第73話 焼きサンマを作りたいアリシア
───そして、宗平とアリシアはバザーを歩いていた。エバとレイナの性格では、おそらく時間はかかるから。それにエバにとって初めての町、興味深く買い物をしているだろう。
バザーの通りには大勢の人達で行き交う。屋根にはシートが広がり、露店に並ぶ野菜や肉、シーフード、フルーツ、様々な食品の品質を、雨や日差しから守っている。
「はい、いらっしゃいっ。いらっしゃいっ」
露店の店主のおじさん、おばさん、お兄さんやお姉さん達が威勢よく手を叩き、接客している。
「うわぁ~~~~。色んな野菜が売ってますね?」
アリシアは歩き、バザーに売っている食品を眺める。
「何か買いたい物があるのかい?」
宗平は尋ねる。宗平の質問に、アリシアは悩む。
「う~ん、そういえば作りたい料理があるんだった…………。確か…………わしょく?という料理を作りたいなって…………」
アリシアは言う。
「わしょく、か…………。何か懐かしい響きだな。そういえば、リアーナにこの前、レシピ本をもらったっけ…………」
と、宗平は思い出す。確か東の国のレシピだ。それは和食に何処か似ている。
「はい、料理のレパートリーを増やしたくて…………さて、何にしようかな?」
アリシアはウキウキとしてバザーに売っている食材を眺める。
バザーを眺めるアリシアを眺め、宗平は懐かしい気持ちになる。
(そういえば…………この世界に来て、和食って食べてないな…………)
宗平は思い浮かべる。主な料理は洋食、主食は米からパンになり、久しぶりに和食が食べたくなる気持ちだ。
「ソーヘイさん、聞いてます?」
アリシアは言う。
「あ、すまん。昔の事を考えていてな…………ところで、何の話だ?」
「えっと…………どれを作ろうと悩んでいるんですけど?。ソーヘイさんは、何が食べたいかなって?」
アリシアはレシピ本を開き、宗平を見せてくる。アリシアが調理しようとするページ、それは。
「って、アリシア。それは焼きサンマじゃないか?材料はサンマと、大根おろし、ポン酢?…………」
「はい、美味しそうでしたので、作りたいなって…………東の国では、秋の季節になるとこの焼きサンマを食べるって…………」
アリシアは言う。
「焼きサンマか…………季節が季節だし、見ていて食べたくなるな…………。よし、とりあえず探してみようか?」
宗平は言った。
「はい」
───それから、宗平とアリシアはバザーからまずは、東の国産のサンマを数匹を購入。さらに大根を購入、その次は雑貨屋まで足を運び、ポン酢を購入。まず、この世界にポン酢が売っていたのはビックリだ。




