を響かせる。宗平は安心したような微笑みを浮かべ、荷台に振り向く。
(エバの奴、喜んでくれたみたいだな…………)
馬車の荷台に中、エバは買った魔法の書物を眺める。表情はウキウキ、眼鏡を片指でクイッと整える。
「エバさん、何を読んでいるのですか?」
アリシアは興味深く這った体勢で尋ねる。
しかし、エバはアリシアの言葉に耳を貸さず、ウキウキして読書している。
するとレイナは軽く手を振り。
「あ~、アリシアさん。今のお姉ちゃんに話し掛けても無駄だよ。このときのお姉ちゃんは、読書に夢中でこっちの耳は上の空だから…………」
「そうなんですか?」
「代わりに、アタシと話さない?」
レイナは言う。
「レイナさんと?…………そういえば、レイナさんとはあまり話をしたことないから。私でよろしければ、話をしましょう」
アリシアは言った。
「よしきた。じゃ、何を話そうか?」
「そうですね…………」
アリシアは指をアゴに差し、むぅ~とした表情を浮かべ、何を話そうかと考える。
「じゃ、アタシから…………アリシアさんは、どんな故郷で育ったの?」
レイナは手を挙げ、ノーモーションに質問。するとアリシアは微笑み、答える。
「えっ?…………私の故郷?。そうですね、村はルーアン村といって、普段は何の変哲の無い村なんですけど、多くの商人馬車や冒険者ギルド、観光客の人達が大衆食堂などに立ち寄って来て、賑やかな村なんですよ」
アリシアは言う。
「ふむ、それは行ってみたいね…………。お姉ちゃんも一緒に連れて来ても良い?」
レイナの言葉に、アリシアは微笑みながら。
「はい、是非いらしてください。村の人達は皆、やさしくて良い人達ばかりですし、村を運営する子爵貴族の娘として、歓迎させてもらいますよ」
子爵貴族の娘と知り、レイナはビックリして。
「えっ?アリシアって貴族の娘だったの?」
「はい、お父様とは少しばかり揉めましたけど、今は社会勉強としてソーヘイさんの家に農作業を手伝いとして、居候させてもらっている身です」
アリシアは微笑み、答えるのである。
アリシアの説明に、レイナは困惑して苦笑い。
「農作業の手伝いって…………貴族の娘の君が、土臭い事をするんだね…………」
と、アリシアとレイナは話で盛り上がる。
(悪かったな、土臭くて…………)
ボヤく宗平。




