第71話 アリシアと打ち解けるエバ
───魔女の里から戻り、それから数日後………。
いつもの日常を過ごしていた………レイナによれば、エバはあれから笑うようになり家の居間に降りてきて食事が出来るようになった。家の外を出て里の中は歩けないが、宗平が与えた転移の光玉により、里の外には出られるようになり、性格もやや前向きになったのこと。
時刻は朝………。
宗平は野菜畑にて、じゃがいもを収穫していた。
「うん、良い色だ」
引っこ抜いたじゃがいもの色を眺め、品質チェック。
農園の野菜畑、エバはしゃがみ込んで秋なすびを黙々と眺めていた。
「これは、ソーヘイさんが作ったんですか?」
エバはアリシアに尋ねる。朝、転移の光玉を使い、魔女の里から宗平の農園に転移してきた。
「そうなんですよ。ソーヘイさんが作った野菜、とても美味しんですよ」
アリシアはニコッと言う。
「アリシアさんは、ここで働いてるんですか?」
エバは言う。
「うん、そうよ。私、貴族の娘だから世の中のこと全然、知らなくて社会勉強を兼ねて、ソーヘイさんにお願いして、下宿させて貰っているの」
「下宿ですか?………」
エバは関心するように驚く。
アリシアは頬をポリポリと搔き、本当の事を伝える。
「まぁ、本当は家に縛られるのが嫌で、飛び出したんだけど………けど、毎日が新鮮で、いつも食べている野菜の有り難さが分かります」
「凄いです、アリシアさん。私とは違って自分から動くなんて」
エバは尊敬する。
「そんなに凄くはないですよ」と、アリシアは頭をポリポリと搔き、微笑む。
アリシアと打ち解けるエバの光景を、宗平は農作業をしながら眺める。
(打ち明ける事が出来たようだな………)
その光景に何処か安心し、微笑みを浮かべる宗平。彼女にここを紹介して正解だったな………と。
「おねぇ~〜〜ちゃんっ!!」
(何だぁ?)と、宗平は声のする方に視線を向ける。
「ぎゃふんっ」
エバは変な声を張り上げる。何故なら突然、(何か)に突進されるように抱きつかれ、転倒しかけたからだ。
「あぁ〜〜やっぱり、お姉ちゃんだぁ~」
いきなり抱きついたのは妹のレイナ、姉のエバの頬をスリスリさせる。
「もうレイナ、暑苦しいって………」
エバは妹のスキンシップに面倒臭がりつつ恥ずかしい様子。そして離して欲しい、何故なら妹のレイナは姉とは違い、腕力が強い。
宗平は簡単に推測する。
(アレは、元気になった姉に対して、シスコンに目覚めたのかも知れないな………)
妹に溺愛される姉、姉妹仲が良いのは喜ばしい事だと………。現実世界では見た事ないが、ここはゲームの世界であり、無いことがある。




